ニジオビベニアツバ 成虫  Homodes vivida Guenée, 1852

最近、近隣で見かけて写真に撮っていた蛾の一つである。

大きさは、開張30ミリ弱といったところ。

朱色と橙色を混ぜたようなとても濃い色合いの蛾であった。上の写真の色合いは、現場で肉眼で見ていたものと一致している。

種名は、ニジオビベニアツバ。ヤガ科のエグリバ亜科に属する蛾である。翅を広げて止まる姿と雰囲気が、ヤガ科のベニコヤガ亜科にいそうだなとは感じていたが、エグリバ亜科にも、このようなタイプが属しているのかと学ぶことになった。

幼虫の食草は、クワ科の植物(イヌビワとの情報を多く見たが、この蛾を見た辺りにイヌビワが自生しているとは思えない)らしい。

生息分布の方は、国内は、本州の関東以西………対馬含む九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の生息分布は、台湾、東南アジアのマレーシアやミャンマー、それとインド南東部やスリランカから報告が上がっているのを確認した。

この分布を眺めると、目下、地球温暖化の流れの中で、北上中の種という事であろうか?

ヒメエグリバ 成虫 Oraesia emarginata (Fabricius, 1794) 2nd

だいぶ時間が過ぎてしまったが、9月半ばに、我家の外灯下に来ていた蛾の投稿をしてみようと思う。

2年前の9月に過去に投稿済みの種であるが、今回は、我家に訪れていたということと、過去に投稿したタイプと紋様の雰囲気が違う(個体差が大きい種のようである)と言う事で、再投稿することにした。

上から見ると、こんな感じである。

大きさは、体長で、20ミリ弱ぐらいであったと思う。

種名は、ヤガ科エグリバ亜科のヒメエグリバ。

幼虫の食草は、アオツヅラフジ。アオツヅラフジ自体は、近隣に普通に生えているツタ植物である。

成虫は、果実を吸汁するようであるが、庭にあるハナモモの実が、過去にアカエグリバに吸汁されまくっていたのを思い出すと、同じ習性を持っているのだと思う。

さて、生息分布の方は、国内は、本州以南……九州近海を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の生息分布は、台湾や韓国にもいるようで、特筆と思うのはインド半島に北から南まで満遍なく生息報告が上がっているところである。そして、オーストラリア大陸の北東岸にも居るのだが、オーストラリアの東岸にいる世界共通生物は多いが、北岸からも生息報告が上がるのは珍しい気がする。アフリカ大陸は、南東岸に集中している。

更にもう少し詳しく見ると、アフリカのマラウイとかザンベジ川を少し上った内陸部にいる事とインドの分布である。インドも、バングラデシュに注ぐガンジス川沿いに生息しているように見えるのである。ただ、標高の低い場所には定着せず、ある程度標高のある場所に集中しているように見える。

同時に気になったのは、ヒメエグリバの幼虫が食草とするアオツヅラフジCocculus orbiculatus (L.) DC.であるが、こちらは、東アジアの温帯地域に特化した植物であることが分かった。

アカキリバ 成虫

先ほど、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長20ミリぐらい。翅の後端の形が特徴的であった事もあり、比較的簡単に種名に辿り着いた。

種名は、ヤガ科エグリバ亜科のアカキリバ。

幼虫の食草は、バラ科のクサイチゴ類。他には、ブナ科のクヌギなんかも食すらしい。