アオアツバ 成虫 Hypena subcyanea (Butler, 1880)2

数日前の晩に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長13ミリぐらい。

種名は、アオアツバだと思う。

ここで、過去の投稿を振り返り、アオアツバの投稿がされているかを確認したのだが、昨年の11月にアオアツバのタイトルで投稿があることを一応、確認している。

さて、このアオアツバの名の由来は、全体の雰囲気に青みがかかったところがあるからだと思う。上の写真の個体が、羽化から間もない頃は青みがあったけど、だんだんと消えて来たのか、それとも最初から褐色タイプなのかは、現在の私には分からない。ただ、一つ言えるのは、濃く深く青みがかっている個体がいるのと同様に、濃いのから薄いのまでの幅のある茶色ベースの個体達も存在するのは確かなようである。この色合いの違いが、雌雄の違いと関係があるのかとかも、今の私には分からない。どうも、この色合い的雰囲気に関しては、個体差の大きな種ではあるようである。

そして、上の写真の個体がアオアツバとして話を進めると、出現時期の特徴がある。おそらく、この蛾の特徴として、秋に現れる蛾なのかと思いたい。そして、秋遅くに羽化した蛾は越冬して春先にも姿を見せるみたいなサイクルである。ちなみに、昨年、そっくりなソトムラサキアツバを見かけたのも冬の始まりとも言える11月の後半であった。

そうすると、8月の半ばに目撃出来た上の写真の個体は、秋を少し先取りして現れた個体なのかなぁと思いたい。

さて、このアオアツバと思しき蛾の幼虫の食草は、マメ科の植物とのことである。近隣の自然下には、マメ科の植物は、クズにフジにハギの仲間といった具合に事欠かない。もちろん、マメ科の野菜なんかも食べれるんだと思う。

この蛾の生息分布は、国内は、本州以南……九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外は、ちょっと簡単には調べられなかった。簡単に調べられない理由があるとすると、こういったケースではそっくりな近似種達が存在し、それらの整理統合が完成しておらず、どれか基本種みたいなものに含まれてしまっているケースもよくある気がする。

アトヘリヒトホシアツバ 成虫 Hemipsectra fallax (Butler, 1879)

一昨日の晩に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長10ミリぐらいだったと思う。

昨年、一昨年と同種と思われる個体の投稿を、アトヘリホシアツバという種名でしているが、今回、アトヘリヒトホシアツバが正式名称なのではと気が付いたのと、初めて我家の外灯下でも確認出来たので、改めて投稿している次第である。

幼虫の食草は、マメ科のクズとかフジのようである。他所で、この蛾を見かけるエリアは、クズというよりはヤマフジが生えているような雑木林内ではある印象は持っている。

上の写真で分かるように、触角の基部の方が櫛髭状になっている。これは、本種の雄の特徴のようである。(雌の触角は、ただの糸棒状とのことである。)

この蛾の生息分布の方は、国内は北海道から九州近海までらしい。海外の生息分布を、学名で検索して調べようと思ったが、しっかりした情報には出くわせなかった。(この辺りも気になるところである。)

最後に、アトヘリヒトホシアツバの名前の由来に関して、ヒトホシは、直ぐに身体の真ん中付近にある黒点のことであろうと推測出来るが、アトヘリが分からないでいた。おそらく、前翅の会合部(外側が前縁なら内側の会合部が後縁と呼ばれる)の後縁を意味しているのかなと納得してみたい。ヒトホシの場所を示しているみたいな感じで……。

フタオビコヤガ 成虫 Naranga aenescens (Moore, 1881)

先週の火曜日に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長12ミリぐらいだったと思いたいのだが、この蛾の一般的な平均サイズを考えると9-10ミリぐらいが正解だったんだと思う。

ところで、種名はと言うと、ヤガ科のスジコヤガ亜科のフタオビコヤガだろうと思う。そして、この茶色と黄色のメリハリのある感じは雄の特徴であり、雌は一回り大きくて、もうちょっと茶色の帯が細く薄くぼんやりした感じの外見のようである。

ただ気になるのは、今は8月。この蛾が現れる平均時期は、どうも5月6月頃と紹介されている情報もあるが、現実には8月ぐらいまでは見れる蛾だと思いたい。ただ、なんらかのステージ(卵?、蛹?、幼虫?)で越冬した個体群が、5月ぐらいには成虫の蛾になり、その後は、短いインターバルで年3〜4回は発生しているのではないであろうかと推測したい。

そして、この蛾は、イネの害虫としてマークされていて、幼虫が稲の葉を食べるようで、結果、稲の収穫量に悪影響をもたらすようである。

日本以外では、韓国や台湾を始め、もっと南の方の稲作地帯にも生息していることから、これからの地球温暖化の流れの中で、今後、日本でも被害を目立たせてくる蛾なのかもしれない。

それにしても、7月の終わりぐらいから急に稲の害虫と言われる虫達が我家の外灯下に現れ始めたが、ちょうど近隣の田んぼに薬剤の空中散布が行われた頃と一致する。もし、我家が建つ台地上に逃げて来ているなら、昆虫達の行動も侮れないと思ってたりする。