イチモンジチョウ 幼虫 Limenitis camilla (Linnaeus, 1764)

最近、近隣で見かけて写真に撮っていた蝶の幼虫である。

直ぐに、タテハチョウの仲間の幼虫だろうと予測が付いたので、調べたところ、イチモンジチョウの幼虫と分かった。

この幼虫の食草は、スイカズラ科のスイカズラとの事だが、確かに、上の写真の齧られてる葉っぱが、スイカズラもしくはスイカズラの近縁種である。

違う角度からの写真をもう一枚。

さて、近隣でたまに出会うイチモンジチョウだが、生息分布は、国内は、北海道から九州まで。海外の生息分布は、これまた、ヨーロッパ(特に西ヨーロッパ)が原産と思えるような分布だが、次の大きな生息エリアが、極東の日本や朝鮮半島なのである。そのヨーロッパと極東の間には、現在ロシアのシベリア鉄道が通っているラインに沿って、生息地が点在している感じである。ユーラシア大陸の両端に生息エリアが生まれるのは、一体、どんなプロセスを経ての結果なのか、興味が湧いてしまう。ゆっくり、考えてみようと思う。

イチモンジチョウの成虫の投稿は、こちらから。

イチモンジチョウ 成虫 Limenitis camilla (Linnaeus, 1764) 2

最近、近隣で見かけて写真に撮っていた蝶である。

大きさは、開張で5センチぐらいであった。

種名は、イチモンジチョウ。2年前の8月26日にも投稿しているが、その時より少し良いと思える写真が撮れたので、再投稿してみた。

幼虫の食草は、スイカズラ科のスイカズラとの事であるが、上の写真でも写っている。蝶が止まっているのはクズであるが、その遠景にヤブガラシとスイカズラが写っている。

今回この蝶の写真を撮った付近では、毎年、時々、この手の大きな蝶を見かけていた。しかし、写真に収める事が出来ないでいたため、何蝶か分からないでいたが、イチモンジチョウだったものと推測する。

近隣の同じような環境では、コミスジや、ミスジチョウや、科は違うがダイミョウセセリなんかが似た雰囲気の黒っぽい蝶と思うが、それらと比べて、イチモンジチョウは大きめの気がした。(図鑑的には、ミスジチョウの方が大きいらしいが……。)

生息分布の方は、国内は主要4島に生息しているらしいが、近い海外では、朝鮮半島に、その北にあるロシア沿海州。そして、興味深いのは、ヨーロッパはほぼ全域に濃く生息している蝶のようである。しかし、北米大陸とかでは目撃情報がなく、また中央アジアも似たような感じである。極東アジアとヨーロッパ……どういう移動をした蝶なのであろうか、ミステリアスである。

コミスジ 成虫

この蝶は、ちょうど1ヶ月ぐらい前に、一番近い山系の裾野で見かけて写真に撮っていた。

大きさは、開張3センチ弱ぐらいだった。西日は当たってたものの、随分、茶色がかっているなとは感じていた。

現場でも、ミスジチョウの仲間というのは分かったが、既に投稿済みの種と思い、スルーしていた。しかし、過去の投稿を振り返った際に、ミスジチョウの仲間で投稿済みなのは、ミスジチョウのみであり、本種はコミスジという種と分かった。本州だと、年2〜3回発生しているようである。

幼虫の食草は、クズやハギ等のマメ科の植物とのことであり、比較的何処にでもいるとの事だが、近所近隣で見かけた記憶はない。

この蝶よりも、北方系と思われるミスジチョウは、我家の庭のモミジにも産卵して行った事があるので、身近な生息を確認している。

さて、このコミスジは、日本では、北海道から屋久島、種子島迄は生息しているが、トカラ列島以南の南西諸島にはいないとの事である。海外では、亜寒帯のシベリアから、熱帯のインドシナ半島まで生息している模様である。

因みに、リュウキュウミスジという凄く似た種が、沖縄本島や石垣島にはいるとの事である。