クビアカジョウカイ Lycocerus oedemeroides (Kiesenwetter, 1874) 福島県東白河郡 標高180メートル

先日,家から少し遠出した時に見かけて写真に撮っていた。

体長は10ミリぐらい。

最近は、昆虫の観察に時間を割いていなかったので、一瞬、何物と思ったが、触角の形状と左右に張り出した複眼の形状から、ジョウカイボンの仲間を予測出来た。

ジョウカイボンの仲間を詳しく当たってみると,クビアカジョウカイという種が浮上して来た。かなり似た種にムネアカクロジョウカイという種もいたが、サイズはクビアカジョウカイに近く,ゆえに、上の写真の個体はクビアカジョウカイだと思われる。

習性に関する情報は、インターネット上に少なかったが、アブラムシのような極小の昆虫を捕食している情報が散見出来た。また、花に集まるという情報も目にしたが、まさにタンポポの花に来ていた。私が知っている近所のジョウカイボン達が花に集まっている気はしないので、花に集まるジョウカイボンも居るんだというのが、私の正直な感想であった。

生息分布に関しては、情報が錯綜というか混乱しており,北海道から九州までというものもあれば、元々、西日本に居る種だとの情報もあった。この生息分布の情報の錯綜は、本種とムネアカクロジョウカイとを、そもそも区別出来ていない方達が沢山いる可能性から派生しているのではと思う。かく言う私も,クビアカジョウカイとムネアカクロジョウカイを区別出来るのか、現段階では疑わしい。ただ、ムネアカクロジョウカイの方が少し大きいという情報から、上の写真も個体をクビアカジョウカイと思っている感は否めない。

ここで、一つ目を向けたくなるのは、少しづつ違う近似種は、ある程度の地理的分断を経験した結果と考えたい自分がいる。すると,やはり、1600万年ぐらい前にフォッサマグナの時代に日本列島が海溝で分断されていて、再度陸続きに戻るまでの何千万年かの間に、それぞれ少しづつ遺伝的要因に変化を起こしたのかと思いたい。ゆえに、両種の生息分布にも規則性があるはずだと私は思いたがっている。

ちなみに、海外の生息分布は、上の学名だと,ヒットしてこなかった。また、ムネアカクロジョウカイの学名でも,ヒットしてこなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

happened to see this and took a photo when I went on a short trip away from home the other day.

The body length was about 10 millimeters.

Since I had not spent much time observing insects recently, I briefly wondered what family it might belong to at first glance. However, based on the shape of the antennae and the laterally protruding compound eyes, I was able to infer that it belonged to the soldier beetle group (Cantharidae).

After looking more closely into the soldier beetles, one species that came up was Kubiaka-jōkaibōn (a species of soldier beetle). And also there is a very similar species called Muneaka-kuro-jōkaibōn,but the size of the individual in the photo is closer to that of Kubiaka-jōkaibōn. For this reason, I believe that the specimen in the photo is Kubiaka-jōkaibōn.

There was not much information available online regarding its behavior, but I did find scattered reports indicating that it preys on rather smaller insects such as aphids. I also came across information stating that it visits flowers, and indeed, this individual was found on a dandelion. Personally, I do not have the impression that the soldier beetles I am familiar with in my neighborhood gather on flowers, so my honest reaction was a sense of surprise—realizing that there are soldier beetles that do visit flowers.

As for its distribution, the information seems inconsistent or confused. Some sources state that it is found from Hokkaido to Kyushu, while others claim that it is originally a species native to western Japan. I suspect that this confusion may stem from the fact that many people are unable to clearly distinguish this species from Muneaka-kuro-jōkaibōn. To be fair, I myself am not entirely confident that I can reliably tell these two species apart at this stage. Still, based on the information that Muneaka-kuro-jōkaibōn is slightly larger, I cannot deny that my identification of the photographed individual as Kubiaka-jōkaibōn relies somewhat on size alone.

One thought that naturally comes to mind is that closely related species with subtle differences may be the result of having experienced a certain degree of geographic isolation. If that is the case, one might imagine that when the main Japanese island was divided by ocean trenches during the era of the Fossa Magna around 16 million years ago, and over the tens of millions of years until the land reconnected, each underwent gradual genetic changes. If so, I feel inclined to believe that there should be some underlying pattern in the respective distribution ranges of these two species.

Incidentally, I was unable to find any information on its overseas distribution when searching using the scientific name mentioned above. The same was true when I searched using the scientific name of Muneaka-kuro-jōkaibō—no relevant results turned up.

チャバネキクイゾウムシ Kojimazo lewisi (Wollaston, 1873) or Kojimazo Alonso-(Zarazaga & Lyal, 1999)

最近、近隣で見かけた極小のゾウムシの仲間である。

大きさは、体長で4ミリぐらい。

果たして、種名に辿り着けるかと少し心配であったが、意外とあっさりとチャバネキクイゾウムシと判明。

このチャバネキクイゾウムシの特徴として上げられていたクズやフジの枯れ蔦に集まるという点も、この極小の甲虫を見かけた環境とバッチリと合致する。

さて、本種が所属するキクイゾウムシ亜科に属する種達は、自分が参照した種達に関する限り,どの種も3−4ミリの極小と言ってよい体長のものばかりであった。

ここで、ふとこの極小の身体の意義を,その場で簡単に思い巡らせた時に,「ここまで小さいと鳥はおろか、一般的な肉食性の昆虫達もスルーしてしまうのではないのかな。」という仮説が、脳内にイメージとして現れた。爬虫類のカナヘビなんかは、本種を器用に捕食出来そうだが、同所にもう少し歩留まりの良さげな少し大きい昆虫がいれば、やはりスルーしてしまうようにも予測した。

ところが、そうは問屋が降ろさないよと言いたげに、本種がいた2メートル圏内には、本種を見つける前に,似たような色彩パターンの体長6ミリ前後のアリグモ(ヤサアリグモ?)の存在に,私は気が付いていた。同時に、これだけ小さくて細い華奢(ヤサアリグモのヤサは優らしいが、本当に弱々しい雰囲気に見えたのは事実である)なアリグモだと、近くにジッとしているマルカメムシ達は捕食出来ないようで、また元気に動き回る中型以上の蟻も捕まえられるだろうかと疑問視して眺めていたので、おそらくこの極小のゾウムシが、そのアリグモの行動範囲に入ってしまったら、打ってつけの獲物になるであろうとも思った。小さい捕食者には、他の捕食者たちが見向きもしない小さな獲物が存在しているといった関係が無きにしも非ずかもなと思いながら、何億年前からの絶妙な棲み分けにまで発展する昆虫達の進化の歴史が私の脳内を掠めて行った。

最後に,この極小のキクイゾウムシ達は、小さ過ぎて人間の目に止まり難いのか、生息分布の情報はあまり無いようである。日本と韓国辺りには居るのは確実と思われる。

タカサゴシロカミキリ Olenecamptus formosanus (Pic, 1914)

10日ほど前に我が家の外灯下に来ていたカミキリである。

大きさは、体長20ミリぐらいであったと認識している。

初めて出会うカミキリの気がしたが、調べたところ,タカサゴシロカミキリという南方系のカミキリであることが分かった。

同じシロカミキリ属には、本種よりも少し北方に適応したオオシロカミキリという種もいて、少し似ているのだが、上の写真の個体は、タカサゴシロカミキリだと思う。

生息分布の方は、国内は、本州の近畿以西と紹介されているサイトもあったが、温暖化が進む現在、茨城県の南部には生息しているようである。海外の生息分布は、タカサゴと名前に付くぐらいなので、台湾にはもちろん生息しており,韓国からの生息報告もあるようである。これらの台湾や韓国といった位置関係から類推しても,国内の南西諸島や対馬や隠岐からの報告があるのは頷ける。

幼虫は、胡桃の倒木等を好むようであるが、確かに我家には、胡桃は生えている。胡桃のイメージと結びつかない温かい南西諸島では、胡桃がシマサルスベリに置き換わるようである。