ヒメネジロコヤガ 成虫 Maliattha signifera (Walker, 1858) 2

先ほど、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長8-9ミリといったところであろうか。

ヤガ科スジコヤガ亜科の蛾だろうなとの予測は付いたし、過去にも複数回見た事がある蛾の記憶があるので、確認の意味合いも込めて調べたところ、ヒメネジロコヤガという種名を確認した。

そして、過去の投稿を振り返ったところ、2年前の9月20日に投稿をしている事が分かったが、今回の方が大きく鮮明に写せたと思うので、再投稿してみた。

幼虫は、イネ科の植物を食べるようである。オヒシバと限定的に紹介されているサイトも沢山あった。

生息分布の方は、国内は、本州以南……九州を経て、沖縄島含む南西諸島まで。海外は、ちょっと面白くて、韓国と台湾にいるのは普通に起こり得ることとして、その延長で、フィリピンなんかにもいるようである。インドの北から南の全般とインドシナ半島。ここまでなら、縄文時代とかに稲作文化と一緒に拡がっていったのかと解釈したいが、ニューギニアやオーストラリア東岸といったアボリジニの領域にも生息しているようである。南半球のその地域には、どうやって拡がっていたのであろうと、気になる。

そして、この蛾は、中国の東岸からの報告がほぼ今のところ見られないのだが、昆虫の拡がり方と人類の拡がり方とを同一視しても良いなら、日本という国には、この蛾の分布と同じように大陸を経由しないで移動して来ている人種が過去に複数いるなと確信する。

ちなみに、このヒメネジロコヤガの幼虫が食べると言われるオヒシバというイネ科雑草の世界分布は、凄くて、緯度が高く寒い地帯と乾燥した砂漠地帯以外は、世界中で見られる植物のようである。

キシタバ 成虫 Catocala patala (Felder & Rogenhofer, 1874.)2

数日前に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長35ミリぐらい。

最初、この蛾を下から眺めている時点では、大きさからスズメガの仲間だと思っていた。しかし、実際、写真を撮ろうと脚立に上り近くで見ると、「あぁ、ヤガ科シタバガ亜科の蛾だな。」と分かった。

同時に、随分大きなカトカラ(シタバガ亜科の学名)だなと思い、自分が出会ったカトカラの蛾だとシロシタバという蛾が大きかったなと思ったが、シロシタバではないと直ぐに分かった。

では、シタバガ亜科の何という蛾かと言うと、キシタバだと思う。キシタバは、3年前の蛾のことなんか殆ど分かってなかった頃にも投稿しているが、その時にも、やはり大きい蛾だとの感想を述べている。ちなみに、3年前にキシタバの写真を撮った雑木林に、最近も出向いていたが、フシキキシタバという少し小型のキシタバしか出会えなかった。

我家の外灯下には、基本的にシタバガ亜科の蛾達は、殆ど現れないので、今回は少し嬉しい出会いであった。

さて、幼虫の食草は、マメ科のフジやブナ科のコナラやクヌギ等のようである。キシタバの生息分布は、国内は、本州以南、九州、四国、対馬辺りまで。海外は、韓国からの生息報告が上がっている。

最後に、違う角度からのキシタバの写真をもう一枚。

ウスグロアツバ? 成虫 Zanclognatha fumosa (Butler, 1879) 2

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長13ミリぐらい。

この蛾の印象としては、薄暗い色合いが1番に来る。直ぐに、クルマアツバの一種である事は分かるが、似た紋様パターンのアツバも多い。上の写真の個体は、かなりの光量のある懐中電灯で照らして写したので、明るい写真になっているが、肉眼では、もっとオリーブグリーンと焦茶を混ぜたような色合いだった。

そんな中で、私が、この蛾の特徴と着目した点は、外横線(上の写真の個体の場合は、大まかに3本の横線のうちの一番下の横に真っ直ぐの線)の下側に付随して白いラインが見えるところである。上翅では目立ってないが、後翅には、ハッキリと見て取れる。

さて、幼虫の食草は、イネ科やカヤツリグサ科の植物のようである。

生息分布の方は、国内は、北海道以南九州近海まで。海外の方は、ちょっと分からなかった。

似た種で、春から初夏にかけて、似た種でトビスジアツバをよく見かけたが、色合いが、今回の蛾の方が、全然濃い気がする。

一応、2年前の夏にも投稿済みの種である。