ヤマトエグリゴミムシダマシ Uloma (Uloma) lewisi (Nakane, 1956)

最近、近隣で見かけ写真に撮っていた小さな甲虫である。

雑木林内の朽木をひっくり返したら、居た感じである。

大きさは、体長8ミリぐらいだったと思う。

種名は、ヤマトエグリゴミムシダマシというのかなと思う。

エグリの由来は、今まで、胸背部の前方が凹んでいるというかえぐれている事から来ていると思っていたが、この種は、前脚の腿節と脛節の継ぎ目が細くなりえぐれているように見えるという特徴もあるらしい。という事で、どの部分のえぐれなのか分からなくなった。

ちなみに、胸背部前方のえぐれは、雄の特徴であり、雌はえぐれずツルツルしているとのことである。という事は、上の写真の個体は雄という事であろう。

過去に、この手の雰囲気で全身赤茶色の甲虫を、エグリゴミムシダマシというタイトルで投稿しているが、本当にエグリゴミムシダマシという種がいるのか、それとも学名から類推すると、マルセルエグリゴミムシダマシUloma marseuliと同一種なのかを再検討してみようと考えていたりもする。

ところで、このヤマトエグリゴミムシダマシの生息分布は、国内は、北海道から九州近海まで。海外の分布は、ちょっと情報を見つけられなかった。

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同日追記

似た種で、モトヨツコブ(エグリ)ゴミムシダマシという種もいる事を知ったので、そちらの可能性もないか、今後、似たような種を見つけた時には、違いに繋がる観察ポイントを見つけて行ければなと思う。

クワカミキリ Apriona japonica (Thomson 1878)

ちょっと日にちが経ってしまったが、本年8月1日に写真に撮っていたカミキリが未投稿の種であることに気が付いた。

ミヤマカミキリにしてはサイズが小さいのは一目瞭然で、ウスバカミキリにしても少しサイズが小さいはずなのだが、おそらくウスバカミキリと思い、スルーしてしまったんだと考える。

ただ、偶然にもクワカミキリという種も、ミヤマカミキリやウスバカミキリのような雰囲気の色合いをしている事を知り、急遽、少し前に写真には一応撮っていたカミキリは、クワカミキリだったんじゃないかと思い写真を見返したところ、クワカミキリの特徴と言える白黒交互のパターンの触角や上翅上部や胸背部の黒い粒々の存在等、前出のミヤマカミキリやウスバカミキリにはない特徴を持っていることを確認した。

下の写真の個体は、クワカミキリである。

大きさは、正直、正確には思い出せないんだが、35-40ミリの間だったと思う。

幼虫も成虫も主にクワやイチジクをホストとするカミキリである。もちろん、それ以外の広葉樹にも付くらしい。ただ、巷に沢山生えているクワの木やイチジクで見かけるのは、もっぱらキボシカミキリであり、このクワカミキリに出会えた事はない。

このクワカミキリの生息分布は、本州以南……九州近海まで。海外の方は、学名にJaponicaと付くぐらいだろうからか、確認出来なかった。

カタシロゴマフカミキリ Mesosa (Perimesosa) hirsuta hirsuta (Hayashi,1965)

最近、近隣で見かけ写真に撮っていたカミキリの一種である。

大きさは、体長15ミリぐらいだった。

この手のカミキリで近隣でよく出くわすのは、ナガゴマフカミキリだが、ナガゴマフカミキリよりはずんぐりとしていて、上翅の紋様も違うように見えるし、なんと言っても、上の写真のカミキリには、毛が生えているのが目立つ。

こうして、しっかりと調べてみたところ、カタシロゴマフカミキリという種と判明。

各種紅葉樹やマツの枯木に集まるカミキリのようである。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州近海まで。最近、対馬亜種は、同一種とみなされたようである。

海外の生息分布の方は、ちょっと厳密には分からなかったが、この手のカミキリが属するゴマフカミキリ族は、ヨーロッパから極東アジアまでのユーラシア大陸といったちょっと雑に言い換えると動物地理学的な旧北区には繁栄しているカミキリの仲間のようではある。