シロスジシマコヤガ  Corgatha dictaria (Walker, 1861)

先週末、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

直ぐに、ヤガ科ホソコヤガ亜科の蛾の気がしたし,既に投稿している種だと思い込んでいた。そして、一応,もう一度種名の確認だけでもしてみるかと照合を始めたのだが、既投稿の種達と、雰囲気は似ているものの、微妙に、違うところがあるのを確証することになった。

大きさは、前翅長8ミリぐらいだったと思う。

種名は、シロスジシマコヤガ。

幼虫の食草は、地衣類とのことである。

生息分布の方は、国内は、本州以南……対馬含む九州まで。海外の生息分布は、韓国、中国東部、東南アジア、インド東南部。

意外とネット上に情報の少ない蛾のような印象は持った。

カキバトモエ 成虫 Hypopyra vespertilio (Fabricius, 1787)

数日前に近隣で見かけた蛾のひとつである。

大きさは、前翅長4センチぐらいの大きな蛾であった。

この蛾が日陰の建物の壁面に止まっているのには、最初、気が付かなかった。蜘蛛の巣に掛かった落ち葉ぐらいに思っていた。ただ、接近した時に、飛び立ったので、大きな蛾であったのかと気が付いたのである。

次に止まった場所も運良く、スマホのカメラが届く範囲であったので、撮った写真が上の一枚である。

大きさや形状から、直ぐにヤガ科トモエガ亜科の蛾であろうなとの予測は付いたが、トモエガ亜科の特徴であるトモエ(巴)紋様の眼状紋が見て取れない。

調べてみたところ、トモエガ亜科のカキバトモエという種類である事を突き止めた。最初は、カギバトモエという種かと認識しそうになったが、ネット上の信頼筋のウェブサイト達が、カギバではなく、カキバトモエという種名で投稿しているので、カキバトモエが正式な種名だと思われる。ちなみに、カキバの意味するものは、今の自分には分からない。

さて、幼虫の食草としては、マメ科のネムノキやアカシアなんかが知られているようである。夜間は、クヌギやコナラの樹液なんかを吸いに来ている瞬間も、よく目撃されるとのことである。

生息分布の方は、国内は、本州から対馬含む九州まで。海外の生息分布は、朝鮮半島、台湾、中国沿岸部、インド沿岸部。一方でまたインドシナ半島や中国とインド国境付近といった標高の高い地帯でも目撃されているようである。

リンゴツマキリアツバ 成虫 Pangrapta obscurata (Butler, 1879)

数日前に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

この形の蛾は、我家の外灯下に結構来ている印象でスルーしそうになったが、ちゃんと調べてみたところ、未投稿の種であることを確認した。

大きさは、前翅長14ミリぐらいだったであろうか。

種名は、リンゴツマキリアツバだと思われる。

我家の外灯下を始め、近隣でよく見かけるのは、ウンモンツマキリアツバかムラサキツマキリアツバといった種だったと思うが、今回のこの紫色をしたツマキリアツバは、紫色が特徴でも、ムラサキツマキリアツバではなく、リンゴツマキリアツバというらしい。この種の同定の決め手は、後翅に見える金色の横筋達である。

幼虫の食草は、バラ科の植物なので、桜を筆頭に、多くの植物を食べれそうだが、リンゴもバラ科の植物である。

ちなみに、ウンモンツマキリアツバはイボタノキ(モクセイ科)、ムラサキツマキリアツバは、スイカズラ(スイカズラ科)なんかを食べるのが知られていて、想像以上に3種の幼虫の食草に共通項を見出せないなと、正直感じた。

生息分布の方は、本種、リンゴツマキリアツバは、北海道北部から対馬含む九州まで。海外の分布は、朝鮮半島からロシア沿海州南部まで。このことから、少し寒いところにも生息できていることが分かる。

また、ウンモンツマキリアツバPangrapta perturbans (Walker, 1858))も、リンゴツマキリアツバと同じような分布をしていることも掴んだ。一方、ムラサキツマキリアツバPangrapta curtalis (Walker, [1866]))は、国内は北海道の南部から、南は屋久島辺りまで生息していることが知られていて、海外は、朝鮮半島、台湾、中国の内陸部からの報告が上がっているようである。