ドヨウオニグモ Neoscona adianta (Walckenaer, 1802)

最近、近隣で見かけて、写真に撮っていたクモである。

草原の中にポツンと建つコンクリートの建造物に巣を張っている蜘蛛が見えたので、近付いてみた。近付くまでは、薄い緑色の色合いが見えていたので、どうせジョロウグモか、コガネグモの仲間かと思っていた。

ただ、近くでマジマジと見ると、オニグモの一種だと気が付いた。

大きさは、体長9ミリぐらいあった。

調べる過程で、最初に似ていると思ったのは、ゴマジロオニグモという種だったが、ゴマジロオニグモの平均サイズが5-6ミリということで、どうしても合わないと思った。

そして、他に似ているオニグモはいないものかと調べたところ、ドヨウオニグモが浮上して来た。

そう。上の写真の個体は、ドヨウオニグモなのだが、オニグモとしては聞き慣れた名前だったので、てっきり過去に投稿済みと思っていたが、確認したら、未投稿の種と分かった。

ドヨウオニグモ。上の写真の個体は、雌であり、蜘蛛全般に言えることだが、雄は一回り小さく、頭部がもっと全然大きい。

年に2回発生のサイクルのある蜘蛛とのことである。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州まで。伊豆諸島にもいるようである。海外の生息分布は、ヨーロッパでは、ごく普通種のようで、動物地理学の旧北区には、極東アジアの方まで拡がっているようである。ただ、旧北区でも、あまり緯度の高い地帯には、生息していないようである。

コゲチャオニグモ  Neoscona punctigera (Doleschall, 1857)

最近、我家の庭で見かけた蜘蛛である。

大きさは、体長10ミリぐらい。

大きめの円網を張っていて、この雰囲気だと、オニグモの仲間であろうとの予測は立つが、調べたところ、コゲチャオニグモであろうとの結論に至った。

コゲチャオニグモというだけあって、焦茶色をした個体も居るのだが、とにかく色彩の変異の多いオニグモらしい。

生息分布の方は、国内は、本州以南……南西諸島まで。海外の生息分布は、韓国以南……インドネシア辺りまで。西は、インドまで。

オニグモ 雌 Araneus ventricosus (L. Koch, 1878)

時々、ウナギ釣りに出かける古い水門のところで必ず出会える大きな蜘蛛である。

大きさは、大きい個体だと腹部の端から頭部のてっぺんまでで、3センチぐらいあると思う。

この手のクモが、オニグモと名に付くクモなのは知っていたが、果たして何というオニグモなのかを調べてみた。

すると、ズバリ、修飾語の何も付かないオニグモという種である事を知った。まさに、大きさ的にKING of 鬼グモが、オニグモだったのである。

外見的特徴としては、腹部の雰囲気は個体によって微妙に違いがあるが、脚の根元の方が毛が禿げて黒光りしているのは、本種の特徴なのではと、私は思っている。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。ただ、東日本の高山帯には進出していないようである。海外の生息分布は、朝鮮半島、台湾、中国の北から南へと東側は結構内陸部まで生息しているようである。