ウラギンシジミ 雌 Curetis acuta paracuta (Niceville, 1901)

最近、近隣で見かけて写真に撮っていた蝶である。

大きさは、モンシロチョウを微妙に小さくしたぐらいである。

翅を閉じて止まっている瞬間を見ていたので、種名は直ぐにお馴染みのウラギンシジミだろうとの予測は付いた。しかし、翅を広げた時の、翅表の色彩パターンを見て、?となってしまった。見たことの無いパターンだったのである。

そして、ウラギンシジミの雌なのではとの予測の下で調べたところ、やはりウラギンシジミの雌であった。翅表が、焦茶地にオレンジの大きな斑が入るウラギンシジミのオス達は沢山見かけるけど、雌には滅多に出会えない印象を持った。

そして、この10月の終わりに見かけた個体達は、越冬して、翌年の春に産卵して、おそらく、5、6月に夏型の成虫が出現するんだと思われる。そして、その夏型達の産卵した卵から生まれたのが、今回写真に撮っているような秋型の個体達になるといったサイクルを持っていると思われる。

ちなみに、幼虫の食草は、マメ科のフジやクズの花ということである。今のところ、フジやクズの花にいる本種の幼虫は見たことがないし、葉にいる場面にも、私は出会したことはない。

生息分布の方は、暖地系の蝶ということで、関東(東北南部)以西………九州、四国……沖縄本島含む南西諸島まで。ところで、上のタイトルの学名は日本産亜種に対する学名であり、そっくりな蝶が、数種の亜種の学名をそれぞれ持ち、中国や台湾や、インドシナ半島やインドにも生息しているようである。

ウラナミアカシジミ 幼虫 Japonica saepestriata (Hewitson, 1865)

最近、近隣で、この幼虫に出会っていた。

大きさは、2センチぐらい。

形状的に、イラガの仲間の幼虫かと思い調べていたが、辿り着けず、イラガにあるはずの棘針が無いことに気が付いた。そして、蛾ではなく蝶の幼虫かと思ったら、直ぐに種に辿り着けた。

ウラナミアカシジミの幼虫であった。この雑木林では、成虫に出会ったことはなかったが、少し離れた近くの雑木林では、ごくたまに見かける、そして、多くの都道府県がレッドリストに載せている、貴重な蝶である。

今回は、この幼虫を数匹目撃したが、この幼虫を集めたい時は、こうやれば良いのかという事を知ってしまった。

さて、このウラナミアカシジミJaponica saepestriata (Hewitson, 1865)の生息分布は、国内は、北海道の一部と本州と四国の北部である。紀伊半島には、Japonica saepestriata gotohi Saigusa, 1993という少し違う亜種がいるらしい。

海外には、また別の亜種がおり、朝鮮半島、中国北東部、ロシア東部に広く生息している。

この日本海を取り囲んだ生息域を眺めた時に、日本海が生まれる前は陸続きで、一塊にいた蝶なのではと思いたい。そして、九州に進出していなかったり、四国の北部にしか居ないのは、この蝶の移動能力も関係しているのではと密かに思っている自分がいる。

ウラギンシジミ 成虫

昨日、自分の中での初認識の蝶と出会った。

翅を広げて止まっている姿を見た時に、直ぐに初めて見る蝶だと分かった。

直ぐにウラギンシジミという一般種である事が分かった。

大きさは、前翅長で19〜27ミリの蝶とのことだが、シジミチョウの仲間としては、大きいのではと感じた。近くにベニシジミというこれまたシジミチョウの仲間としては大きい方の蝶が沢山いたが、このウラギンシジミは、それらのベニシジミより全然大きい印象であった。

ウラギンシジミは、南方系の蝶で、ありきたりの蝶との事だが、少なくとも、私は近隣でこの蝶に沢山出会える気はしない。沢山出会っていたら、他のシジミチョウのように、既にこの蝶の存在に気がついているはずである。

また、年2化との事だが、ネット上で秋にしか見ないとの文章を書かれていた方が居たが、私も、初認識したこの蝶の存在に春には気が付けなかった。

ただ、最近、翅を閉じて止まった時に、ムラサキシジミのようなシルエットの蝶が飛んでいるのは視界に入る事があった。ただムラサキシジミよりは、微妙に大きく、翅の裏の色もメリハリが無く薄く単色に近いなぁとは感じていた。

これが、まさにウラギンシジミだったのであろうが、この翅裏の薄グレー色の特徴から、ウラギンシジミ(裏銀シジミ)の名前は付けられてると思われる。

幼虫の食草は、クズ等のマメ科植物とのことである。今回の遭遇場所も、まさにクズが繁茂していた。

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2021年7月29日追記

数日前に我家の庭にも来ていた。

近隣では、あんまり見かけない蝶ではあるが、伸び過ぎてしまったクズに固執している瞬間を写真に撮った。きっと、産卵のために来ていたのかなと推測する。