ヌメリスギタケ Pholiota adiposa (Batsch) P.Kumm.

秋の深まりの中、昆虫を筆頭とした小生物の活動を目にする機会も減ったことから、ちょっと視点を変えて、雑木林をキノコを探す目的で歩いてみた。

萎み始めたステージだが、柄が見える写真を以下に。

キノコの名前は、ヌメリスギタケだと思う。

笠の径は、8センチぐらいになる(大きめ?の)キノコである。

食用キノコとして認識されているようで、食感もシャキシャキして味も良いとのことである。これを聞くと、ちょっと持ち帰って食べてみようかとの気になるが、間違う可能性がある有毒キノコに、スギタケとスギタケモドキがあるとのことである。

気になって、スギタケとスギタケモドキの画像をネット上でチェックしたが、見た感じ、間違いそうには無いとも感じた。

スギタケと名前にはあるが、杉に生えるわけではなく、ブナ科の樹木の倒木等に生えるキノコである。実際に、私が見つけたヌメリスギタケも、ブナ科のコナラから発生していたように見える。

さて、このキノコの生息分布だが、日本にも生息しているが、ヨーロッパほぼ全域、アメリカ合衆国ほぼ全域、オーストラリアやニュージーランド、他にも世界各地に転々としているのが分かる。ただ、ヌメリスギタケの学名のPholiota adiposa (Batsch) P.Kumm.で検索をかけると、日本人がヌメリスギタケとして認識しているキノコと少し違う形態の似たキノコ達も出てくるので、少し分類がアバウトなようには感じた。

同時に、recipe(料理法)の海外のサイトも沢山ヒットしてきたので、海外でも食用にされているのが分かる。

ホコリタケ(別名 キツネノチャブクロ)Lycoperdon perlatum Pers.

最近、近隣で、このキノコを見かけて、写真に撮っていた。

この写真のもの達で、縦に3センチぐらいあったのではないだろうか。

一目見た時に、「ははぁ〜ん……踏むと破れて煙が出るキノコだな。」と思い、実際に踏んでみたのだが、煙は上がらず。不思議に思って、柄から傘の部分を剥いてみたところ、白い身がギッシリと詰まっている。

はて、このキノコは、何というキノコだろうと調べたところ、やはりホコリタケ(英名 common puff ball)で合っているようで、まだ若かったために、身が詰まり、まだ傘の部分に胞子が溜まる空間が出来ていなかっただけのようである。ゆえに、もう少し経てば、傘の表面が自然に破れたり、ちょっとした刺激で破れて、中の胞子が空中に散霧されて、いつものように、埃が舞い上がったみたいになったようである。

このホコリタケは、厳密には、数十種類の何某ホコリタケという風に分類されるようであるが、今回の写真の個体は、ごくごく一般的なホコリタケとして、ホコリタケという名で紹介しておくことにする。

先ほども言及したが、若いステージのこのキノコは、身がぎっしりしていて、食用にもなるようである。ハンペンのような食感とも、何かの記事で読んだ覚えがある。ただ、同時に、鉛やカドミウムといった重金属やセレンを吸収して生物濃縮する性質もあるらしく、これを知ると食べない方が良い気はしてしまう。この性質を利用して、重金属の土壌汚染を知るための環境指標生物としての研究がされてもいるようである。

そして、生息分布の方だが、ほぼ世界中に広がっているキノコのようである。ただ、それほど広がっていない地域もあり、この差が、何から来ているのか好奇心が芽生える。

ヒメホコリタケ

最近、近隣の草地で見かけて、写真に撮っていた。

キノコなのは直ぐに分かったが、大きさは径で2センチぐらい。

名前は、ヒメホコリタケ。ホコリタケの仲間なので、ゆくゆくは破裂して、中から胞子が飛び散るんだと思われる。