ユウマダラエダシャク 成虫 Abraxas miranda miranda( Butler, 1878) 2

この蛾は、我家の庭ではよく見る蛾である。夜は外灯下に知らないうちに来ているし、昼間も草陰や枝葉の間で休んでいたりするのを、ちょくちょく目撃する。

2022年6月1日撮影

この個体で、大きさは裕に開張4センチ以上ある。

我家の庭でよく見れる理由は、結構な長さの生垣に、マサキを(銀マサキ)を使っている可能性が大きい。ユウマダラエダシャクの幼虫の食草が、一般的にマサキと言われている。おそらく、いざとなったら、マサキに限らず、ニシキギ科の植物なら食べそうであるが……。

この蛾の目撃情報を元にしたマップを眺めると、国内では北海道から南西諸島までと国外では朝鮮半島に集中している蛾と分かる。そして、とりわけ、本州と韓国に集中している。

さて、今回の投稿では、何故、ユウマダラエダシャクという名なのか調べたところ、昼間は葉影でじっとしていて、夕方になると活動し始める姿を見て付いたとの解説を読んだ。ここで、そうなんだと思いながらも、夕方に飛び回っているユウマダラエダシャクを、日常的には見ないなと感じている。もう少しして、羽化し始めるウメエダシャクに関しては、夕方に限らず明るい時間帯から飛び回っているイメージは持っている。

ところで、この蛾の厄介なところは、ヒメマダラエダシャクという小さめの類似種の存在である。最初は半信半疑だったが、私が我家の庭にも、同時に2種が出現するのである。ユウマダラエダシャク自体、白地に付くグレーの紋様は、ある程度の場所は決まっているものの、個体によって千差万別なのである。ここに、同じような千差万別の紋様の配置のヒメマダラエダシャクも加わると、ユウマダラエダシャクの小さいのと、ヒメマダラエダシャクの大きめの区別が付かないというのが実際なのである。

まぁ、ここには、私が「上翅の上の方のグレーの大きな斑の中に、濃い色の輪っか上の紋様が有るのが、ヒメマダラエダシャク。」という通説を、鵜呑みにしていなかった事も関係している。

しかし、開張で4センチを裕に超える大きなユウマダラエダシャクを数回見るに当たって、全ての個体に、その場所に輪っかが無いのを確認している。こうなってくると、自分の目での確認を基に、その場所に小さな輪っか上の紋様が現れないのは、ユウマダラエダシャクという一般論を私も採用してみようと思う気になった。(この条件からすると、昨年の私のユウマダラエダシャクの投稿は、ユウマダラエダシャクではない可能性が限りなく大きくなった。)

ユウマダラエダシャクとヒメマダラエダシャクの関係………うーん、興味深いテーマである。

ナカウスエダシャク 成虫 Alcis angulifera (Butler, 1878) 2

二日前に、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、開張で3センチちょっとぐらいだったと思う。

シャクガとして小さめでも、エダシャク亜科の蛾ではありそうなので、エダシャク亜科の蛾を当たると、ナカウスエダシャクだろうなとの結論に至った。

正直なところ、前翅の紋様の配置や雰囲気からは確証は得れずに、頼りにしたのは、後翅の無地感である。

上翅の雰囲気に変異が多いと感じた本種も、何故か後翅は際立ってシンプルなものが殆どだったのである。私は、そこに着目した。

さて、幼虫の食草は、多岐に渡り、色々な科の樹木を食すとの事である。

ナミガタエダシャク 成虫 Heterarmia charon charon (Butler, 1878) 2

たまに、我家の外灯下に来ている蛾である。

大きさは、開張で4センチぐらいである。エダシャクの世界の中の中ぐらいの大きさかもしれない。印象としては、上翅がスッキリ細っそりしている。色が薄めで、グレーというよりゴールド感もある。そんなところであろうか。

上の写真は、後翅の紋様がハッキリ出ておらず、この蛾のサンプルとしては、決して分かりやすいとは思わないが、ナミガタエダシャクだと思う。

上翅の後縁(内側)に沿って外横線の上と外横線の下にゴールドもくすみが見えたら、ナミガタエダシャクみたいに、現在の私は見分けている。

幼虫は、落葉樹の樹木なら、何でも行けそうな広食性の蛾のようである。

我家の外灯下にも、今年も既に数回来てくれているエダシャクである。