ハラグロオオテントウ Callicaria superba (Mulsant, 1853)

最近、近隣で見かけたかなり大きなテントウムシである。

テントウムシとしては凄く大きいし、ハムシの仲間の路線も視野に調べてみたが、やはりテントウムシであった。

大きさは、体長11-12ミリぐらいだった。大きいテントウムシとしては、カメノコテントウなんかも凄い大きなテントウムシであるが、似たようなサイズ感である。ただ、頭部を縮めた状態だと、私はカメノコテントウの方が大きいような記憶を持っている。

種名は、ハラグロオオテントウ。ハラグロ(腹黒)を表している写真を以下に。

さて、このハラグロオオテントウは、カメムシ目キミジラミ科のクワキジラミという極小のカメムシの仲間の幼虫を好むため、桑の木の付近にいるとのことである。確かに、この写真を撮った側には、桑の木はある。

また、紹介サイトの多くでは、6-7月に見られるテントウムシとして紹介されているが、今回、成虫が元気に動き回っていたのは、秋も深まる10月の後半のことである。

元々は西日本に生息する種のようだったが、近年の温暖化傾向により、分布域を北上させている種のようである。海外は、台湾からの生息報告が上がっているようである。2023年の秋には、私が暮らす茨城県の南部には生息していることを掴んだ。

意外だったのは、都道府県が独自に定めるレッドデータでは、純絶滅危惧種に指定しているのが、長野県、大阪府、和歌山県、熊本県、宮崎県……滋賀県と兵庫県も注目種に指定していることだった。少し珍しい種であることを知った。

ムーアシロホシテントウ 幼虫 Calvia muiri (Timberlake, 1943)

最近、近隣で見かけて写真に撮っていたテントウムシの幼虫である。

何というテントウムシの幼虫なのか気になり、調べたところ、ムーアシロホシテントウの幼虫が臭いなとの結論に至った。

ムーアシロホシテントウは、低木の白渋病菌類を食べるテントウムシだが、ムーアシロホシテントウ自体、近隣でそんなに見かけないテントウムシの気がする。

ムーアシロホシテントウの生息分布は、国内は、北は、北海道から、南は奄美大島辺りまで。海外は、韓国、台湾、中国の東部の長江流域に生息しているようである。

クロヘリヒメテントウ Scymnus (Neopullus) hoffmanni (Weise, 1879)

ちょうど1週間前に我家の外灯下に来ていた極小の甲虫である。

大きさは、体長2ミリぐらいだったと思う。もちろん、肉眼だと黒い砂粒が動いているぐらいにしか見えないレベルである。

写真に撮って初めて、概要が掴めるわけだが、この写真の甲虫は、クロヘリヒメテントウかと思われる。

会合部の方が黒く、外縁の方は茶色なので、何処が黒縁(クロヘリ)なのか分からないが、産毛が生えているところや、極小のサイズや、この紋様を考慮すると、クロヘリヒメテントウなのかなと思う。

水辺付近のイネ科植物で見られるとのことだが、 我家から一番近い水田までは4-5百メートルはあると思う。しかし、この暑さ真っ盛りの今の時期、水田絡みの昆虫は、明らかに我家の外灯下に集まるようになって来ている。

最後に、生息分布は、国内は、北海道から九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の方は、日本と韓国に生息報告が集中している。