最近、近隣で見かけた蛾の一つである。
大きさは、前翅長17ミリぐらいあった。
肉眼では、クロクモエダシャク辺りかと思っていたが、撮った写真を見てみると、どうも違う気がする。
調べてみたところ、フタヤマエダシャクという種であろうとの結論に至った。
幼虫の食草が、興味深くて、アカマツとの事であるが、確かに、この蛾がいた辺りは、アカマツがまだ生き残っているエリアなのである。そのアカマツも、年を追うごとに枯れて本数を減らしていっているのが現状である。
余談だが、近隣の古い地図(明治初期のフランス式地積図)を見ると、近隣の集落周辺の大半は松林と記録されている。この松が黒松なのか赤松なのか分からないが、当時の村々が、灯り用の油取りのために、しっかりと松林を管理していたのが分かる。
しかし、その後に松を枯らす害虫が入ってきたのか、理由は分からないが、平地の近隣の自然下に、黒松や赤松が自生している風景には、先ず出くわせなくなってしまっている気がする。ちなみに、大正時代末期に入ってきた大王松は、農家の近くの雑木林の中に巨大に聳え立ち生き続けている光景に出くわすことはしばしばある。
さて、このフタヤマエダシャクは、年2化しているようで、5-7月と9月ぐらいに現れる蛾のようである。
生息分布の方は、国内は、北海道から、対馬含む九州を経て屋久島まで。海外の生息分布は、朝鮮半島からロシア沿海州にかけて。