ヒメトラハナムグリ Lasiotrichius succinctus (Pallas, 1781)?

最近、近隣で見かけて、写真に撮っていたハナムグリである。

最初は、花粉を身体中に付けた蜂なのか、コガネムシの仲間か分からず、素手での捕獲を躊躇っていた。そして、写真撮影前に飛んで逃げられて、苦虫を噛み潰していると、辺りを見回すと被写体は沢山いる事に気が付いた。

花粉をいっぱい付けた個体の写真を以下に。

大きさは、体長12ミリぐらい。

種名は、ヒメトラハナムグリ。

初めて見るハナムグリである。近隣で、まだ見たことのない甲虫に出会えた事に胸が躍る。

このヒメトラハナムグリの生息分布は、国内は、北海道から屋久島あたりまで生息しているようである。海外の生息分布は、朝鮮半島、ロシア沿海州南部、中国の東岸からも一部生息報告が上がっているようである。少し寒い地方にルーツがあるハナムグリの気がする。

さて、私も初めて見たハナムグリであるが、少しレアになりつつあるハナムグリとも言って良いのではと思う。理由は、雑木林の減少である。このヒメトラハナムグリの幼虫は、雑木林内の朽ちた倒木に産卵して育ち上がって来るのである。確かに、このハナムグリを見かけた場所も、雑木林の林縁である。

東京都のレッドデータでは、絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。

コクロコガネ Holotrichia picea (Waterhouse,1875.)

昨晩、庭で見かけたコガネムシである。

比較的小型のコガネムシで、コガネムシムシの仲間としては、少し早い出現だなと感じた。今のところ、今年は、コガネムシの類は、ヒラタアオコガネしか見ていないが、ヒラタアオコガネは、毎年春早くから出現しているコガネムシではある。

大きさは、体長14-15ミリといったところであった。

種名はと言うと、コクロコガネなのではと思う。

同じような名前の種に、オオクロコガネとクロコガネがいるが、オオクロコガネとは間違いようがないかもしれない。オオクロコガネは、もうちょっと大きくて、汚い汚れたような外観である。

では、クロコガネはと言うと、頭部の方の毛があまり生えていないとのことである。そうすると上の写真の個体は、頭部の顔の辺りに長毛が結構生えているのが見て取れるので、コクロコガネなのかなと思いたい。

通常なら、これからの季節、我家の外灯下でも、同じような黒いコガネムシは沢山見れるので、観察を続けて、違いを見出してゆきたいと思う。

コクロコガネの生息分布は、国内は、北は北海道から、南は屋久島までいるようである。海外は、朝鮮半島にはいるようである。

コイチャコガネ Adoretus tenuimaculatus (Waterhouse)2nd

9月の頭に我家の外灯下に来ていた際に写真に撮っていた小さなコガネムシである。

昨年の5月の頭にも投稿しているが、今回の方が、良い写真が撮れたと思うので、再投稿してみる。

大きさは、体長1センチ弱ぐらいであろうか。

種名は、コイチャコガネ。

成虫は、各種広葉樹の葉を食し、幼虫は植物の根を食すとのことである。芝生の根を食べられた場合は、芝生が枯れる被害が出てしまうのは、自然の流れであろう。

ここで、気になったのは、今回の個体を見かけたのは、秋が始まりかけた9月の頭、昨年の投稿の個体の目撃は5月の頭。ここから想像したくなるのは、年に何回誕生しているんであろうと言うことだが、私の予想に反して、年に一回の出現のコガネムシである。

今回投稿した個体は、今年生まれたばかりの個体であり、寒くなると土に潜り越冬するようである。そして翌年の5月ぐらいから目覚めた個体が産卵活動をするというサイクルのようである。成虫として凄く長生きな甲虫だと思う。このサイクルを考えると、今回の秋に誕生したばかりのコイチャコガネは、産毛が多く生まれたてのような雰囲気であるが、来年の夏に越冬から目覚めた個体は、産毛も薄れた姿になっているに違いないと予想したくなる。

さて、このコイチャコガネの生息分布は、国内は九州以北、本州までということである。では、九州より南には居ないのかと言うと、亜種が数種居るようである。海外の生息分布は、お隣の韓国に普通に生息しているようである。