トゲヒゲトビイロカミキリ Allotraeus rufescens (Hua, 2002)or Allotraeus (Nysina) rufescens (Pic, 1923)

本年の6月の終わりに我家の外灯下に来ていたカミキリムシの種名が判明したので、投稿してみようと思う。

大きさは、体長17ミリぐらいだったと思う。

種名に簡単には辿り着けなかったのだが、「脚に膨らみのあるカミキリ」というワードで検索をかけてみたところ,同じ姿をしたカミキリがヒットしてきた。

種名は、トゲヒゲトビイロカミキリ。おそらく、トゲヒゲの意味は、写真をよく見ると気が付くのだが、触角の継目に見える小さな棘から来ているのではと思ってみたい。別名のトゲヒゲヒメカミキリという名でも知られているようである。

幼虫は、クスノキ科の枯れ木で育ち,成虫は、アカメガシワやリョウブの花粉に集まるとのことである。

生息分布は、国内は本州以南……九州を経て、屋久島辺り(口永良部島)まで生息しているようである。海外は、台湾や香港に生息しているのが知られている。クスノキ科の枯れ木で育つとの事だが、この事からも、元々南方系のカミキリなのは想像が付く。

国内のトビイロカミキリ属のカミキリは数種いるが、どれも日本近海の島嶼に特化して種分化している亜種達とも言えるかもしれない。

ヨツスジハナカミキリ Leptura ochraceofasciata (Motschulsky, 1861)

忙しくて投稿できなかったが、本年の6月の終わりに見かけて写真に撮っていたカミキリの投稿をしようと思う。

大きさは、体長20ミリぐらいだったと思う。

種名は、ヨツスジハナカミキリ。

所謂、ハチに擬態したカミキリで、普通の人はハチだ思い刺されるのを恐れて、絶対に摘み上げたりはしないであろうが、今回は、直ぐにハチじゃないと見抜く事ができた。

ちなみにこれまでに出会った一瞬ハチかと思ったカミキリムシには、トラフカミキリキスジトラカミキリなんかがいたかもしれない。

さて、このヨツスジハナカミキリは、幼虫時代は、枯木の中で育ち,成虫になると,花の蜜に集まるようである。

生息分布の方は、国内は、北海道から対馬含む九州を経て、更に沖縄本島含む南西諸島まで。ただ、西日本の個体と東日本の個体とで外観に少し違いがあるようなので、遠い昔に種が分断されていた時期がある可能性も感じる。

海外の生息分布の方は、Leptura quadrifasciata Linnaeus, 1758(カラフトヨツスジハナカミキリ?)という近似種が、動物地理学上の旧北区においてヨーロッパ全土から極東のかなり北の方までポツポツと生息しているので、日本のヨツスジハナカミキリは、そのカラフトヨツスジハナカミキリ?が島国の日本で独自進化したものとも推理したいが、あくまでも推論であり,断言するには、自分が当たったソースが少な過ぎる。

リンゴカミキリ Oberea japonica (Thunberg, 1787)

数日前に近隣で見かけたカミキリムシのひとつである。

大きさは、正直ハッキリとは思い出せないのだが、体長18ミリぐらいだったのではないだろうか。

よく似た近似種も含めて、たまに見かけるカミキリではあるが、上の写真の個体の種名は、リンゴカミキリであると思う。

桜の葉っぱなんかを食べるカミキリらしく、バラ科の樹木の葉が好物らしい。このカミキリの写真を撮った真上にも大きな桜の木が茂っているのを知っている。

生息分布は、国内での生息のみが知られているカミキリらしく、北海道から九州………九州は近海の島々まで生息しているようである。

近隣で見かける似たカミキリに、ソボリンゴカミキリOberea sobosana (Ohbayashi, 1956)という種がいるが、こちらは、本州から九州にかけて生息しているようで、元々は九州の山地系のカミキリとの情報があるが、このカミキリも、近隣で見かける気がする。外見状の違いは、このソボリンゴカミキリの方は、肩部まで黒い部分が伸びている点である。

以下に、最近、茨城県と栃木県の県境辺りの標高300メートル付近で見かけたソボリンゴカミキリと思われる個体の写真を貼っておく。