ヌマトラノオ

こないだの週末に、近所の田んぼ脇を歩いているときに、この植物が目に入ってきた。

直ぐに、これが、ヌマトラノオという植物だろうとの予測は付いたが、ちゃんと調べたところ、実際に、ヌマトラノオであった。

さて、この植物がヌマトラノオと直ぐに分かるのには理由があって、既に過去に、同じような田んぼ周りの、もうちょっと乾いた場所に生えるオカトラノオという近縁種の投稿をしているのだが、その際に、ヌマトラノオというもっと湿地好みの種がいる事を学んでいたからである。

ただ、まさにこんなに田んぼの水の中に生育できるとは予想していなかった。ヌマトラノオとオカトラノオの違いを他にも述べると、先ずは葉の形が違う。オカトラノオの葉は、もっと丸みのある菱形といった感じで大きい。一方、このヌマトラノオの葉は、写真でも分かるように、細長い。

他にも、花穂が垂れ下がるのがオカトラノオで、シャンと真っ直ぐに立つのが、ヌマトラノオと考えられている。そういう意味では、上の写真のヌマトラノオは、微妙に花穂が傾げている印象はある。

近隣では、オカトラノオもヌマトラノオも、時々見かける植物であるが、今回みたいな上から見下ろす形ではなく、花穂を横から見れるような場所では、どちらも和風に趣き深さを醸してくれる植物である。

ナガバハエドクソウ

目下、近隣の雑木林で、一本の花穂に小さな唇形の花を散りばめる少し地味目だけど風情のある植物に出会う事ができる。

名前は、ナガバハエドクソウだと思う。似た種に、ハエドクソウもあるが、花の形状に微妙に違いがあるのと、ハエドクソウは、もっと茎の上の方まで葉が生えているとのことである。

実際のところ、ハエドクソウもこの目で確認出来れば、自分なりに色々な違いを言及できるのだが……

ところで、ハエドクソウを漢字で書くと、蠅毒草であり、昔は、この植物の根を煮詰めた汁でハエトリ紙を作っていたとの事である。

ムシトリナデシコ

最近、近隣で、この植物を見かけて、何という植物であろうと首を傾げたことがあった。

最初は、シソ科の植物を当たったが、それらしき植物に出会えず。写真を見返す中で、茎の薄っすらと起毛して白くなっている感じや、萼の長く膨らんでる感じや、すっと立ち上がる茎が、ナデシコっぽいなと思い、ナデシコの仲間を当たると、ムシトリナデシコという種が浮上してきた。

ムシトリナデシコ自体は、現在もガーデニングとかでは人気の種で、もっと花色が濃かったり、白一色のもの等が出回っているようである。それに、それらは、花数自体も多い気がする。

しかし、私が近隣で見かけたムシトリナデシコは、花色も地味目で、花付きも疎らである。

原産はヨーロッパのこのムシトリナデシコが、日本に持ち込まれたのは観賞用として、江戸時代との事である。それ以降、各地で野に溢出したものが咲いているらしいが、私が見たものも、そうしたものの名残りであろうか?

ちなみに、ムシトリナデシコのムシトリの部分は、葉の付け根に粘着質な部分があって、その場所で小昆虫を捕まえれそうなイメージから名付けられているとの事である。