ナガバハエドクソウ

目下、近隣の雑木林で、一本の花穂に小さな唇形の花を散りばめる少し地味目だけど風情のある植物に出会う事ができる。

名前は、ナガバハエドクソウだと思う。似た種に、ハエドクソウもあるが、花の形状に微妙に違いがあるのと、ハエドクソウは、もっと茎の上の方まで葉が生えているとのことである。

実際のところ、ハエドクソウもこの目で確認出来れば、自分なりに色々な違いを言及できるのだが……

ところで、ハエドクソウを漢字で書くと、蠅毒草であり、昔は、この植物の根を煮詰めた汁でハエトリ紙を作っていたとの事である。

ムシトリナデシコ

最近、近隣で、この植物を見かけて、何という植物であろうと首を傾げたことがあった。

最初は、シソ科の植物を当たったが、それらしき植物に出会えず。写真を見返す中で、茎の薄っすらと起毛して白くなっている感じや、萼の長く膨らんでる感じや、すっと立ち上がる茎が、ナデシコっぽいなと思い、ナデシコの仲間を当たると、ムシトリナデシコという種が浮上してきた。

ムシトリナデシコ自体は、現在もガーデニングとかでは人気の種で、もっと花色が濃かったり、白一色のもの等が出回っているようである。それに、それらは、花数自体も多い気がする。

しかし、私が近隣で見かけたムシトリナデシコは、花色も地味目で、花付きも疎らである。

原産はヨーロッパのこのムシトリナデシコが、日本に持ち込まれたのは観賞用として、江戸時代との事である。それ以降、各地で野に溢出したものが咲いているらしいが、私が見たものも、そうしたものの名残りであろうか?

ちなみに、ムシトリナデシコのムシトリの部分は、葉の付け根に粘着質な部分があって、その場所で小昆虫を捕まえれそうなイメージから名付けられているとの事である。

イタドリ 

この植物は、山菜に興味のある人達には、絶対に知られている植物(多年草)である。

上の写真は、最近、近隣の小川端で撮ったものだが、花がもう咲き始めているのかと感心して、写真を撮った次第である。雌雄別株らしい。

さて、このイタドリを調べていて気になった事実は、この日本で古くから馴染みの植物は、世界の侵略的生物ワースト100に選ばれていて、海外では駆除に躍起になっている国々もあるという事実である。

あのシーボルトが持ち帰ったものがヨーロッパに広まったとか、崖崩れ対策に輸入した物が予想以上の繁殖力を持つようになったとか色々な起源があるようだが、我家の近隣の状況を思い出してみると、高台にある我家の近所にも、ひっそりと生えている。そして、少し高度が下がった谷地の端や水田周りに小群落がところどころあるイメージである。そして、小河川の土手に、飛び飛びに、このイタドリがまぁまぁ繁茂している場所があるといった感じである。

決して、爆発的に侵略的に、日本の身近な自然の中に生きている印象は受けない。ただ、近隣でイタドリが生えている場所のイタドリ密度や、その飛び飛びの生息スポットを眺めていけば、そのうち何かしらの一貫性や規則性を持った条件が見えてくるかもしれないなとは思える。決して、無秩序に生えまくっている植物には感じないということである。

このイタドリ(虎杖)は、山菜としても利用されてきた歴史があるし、酸を多く含み食べ過ぎは悪効果を生みそうだが、とても内服的に有用な植物の可能性は秘めている。

ゆっくり時間があったら、様々な角度から向き合ってみたい植物である。