アオオサムシ Carabus insulicola (Chaudoir 1869.)2

昨日の夕方、我家の敷地へと一目散に突入してくる虫が目に入る。足元を通り過ぎる辺りで、「アイツか」と分かった。

素早く駆け抜ける個体を上手く捕まえて、摘んで撮った写真が以下のものである。

大きさは、体長30ミリぐらいであろうか。

足元を駆け抜けている時点で、アオオサムシである事は分かったが、近隣で滅多に出会わないオサムシである。前回の出会いは、2年前の5月である。その時の個体の方が、日差しの影響か、個体的特徴なのか、色が薄めで光沢が綺麗に見える。

オサムシの仲間自体、中大型の各種ゴミムシ達と比べると、出会わないが、このオサムシも、2年間で2回目でしかない。

出会わない理由に繋がりそうな事実があるとしたら、このアオオサムシが、日本の中部以北に生息する事実も関係ある可能性もある。中部以北という点で、寒い地域が得意なオサムシと予想出来るが、温暖化の昨今、生息域も北上させられているのではと予想したくなる。

因みに、GBIFのオープンマップで、このアオオサムシCarabus insulicola Chaudoir 1869.の生息分布を確認したところ、関東地方に多く、関東以北の東北にも生息しているようである。しかし、北海道に生息しているかは分からないのと、海外からの目撃報告もないように見える。

という事は、関東地方で誕生して、少しづつ各地へ拡がる途中のオサムシと考えても良いのであろうか。また、拡がりが遅い理由があるとしたら、アオオサムシに限らず、オサムシ達に飛翔能力がない種も多いからだと推測したい。逆に、飛べないものの、各地に拡がっているオサムシがいるとしたら、アオオサムシより歴史が古いオサムシなのかもしれない。

実際のところ、我家の敷地に入るまで、交通量の多い危険な道路を猛スピードで地面を走り横切って来たのが、コース的に分かる。結構、足は速いなと、眺めていた。そして、飛翔出来ないが故の、危険な長距離(20メートルぐらい)移動を選択したのかとも思いたい。

綺麗な雰囲気の昆虫だと思う。

エゾカタビロオサムシ

昨晩、家から車で5分ぐらいのところにある田園地帯に立つ外灯下で見かけた。

一目見た瞬間、上翅の穴ぼこの点列が見えたので、オサムシの仲間と分かったが、身近な自然下でオサムシの仲間には、それほど出会えないので、とても嬉しい気持ちになった。

そして、絶対に写真に撮ると意気込んだが、その場で上手に撮れる自信がなかったので、咄嗟に捕まえて、なんとか車から持ち帰るための容器のようなものを見つけて、詰め込んで持ち帰ってきた。(余談だが、捕まえた時に、この手の甲虫にしては初めての匂いが漂って来た。甘い香りである。そして、初めて嗅ぐ匂いではない気がしたので、その場で、懸命に記憶を辿り始めたのだが、案外スパッと辿り着けた。子供の頃に舐めていた飴の匂いである。榮太棲の紅茶飴か黒飴の匂い。)

そして、撮った写真が以下のものである。

大きさは、定規で測ったので、結構正確だと思うが、体長23ミリといったところ。

調べたところ、エゾカタビロオサムシという種と分かった。同時に、蛾の幼虫、ヨトウガ類の幼虫を餌にしている甲虫だと分かった。おそらく、ヨトウガの幼虫でも、ヨトウムシ(夜盗虫)と言われるような地表間際の植物を食べている幼虫達を捕食していると思いたい。

ところで、名前にエゾ(蝦夷)が付いている昆虫が、大体、北方系の種であると最近理解してきたが、こうした北方系と私が個人的に思っている昆虫は、暖かい地方では気温が低くなる山地に残る傾向があると、私は考えている。

ゆえに、現代の気候では、決して寒いイメージのない我家の周りの環境(平地)で、このエゾが種名に付く昆虫達の繁殖を見れることは、とても意義のあることのように感じる。

年々、夏場の平均気温が高くなって来ているように感じられる昨今、こうしたエゾが名に付く北方系と思しき昆虫達が暖地の平地で見れる機会は、減って来ているのではないかとも推測したい。

因みに、近所で見かけた昆虫で、エゾが種名に付くものを思い出してみると……エゾヨツメという蛾も居たなと思い出した。

マイマイカブリ 幼虫

数日前に近隣で、この幼虫がコハクオナジマイマイもしくはオナジマイマイといった小さなカタツムリの殻に頭を突っ込み捕食している現場に出くわした。

大きさは、35ミリぐらい。何の幼虫であろうと観察しようと近付いたところ、この幼虫の特徴として、薄らと青みがかった金属光沢が見て取れた。

ここで、自分の中では、アイツだと繋がった。カタツムリを捕食していて、青い金属光沢があるのは、近隣ではマイマイカブリである。

ところで、家の近所で、炎天下のアスファルトの上で、ウスカワマイマイというカタツムリの殻口に頭を突っ込んでいる似たような幼虫を見たことがある。その幼虫は、我家の庭でも、ごくたまに出くわすが、そちらは艶ありの漆黒で青い光沢感はない。こちらは、クロナガオサムシの幼虫だと思うのだが、正しいであろうか?

クロナガオサムシも、マイマイカブリ程ではないが、少し細っそりと長めの首を持っており、カタツムリの殻の中に顔を突っ込むのには適している形状の気がするが、そのせいか、クロナガオサムシの事をマイマイカブリと思い込んでいる人達も多いのではと思う。そんな、私も、我家の敷地で初めてクロナガオサムシを見たときに、マイマイカブリではないと見抜けたが、似ているな〜とは感じていた。

同じオサムシ亜科の中で考えた時に、クロナガオサムシは、マイマイカブリへの進化の途中なのか、マイマイカブリの独立性を感じるとマイマカブリは突然変異が固定されたのか、人類の歴史なんか及ぼない遠い過去の世界で、何が起きていったのか興味が湧くところである。

ちなみに、マイマカブリは飛べない(中心に線はあるものの翅もくっ付いている)と言われている。クロナガオサムシも飛べないのではと思う。

ここで、仮説を立てたいのは、所謂樹上性のカタツムリは、この天敵のマイマイカブリ等を避けるために、木の上で暮らすようになったのではというところだが、如何なのであろう?