ホオノキ

もうかれこれ3週間ほど経つが、家族4人で近隣の山に登山に出かけたことがあった。

登山なんかするのはいつぶりだろう?ちょっと思い出せないぐらい昔のことなのかもしれない。

標高50メートル辺りから歩き始めて、頂上の709メートルまでの間に、どんな植生の変化や昆虫層が広がっているのか、ワクワクする気持ちでいっぱいで出かけた。

昆虫を始めとした動物の類には、それほど出会えなかったが、満足の行くだけの植物には出会える事ができた。

では、登山中に出会った個人的に気になる植物を紹介していこうと思う。

先ずは、樹木であるが、ホオノキである。最初のホオノキは、標高100メートル付近にあった。

過去にも、筑波山の旧参道に住むお友達から、「サンショウウオを探しに行ってみなよ。」と教えてもらい出かけた時に、目的地への林道の途中の標高の低い沢を覗いた時に、沢沿いに紡錘形の見慣れない実が幾つか落ちているのが気になった。それまでの知識で、ホオノキだと気が付き付近を見回すと、確かに少し見上げる場所に大きなホオノキが佇んでいた思い出がある。同時に、随分低いところから有るんだという感想と筑波山の山系にも有るんだという感想に繋がった。

今回も、標高は100メートル付近と下山の別ルートで、標高400メートル付近で見かけた。ただ、沢山生えている印象は、全然無い。

ただ、このホオノキというのは、私の印象では、近隣の平地では全く見かけない樹木なのである。分布は、北方領土含む北海道から九州までとのことである。海外では、朝鮮半島や中国の一部にも自生しているようである。ただ、この書き方が、一般の人々の知識に膨らみ(好奇心の発展性)を持たせ損なっている原因と思い始めている。要は、北海道や東北や近隣諸外国の緯度の高い地域では平地にも見られるが、緯度の下がる地域では山地に見られるとの記述の方が、人々の知識に発展性を持たせれると思うのである。

昆虫も、同じことが言えるが、この手の分布をする動物も植物も、概して自分の感覚中では、寒い氷河期には、日本各地で繁栄していて、暖かい時代に変わり、生き残れた場所が気温の低い高緯度の地域や、標高の高い場所と推測している。

では、現在、私が住むような標高25メートル以下の里山で、ホオノキに似た樹木は無いかと考えた時に、同じモクレン科のコブシが思い浮かんだ。このコブシという樹木は、済州島にはあるが、北海道から九州まで自生する日本固有種という事である。ここでは、コブシがどのように進化していったかを邪推するのはやめておく……コブシの投稿の際にでも推理してみようと思う。

ところで、このホオノキの特徴と言えば、そのすべすべっとした大きな葉である。この葉をお皿代わりにした郷土料理も日本各地に多いと思う。

陶器の器でも木製の器でもいい、器の上に乗せたホオノキの葉の上に、それに相応しい食べ物が盛られて出てきたら、とても幸せな気持ちになるのは、私だけであろうか。

そういうもてなしをしたいし、されたい。

ヒルガオ

近隣で、GWの前辺りからヒルガオの仲間が咲いている景色にはよく出くわす。

しかし、実際のところ、ヒルガオなのか、コヒルガオなのか、アイノコヒルガオなのか、セイヨウヒルガオなのか、簡単には区別出来ないでいた。

ただ、今回、これがヒルガオなのかなと思える個体に出会ったので投稿してみる。

先ず、ヒルガオの特徴として、花の基部にある萼の部分に更に被さる苞という部分が二つあるらしい。→上の写真を見ると、確かに、花の基部のこじんまりした顎を覆うように大きな苞が見て取れる。

他には、花に繋がっている茎とういか花柄に、翼がないらしい。→確かに、上の写真を見ると、花柄は、丸形でツルツルの気がする。

他には、葉に目を向けると、ヒルガオの葉とコヒルガオの葉には、厳密には違いがあり、どちらも細長い葉形ではあるようだが、コヒルガオの葉の方が、基部の二つの飛び出し部分にメリハリがあり、場合によっては、その2点の頂点が割れているとの事である。→上の写真の個体の葉を見る限り、ヒルガオの葉の特徴を持っているように見える。但し、この葉の特徴は、曖昧にゴチャゴチャになっているケースがあり、それらがアイノコヒルガオと呼ばれているようである。

ヒルガオの世界は、なんか難しい。

ニホンハッカ?

最近、近隣の田園地帯を散歩中に、畔に生える雑草の中に、初見の白い小花を段々に咲かせる植物の存在に気が付いた。取り敢えず、写真に撮った。

直ぐに、スマホを使い調べたところ、ハッカの仲間だと分かった。

となれば、もう一度、その場に行き、葉茎の匂いを確かめてみようと思った。

そして、ちぎった葉の匂いを嗅ぐと、あれッ……想像していたより格段に良い匂い!

想像よりと先入観が入っているのは、ミントやセージの類は、ホームセンターの園芸コーナーで時々購入して庭に植えてきたが、そうした園芸ハーブよりも、格段に鈍い邪魔な匂いが混じらずに、爽やかな匂いが一瞬で体内や脳内に行き渡るタイプであった。最高級な爽やかな匂いである。

同時に欲しいと思ってしまった。色々な利用法があるなとも感じた。

そして、その場所にあったハッカの名残は、いつ頃から自生を繰り返しているのだろうと思いを巡らせ始めた。

ハッカ自体は、江戸時代からは新潟県で栽培され始め、明治に入ると現在の北海道北見市辺りで、大々的に栽培され初めている。太平洋戦後には、アメリカのメンソレータム等に使うメントールという成分の7割ぐらいは、日本からの輸入であったらしい。

しかし、1980年代の半ば辺りから、化学的にメントールという成分を合成出来る様になり、自然のハッカの栽培というものは終焉を迎えたとの事である。なんだなんだ……私達がガムや歯磨き粉で現在嗅いでいるメントールの匂いは自然由来ではなかったのか。

さて、自然のハッカ………自然由来のメントールが、殆ど無くなった時代、本物の魅力を教えてくれる貴重な植物の気がする。冷涼な気候を好んでいそうな気がするが、近隣の町おこしや村おこしに、十分使えそうな植物の気がする。

経済性や利便性にばかりに目が向き、自然の良さに気が付けない鈍感な人達が、増えている気がする。人

人類の進歩と共に失ってきた能力もあるに違いない。