シモフリスズメ 成虫 Psilogramma incretum (Walker, 1865)

最近、近隣で、この蛾を見かけて写真に撮っていた。

同じ個体の写真をもう一枚。

大きさは、前翅長5 センチ以上。かなり大きな蛾である。

種名は、シモフリスズメ。

学名で、この蛾の世界分布を調べようとすると、Psilogramma increta Walker, 1864と変換されて、かなり類似する蛾の分布が出てくる。そのマップを眺める限り、インド南部に始まって、東南アジア(とりわけタイやミャンマーのあるインドシナ半島)、北上して中国東部、台湾、朝鮮半島、日本とアジア南東部広範囲に分布の拡がりを見せる蛾だと分かった。

シモフリスズメの幼虫の食草の方は、モクセイ科に始まり、他にも草本樹木問わず、色々な葉を食べれるようである。

アジアホソバスズメ? 成虫 Ambulyx sericeipennis tobii (Inoue, 1976)

先ほど、我家の庭で見つけた蛾である。

なんとか翅を開いた姿が見たかったので、摘んで外灯下に連れて行き、壁に止まらせたら、思惑通りに翅を開いてくれた。

大きさは、前翅長で45ミリぐらいあった。

惚れ惚れするぐらい大きいなと思いながら、種名を調べると、アジアホソバスズメという種名だと分かった。ただ、モンホソバスズメAmbulyx schauffelbergeri (Bremer & Grey, 1853)の可能性も無きにしも非ず。

幼虫の食草は、クルミ。庭にクルミの木は生えているが、もし、我家の庭のクルミで育ったのなら、幼虫の容姿も是非見たかったものである。

分布域を眺めたら、中国南部やベトナム辺りに、目撃情報が集中している蛾と分かった。

ウンモンスズメ 成虫 Callambulyx tatarinovii gabyae
Bryk, 1946

最近、近隣で、このスズメガの仲間が水溜りで溺れかけているのを見かけて、救出を試みた事があった。

大きさは、前翅長で35ミリぐらいある。

翅の紋様が残っている箇所から、種名を推理していくと、ウンモンスズメという種に行き着いた。

幼虫の食草は、ニレ科のケヤキ、アキニレ、ハルニレと書かれている投稿が多かった。

さて、この蛾がいた近くに、ケヤキやアキニレやハルニレがあるかなと疑問が生じた。基本的に、ケヤキは人為的に植えられた公園や会社の敷地や古くからある大きな農家の敷地等に生えてるイメージだが、近くにあったかなという記憶がある。ハルニレは、どんな樹木か私も知らない。アキニレも、近隣では人為的に植えられるイメージだが、近隣に溢出してなくはない。

こうなると、同じニレ科のエノキやムクノキは、鳥の糞経由で発芽するのか、近隣にはごまんと生えている。

個人的には、エノキやムクノキで、幼虫が育ち上がって来ている可能性も視野に入れたい。

最後に、一応、救出後の写真を以下に。

水面で暴れて、翅の鱗粉が殆ど落ちてしまっているのが見てとれる。蛾は、翅に紋様が描かれているわけではなく、あくまでも粉が紋様を形成しているのが分かる。

救出した個体の子孫達に、また何処かで出会える事を祈って……。