シロシタホタルガ 成虫 Neochalcosia remota (Walker, 1854)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長25ミリ以上ありそうなサイズである。

ホタルガなのかシロシタホタルガなのか覚えれていないが、両種とも、馴染みのある蛾である。

本種は、シロシタホタルガの方である。 シロシタホタルガのシロシタの意味は、下翅にも白いラインがあるぞという意味だと解釈している。おそらく、ホタルガの方にはないんだと思う。

幼虫の食草は、サワフタギ。時期になると、シロシタホタルガの幼虫が、サワフタギの木に沢山付いているのを目撃することがよくある。サワフタギという木自体は、私が暮らす標高25メートルぐらいの台地上の森から、近隣の山地の標高700メートルぐらいまで、満遍なく生えていることから、氷期も間氷期も生き残ってきた樹木のようなイメージを、個人的には抱いている。

ただ、気になるのは、そのサワフタギが沢山自生した山地で見たのは、写真で確認するとホタルガの方ではある。

ホタルガの方も、近隣の平地でも出会うことが出来て、過去に投稿済みである。

今回、まざまざとシロシタホタルガを見る機会に恵まれて気が付いたのだが、光の当たり方によって、随分と青光りが魅力的な蛾だと思った。まぁ、ミヤマカラスアゲハの青光りには負けるが……。

そして、当然気になるのは、シロシタホタルガとホタルガの関係である。シロシタホタルガの生息分布をGBIFのオープンソースで確認したところ、日本と朝鮮半島(韓国のデータしか反映されないが)と台湾北部に見られた。

一方、ホタルガの生息分布も調べたところ、面白いことに、台湾からの報告が多く、中国南東部からの報告もあり、南の蛾であることが分かった。まぁ、この傾向は、シロシタホタルガが、落葉するサワフタギという木を好み、ホタルガが落葉しないサカキやヒサカキを好んでいることからも、なんとなく結びつく。

こうなって来ると、近所の亜高地に、シロシタホタルガではなく、何故ホタルガが優先的にいたのか突き止めたくなってきた。おそらく、両種ともいて、そのホタルガを見た9月半ばが、ホタルガの季節だった気もするが……。

 

ウメスカシクロバ 幼虫 成虫

我家の庭に生えている小さな桜の木の葉上に小さな蛾の幼虫を発見。何故か、好奇心で葉ごとちぎり、プラスチックの透明容器に入れて室内で飼育していた。3週間ぐらい前の事だったと思う。

それが、昨日、蛾の成虫になっているのに気が付いた。

先ずは、幼虫時代の写真を。

別の場所の桜の木に居るところを撮った別の個体の写真であるが、幼虫の特徴自体は、今回羽化した個体の幼虫時代と同じ雰囲気である。

このウメスカシクロバの幼虫の特徴としては、イラガの幼虫のような毒毛針を備えているように見える。痒みを引き起こす毒を持っているとの情報もあるが、その情報を知らずに、私は、数回は指の腹で、このウメスカシクロバの幼虫を移動させたような気がする。少なくとも、蛹になり始めた頃の幼虫は、別の容器に指で摘んで移動させた。しかし、指の腹だと、なんら毒の影響を感じ取れなかったかもしれない。

また、ウメスカシクロバの幼虫の特長として、上の写真でも、その一端を垣間見れる気がするが、胴体の真ん中辺りが盛り上がる特徴がある気がする。幼虫の最終的大きさは、2センチちょっとぐらいと小さめの幼虫であった。

次に、昨日羽化していた成虫の写真を以下に。

大きさは、前翅長13ミリぐらいだったのではないであろうか。こういう透明な翅を持っている蛾をスカシバガの仲間と思っていたが、勘違いであり、ウメスカシクロバや似たようなタケノホソクロバは、マダラガ科の蛾である事を知った。良い勉強になった。