マダラアシゾウムシ  Ectatorhinus adamsii Pascoe, 1872

最近、近隣で見かけて写真に撮っていたゾウムシの一種である。

2匹いたうちの小さい方なので、こちらはオスの可能性あり。

もう一枚、同じ場所にいた別の個体の写真を以下に。

大きさは、嘴の長さも入れると、17ミリ弱ぐらいはあるゾウムシである。正直、大きいゾウムシの方だなと感じた。

種名は、調べると直ぐに分かったが、マダラアシゾウムシである。

そして、このゾウムシも、死んだふりをするゾウムシであった。似たような雰囲気のシロコブゾウムシなんかも死んだふりが得意である。ただ、亜科は、本種がアナアキゾウムシ亜科で、シロコブゾウムシは、クチブトゾウムシ亜科で違う。

そして、このゾウムシの習性を調べていて、クヌギやコナラやウルシの新芽を食べると書いてあったが、まさに、このゾウムシが固執していた木がウルシ科のヌルデであった。

さて、このアシブトゾウムシの生息分布は、国内は、本州、四国、九州。海外の生息分布は、韓国からの報告が多く、台湾と中国の一部からも生息報告が上がっているようである。

最後に、雌雄と思われる2個体が、絡まりながら死んだふりをしている写真を以下に。

コナラシギゾウムシ Curculio dentipes (W.Roelofs, 1874)

最近、近隣で、このゾウムシの仲間を見かけて、写真に撮っていた。

コナラの木をバサバサやったら、頭上から降ってきた感じである。

大きさは、案外と大きくて、嘴を入れない体長で、10ミリ弱ぐらいある気がする。

種名は、紛らわしい種が幾つか存在するが、コナラシギゾウムシの雌(上の写真は)だと思われる。

そして、以下の個体も、同時に降ってきた。

こちらの写真の個体は、明らかに嘴が短く、触角の付け根の位置も触角の前の方に付いているが、このタイプをニセコナラシギゾウムシとして紹介されているサイトも多々あるが、同じ木から降ってきたことを考えると、この下の写真の個体は、コナラシギゾウムシの雄なのではと、私は思ってしまうが、どうなのであろう?

そして、この微妙に似ているコナラシギゾウムシ、クリシギゾウムシ、クヌギシギゾウムシは、外見上の差異で見分けるだけでなく、地球ロマン的に日本列島の形成の過去を思い返し、何らかの列島形成の順番や地理的分断によって、種の分化が進んでいる可能性を感じたい種達である。

各地で観察を続けていれば、何らかの棲み分け(分布傾向)が見えてきそうな気がする。今後も、観察を続けていきたい種達である。観察にあたっては、コナラやクヌギやクリの木をバサバサすれば、簡単に落ちてくる虫なので、サンプルには事欠かないはずである。

最後に、このコナラシギゾウムシの生息分布は、国内は、北海道から対馬含む九州まで。海外の方は、朝鮮半島からロシア沿海州南部まで生息しているようである。

サビヒョウタンゾウムシ Scepticus insularis (Roelofs, 1873)

最近、近隣で見かけて写真に撮っていた小さなゾウムシである。

大きさは、体長8ミリぐらい。

種名は、サビヒョウタンゾウムシだと思うのだが……。

この日、同じ壁には、サイズが殆ど一緒で、少しだけ外観の紋様の雰囲気が違う同種と思われるゾウムシが、もう1匹いた。

このゾウムシがいた場所は、人工的な場所で、限られた植栽の中にある大きなケヤキの切り株の中に潜んでいたものが、気温の上昇と共に這い出て来たのかなと推測したい。それぐらい、人工物に囲まれた場所である。

さて、このゾウムシの生息分布は、国内は、北海道から九州まで。伊豆諸島や対馬にもいるようである。海外からの情報は見つけられなかった。