クヌギカレハ 幼虫 Kunugia undans flaveola (Motschulsky, 1866)

最近、近隣で、この蛾の幼虫を見かけて写真に撮っていた。

この個体は、珍しくタデ科のマダイオウのような植物の葉を食べていた。

500メートル圏内のクヌギ(クリも)の木の苗木には、結構良い確立で1匹づづ居たみたいな感じである。

黒字にオレンジの横ラインが入っていて、ところどころ白い。雰囲気は似ているのだが、よく見ると、どれもそれぞれ少しづつ違う。ゆえに、一瞬、別種が混じってるとも思っていた。

別の個体の写真を。

この辺りで、蛾の幼虫としては、長い事に気がつき始める。

そして、小さいのが居たので、手に乗せて観察してみる。

帰宅後に、ヤガ科辺りから、何の蛾の幼虫か調べ始めるが、一向に種名に行きつかない。

ここで、幼虫の長さが長いことが気になり、過去に、こんなプロポーションの蛾の幼虫(カレハガ)がいたのを思い出して、カレハガ科の幼虫を当たってみる。すると、変異の多いクヌギカレハの幼虫の中に、このような色彩になるタイプが存在する事を知る。

なんだ、クヌギカレハの幼虫だったのかー。

ここからは、全てが繋がった。そりゃー……クヌギにいるわけだし、この幼虫達が威嚇ポーズなのか、頭部を下に抱え込むような姿勢を取る理由も頷けた。肩にある毒毛針の二つの束を押し出してる姿なんだと。

クヌギカレハの幼虫とは知らずに、手のひらの上で転がしていた。絶対に毒毛針にも多少は触れたはずだが、幸いな事に何も起きなかった。大概は、この手の毒毛を持つ蛾達は、ちょっとした接触で毒毛をばら撒いたりして、その毛が手のひらに残ったりするのだが、そういう現象も起きなかったようである。

毒毛針を持つというクヌギカレハの幼虫だが、毒毛針の影響を受けないケースもあるみたいである。

クヌギカレハ 成虫

最近、近隣で、この大きめの蛾を見かけて写真に撮っていた。

前翅長で4センチ以上あり、大きい部類の蛾だと思う。

口先が少し尖り、斜め下に向いているところから、カレハガの仲間ではないかと予測した。似た毛色に、タケカレハがいるが、明らかにタケカレハよりは大きく、紋様も目立った特徴がなく、上の写真の蛾の方が、シンプルな気がする。

ここで、クヌギカレハという種がそっくりなのと、10月/11月に成虫が現れる秋の蛾という情報を読むと、上の写真の個体は、クヌギカレハであろうとの結論に至った。

幼虫は、毒毛を持ったとても大きいタイプで、この蛾がいた近くでも過去に目撃したことがある。そして、この幼虫は自宅庭でも見たことがあるが、いかんせん、クヌギカレハの幼虫とカレハガの幼虫の区別をしっかりとしている情報をネット上で見つける事は出来ず、過去にこのタイプの幼虫を私は、カレハガ幼虫というタイトルで、ブログでは紹介している。

因みに、上の写真の個体はメスの色合いのようである。オスは、もう少し濃い色合いで、メスよりも若干小さいようである。

水に浸かり、てっきり死んでいると思ったが、まだ生きていることが分かったので、一応救出してみた。但し、一度翅の大きく濡れた蛾で再生した蛾を見た経験はない。

タケカレハ 成虫

9月初旬から10日間ぐらいの間だが、タケカレハの成体を近隣近所でよく見かけた。

我家の外灯下にも来ていた。

昼間にコンビニの駐車場にいた個体は、そのままでは絶対に車に踏み潰されるのが見え見えだったので、足で追い払おうとしたが、飛び去る事なく、逆に靴にしがみ付いて来てしまった。そして、靴から中々離れてくれない。

ドクガとは知りつつ、指で退けようと指を近付けると指に乗ってきてしまう始末である。

最終的には、植栽に置いてきたが、今回は、成体には毒毛みたいのはないかもしれないという実体験に基づく検証にもなった。

タケカレハの成体は、春にも見たので、年2化のスタイルを取っていると思われるが、今回の個体達が、1化目の個体群か2化目の個体群のどちらかと言うと、私は2化目の方だと思う。今回、近隣で沢山羽化していた成体が産んだ卵から孵った幼虫が、幼虫や蛹のままで越冬し来春に一化目の羽化をするものと思われる。

今回、タケカレハの成体の方は指に乗せるぐらいでは、なんの毒毛の影響は受けなかったが、タケカレハの幼虫の方は、確実にヤバイ奴だと思う。

夏に半袖で不用意に茂みにった時に、痒みを伴う広範囲のかぶれを引き起こしている犯人は、タケカレハの幼虫だと、私は個人的に思っている。それぐらい、近隣のメダケが近くにある茂みには高確率で潜んでいる気がする。