トゲザトウムシ 群馬県万座温泉 標高1750メートル

先週末、群馬県の万座温泉に出かけた際に、見かけたザトウムシの一つである。

大きさは、体長7ミリ程度。身体の部分は、案外大きく見えるザトウムシであった。

調べてみたところ、トゲザトウムシという高地に生息するザトウムシと分かった。

トゲザトウムシの名の由来は、頭部に三つの小さな棘が並んでいるところから来ているみたいだが、上の写真では、ちょっと確認できない。ただ、第二歩脚が異様に長いという特徴は、上の写真からも分かるので、トゲザトウムシなんだろうなと思う。

生息分布は、ブナが生えるような本州の山地にしかいないようである。海外の生息分布に関しては、ちょっとたどり着けなかった。

ちなみに、このトゲザトウムシは、長野県との県境近くの更に標高の高い日本国道最高地点(2172メートル)でも見かけた。

ゴホントゲザトウムシ Opilio spinulatus or Himalphalangium spinulatum (Roewer, 1911),

このザトウムシは、今年は、庭に沢山居る。犬も歩けば、ザトウムシに当たるばりに、注意して歩いてあげないと、踏んづけてしまうケースも生まれている。

大きさは、体長で1センチぐらいあり、それに脚の長さもあるので、かなり重量級のザトウムシである。

種名は、ゴホントゲザトウムシ。

私は、毎晩出会うのだが、このザトウムシに対して、庭で死んだ昆虫とかを食べてくれて庭を綺麗にしてくれているイメージを持っている。テラスの上の清掃人(?)と、心の中で呼んでいる。

さて、このクモ綱ザトウムシ目マザトウムシ科に属するゴホントゲザトウムシ………意外と珍しい種なのか、各都道府県が独自に定めるレッドデータでは、栃木県、岡山県、広島県、愛媛県、香川県が、準絶滅危惧種に指定している。

毎年、我家の庭では、そこそこに出会えるのだが、今年は、我家の庭には沢山いる。まぁ、そういうシーズンなんだと思う。

モエギザトウムシ

最近、近隣で、このザトウムシの写真を撮っていた。

このザトウムシの写真を撮った森は、近隣では、珍しくザトウムシが見れる森である。

さて、本年に入り、このザトウムシの写真を撮ろうと機会は伺っていたのだが、このザトウムシ達の本年の活動が目立って来たのは、ここ最近である。それまでは、居ても小さ過ぎるのか、それとも何処かに隠れているのか目にする事は出来なかった。

上の写真のザトウムシの特徴として、半透明の黄緑色の身体と長い脚の関節部の白いところであろうか。

この特徴から考えると、モエギザトウムシという種なのかなと思う。モエギザトウムシのモエギの部分は、萌木であろうと推測できるので、上の写真のザトウムシの身体の色を言い表している気がする。

ただ、その半透明の黄緑色の体色は、幼体の色であり、これから成体になるにつれて、茶色くなって行くのは知っている。こうなってくると、樹皮や落ち葉に対して保護色の為に、なかなか写真自体にクッキリとした姿で写らなくなってしまうのは、過去に写真撮影を試みている身として経験している。

身体自体は、3ミリぐらいだが、脚の先から脚の先までを含めると、裕に10センチ以上の生物である。

我家の庭にも、ゴホントゲザトウムシというもっと身体部分が全然大きいザトウムシが生息しているが、近隣では、ゴホントゲザトウムシと比べると、このモエギザトウムシは、局所的にしか見かけないザトウムシではある。そういった点では、今回、このモエギザトウムシのルーツが、数十年前ぐらいのこの森への移入種の可能性もなきにしもあらずの気もする。