クヌギカスミカメ Castanopsides kerzhneri (Josifova, 1985).

昨晩、我家の外灯下に来ていた小さめのカメムシである。

2年前の5月17日にも投稿していることを確認したが、今、見返すと、その時の投稿は写真も酷いし、情報も薄っぺらいのが恥ずかしい。

カスミカメムシ亜科のカメムシにしては、凄い小さいというわけではなく、体長は7ミリぐらいであった。

種名は、クヌギカスミカメ。

特徴としては、後脚の腿節が濃い色をしていることと、触覚の途中に濃い色の節があることと、あとは胸背部の先の方に黒い対になった小点があることであろうか。

種名の通り、ブナ科の落葉樹を吸汁するカスミカメのようである。

生息分布の方は、国内は、北海道から対馬含む九州まで。海外の生息分布は、対馬にいるという事から、韓国にもいる事が類推される。

フタモンホシカメムシ 成虫 Pyrrhocoris sibiricus (Kuschakewitsch, 1866)

少し時間が開いてしまったが、11月22日に写真に撮っていたカメムシである。

指との比較で大きさを想像すると、体長8-9ミリといったところであっただろうか。

この晩秋の小春日和の日中に、地面を移動しているのを見かけて、あまりのすばしっこさに、カメラのピントを合わせれず、最終的には、摘み上げて写真に撮ったのが上の写真である。

初めて見るカメムシだと感じていたが、過去の投稿を確認したら、昨年の4月12日に、投稿済みの種と分かった。

種名は、フタモンホシカメムシ。

近似種に、クロホシカメムシという種が居るらしくて、簡単な見分け方は、腹部を見た時の脚の付け根の紋様パターンらしいが、クロホシカメムシは、その部分が薄褐色で、フタモンホシカメムシは、その部分が白黒の斑紋様になっているらしい。

そして、神様の悪戯なのか、そんな絶対に普段は敢えて写真に撮らないであろう腹部の写真を、今回は偶然に撮っていたのである。この個体を指で摘み上げる際に、偶然にひくっり返ったのだが、その時に、意外とメリハリのある腹部に興味を惹かれて、写真を撮っていたのである。

その写真が以下である。

上の写真を見る限り、フタモンホシカメムシの腹部の特徴を、しっかりと見てとれる。

さて、このフタモンホシカメムシの生息分布は、生息報告から推測すると、韓国と日本に集中しているようである。実際は、シベリア東部や中国東北地方にも生息しているようである。一応、国内の生息分布は、北海道から、九州近海の島嶼までとのことである。

稲を始めとした野菜を吸汁するようで、他の幾つかのカメムシと同様に、害虫としても認識されているようである。

ウスモンミドリカスミカメ Taylorilygus apicalis (Fieber, 1861)

昨晩、我家の外灯下に来ていたカスミカメの一種である。

この日は、このカメムシが、複数匹来ていた。

大きさは、体長5ミリぐらいだったのではないだろうか。

種名は、ウスモンミドリカスミカメ。

生息分布の方は、国内は、本州以南……九州近海を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。小笠原諸島でも確認されているようである。一方、海外の生息分布を調べてみて、驚くことになった。というのは、世界中の温帯地域に、広範囲に拡がっているのが分かったからである。そして、意外だったのは、動物地理学的な新北区である南北アメリカ大陸の温帯地帯に濃く広く拡がっているのである。

そして、人類の移動を伴わないと辿り着けないような絶海の島嶼にも生息している事を考慮すると、何の植物と共に移動して行ったのであろうと好奇心がくすぐられる。

また、随分と寒くなってきたこの時期に、我家の外灯下に複数匹が現れたところも気になる。今年も、我家の外灯下には、色々なカスミカメの仲間が訪れたが、暖かいシーズンには、このカスミカメを見かけた記憶がないのである。

昨晩の久しぶりの雨が、昆虫界のライフサイクルに何かしらのキッカケを与える事になったのかもしれない。