カキバトモエ 成虫 Hypopyra vespertilio (Fabricius, 1787)

数日前に近隣で見かけた蛾のひとつである。

大きさは、前翅長4センチぐらいの大きな蛾であった。

この蛾が日陰の建物の壁面に止まっているのには、最初、気が付かなかった。蜘蛛の巣に掛かった落ち葉ぐらいに思っていた。ただ、接近した時に、飛び立ったので、大きな蛾であったのかと気が付いたのである。

次に止まった場所も運良く、スマホのカメラが届く範囲であったので、撮った写真が上の一枚である。

大きさや形状から、直ぐにヤガ科トモエガ亜科の蛾であろうなとの予測は付いたが、トモエガ亜科の特徴であるトモエ(巴)紋様の眼状紋が見て取れない。

調べてみたところ、トモエガ亜科のカキバトモエという種類である事を突き止めた。最初は、カギバトモエという種かと認識しそうになったが、ネット上の信頼筋のウェブサイト達が、カギバではなく、カキバトモエという種名で投稿しているので、カキバトモエが正式な種名だと思われる。ちなみに、カキバの意味するものは、今の自分には分からない。

さて、幼虫の食草としては、マメ科のネムノキやアカシアなんかが知られているようである。夜間は、クヌギやコナラの樹液なんかを吸いに来ている瞬間も、よく目撃されるとのことである。

生息分布の方は、国内は、本州から対馬含む九州まで。海外の生息分布は、朝鮮半島、台湾、中国沿岸部、インド沿岸部。一方でまたインドシナ半島や中国とインド国境付近といった標高の高い地帯でも目撃されているようである。

アカテンクチバ 成虫 Erygia apicalis (Guenée, 1852)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、大きめで、前翅長22ミリぐらいあったんじゃないであろうか?

種名の方は、調べたところ、ヤガ科トモエガ亜科(昔はシタバガ亜科に分類されていたようである)のアカテンクチバと判明。

幼虫の食草が、マメ科のクズやフジとのことだが、それなら、我家の外灯下に現れるのも頷ける気がする。

生息分布の方は、国内は、北海道の南部から、南は、沖縄本島までいるようである。海外の分布の方は、韓国、台湾、台湾の対岸付近の中国沿岸部。他にはタイの内陸部、マレー半島の南端やボルネオ等のマレーシア領内。他にも、オーストラリア大陸の東西沿岸部港湾地域からの生息報告があるようである。

アカテンクチバの名の由来は、ちょっと直ぐには行き着けなかった。

オスグロトモエ 成虫 春型Spirama retorta (Clerck, 1759)

数日前に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長30ミリぐらいあった。蛾達の平均サイズからすると、結構大きな蛾に思える。

種名は、オスグロトモエ。春型は、雌雄による紋様の変化が乏しく、殆ど差がないようである。一応、オスの方が黒っぽいから、オスグロトモエとは言うようである。

ちなみに、7月ごろから現れ始める夏型は、雄の巴紋様が目立ち、雌雄の区別は簡単らしい。

幼虫は、マメ科のアカシアやネムノキを好むようである。

生息分布の方は、国内は、本州以南………対馬含む九州まで。海外の生息分布は、朝鮮半島、台湾、中国東岸、中国長江流域、フィリピン、インドシナ半島、インド南部を中心に全域で確認されているようである。こうなって来ると、トモエガ亜科の他の蛾達との棲み分けが気になるようになって来た。