イボタガ 成虫 Brahmaea japonica (Butler, 1873)

この蛾の生体に、とうとう出会えた。

大きさは、前翅長で60ミリといったぐらいであろうか。

裏面を写した写真を以下に。

春先に現れる蛾としては、かなり大きいのではないであろうか。

種名は、言わずと知れたイボタガ。

この紋様とこの貫禄。蛾好きな人達に人気があるのは頷ける。幼虫も、かなり特徴的なタイプなので、興味があれば、私のしている過去の幼虫の投稿も覗いて頂きたい。

また、習性や生息分布等の情報を再整理すると、幼虫の食性は、モクセイ科の樹木の葉を食べるとの事であるが、私が自然下で幼虫が食べているのを見たのは、モクセイ科のネズミモチ、同じくモクセイ科のライラック。ちなみに、ライラックの方は、我家の庭の庭木であった。

生息分布は、国内は、北海道から屋久島まで。海外の生息分布は、学名にjaponica と付くぐらいなので、国内限定に思いたいが、実際のところ、近似種であるBrahmaea WALKER, 1855という蛾が、東アジアや東南アジアには広く生息しているようである。

このイボタガの雌雄の違いは、いわゆる触角が櫛髭状か否か(大概は、櫛髭状なのは、雄)の視点は使えないようで、上翅の先端が雄と比べて丸みが強いのが雌とのことである。

また、日本のイボタガに関しては、北の個体ほど色彩が薄いとの情報も読んだ。

イボタガ 幼虫 Brahmaea japonica Butler, 1873

最近、近隣で、この蛾の幼虫を見かけて写真に撮っていた。

この角がいっぱいある得体の知れない幼虫であるが、私はイボタガの幼虫である事は知っていた。付いていた木は、ネズミモチかトウネズミモチのどちらか?と思っているが、すぐ数メートルのところには、この蛾の名前の由来になっていると思われるイボタノキもあった。

成虫も生体では見たことはないが、この前、家の庭の掃除中に死んだ個体を見つけ写真に撮り、本ブログに投稿もしている。

幼虫もさることながら、成虫も、とても印象に残る紋様をしており、蛾が好きな人達には人気の蛾である。

一応、各都道府県が独自に定めるレッドデータでは、東京都が、絶滅危惧I類に、大阪府が準絶滅危惧種に、愛媛県が絶滅危惧Ⅱ類に指定している。

最後に、脱皮直後と思われる蛾の写真を……。

イボタガ 成虫  Brahmaea japonica Butler, 1873

本日は、ほぼ一日中、我家の庭の草むしり。機械の草刈機で行えば、5分の1ぐらいの時間で終わるだろうが、ひたすら屈んで、手でむしる。

手でむしる理由の一つに、色々な昆虫と対面出来る確率が増えるからである。

本日も、暗くなってきた中、ラストスパートをかけていると、少し混み入ったスポットに大きな蛾らしき物体が見える。凝視しても動いていないので、死体だと分かったが、それにしても大きくて、複雑な紋様にも目が惹かれる。

本日の労働の最後の最後に、神様は御褒美をくれたようである。ありがとう!

その蛾の亡骸を大事に室内へと持ち込み、撮った写真が以下である。

大きさは、今回は動かないので、定規を当てて正確に測った。前翅長で55ミリある。

目ん玉紋様と大きさから、近隣でたまに見かけるトモエガの仲間を当たったが、該当する種はいなかった。

そうしたら、確かイボタガという蛾がこんな感じだったよなと脳裏をよぎり調べてみた。

そうすると、まさにイボタガであった。同時に、イボタガ科には、イボタガ一種しかいない事も知った。

幼虫の食草は、モクセイ科のイボタノキ、キンモクセイ、ネズミモチ等との事である。

年に一回、春の3月4月に現れる蛾である。我家の庭で亡くなっていたという事は、我家にも立ち寄ってくれてたんだと、嬉しくなった。

もし、機械の草刈機を使っていたら、こんな蛾の死体なんか、気が付かずに粉砕してしまっていた事だろう。