カジイチゴ

最近まで、この低木がキイチゴ/ノイチゴの仲間だとは思っていなかった。

時たま、畑の端っこの方に植っていて、太い赤紫色の茎が蔦を伸ばすように生えて、皮質で大きな葉を持つこの植物は何であろうとの疑問を持ち続けていた。

しかし、最近、その植物に、オレンジ黄色の実がなっているのを見て、野苺の仲間かと納得した。

それにしても、大きな葉と太目の茎と、その辺に色々と生えているキイチゴの仲間達とは一線を画す。

さて、今回、投稿してみようと思ったきっかけは、そのカジイチゴの実の味がきっかけであった。その日、その場でその写真の個体の実を頬張ってみたのだが、想像より渋さも酸味もなく、甘いのである。甘いだけの味に付き物のねっとり感や得体の知れない苦味感のようなものも無い。最高に美味しいジャムが作れそうな味である。

我家の庭に一本植えたくなったのは言うまでもない。

このカジイチゴ……近隣で野に溢出しているのは見たことがなく、明らかに人為的に植えられたものばかりが目に付くが、今では、ホームセンターの園芸売り場でも見かけることはない。

昔の人が、この甘い野イチゴを畑の片隅に植えた背景や時代が知りたくなる少し昔の農村を偲ばせてくれる低木である。

マツヨイグサ

この季節(もう少し前かな)に、時々、近隣の道路脇で、70センチくらいの高さに強そうな茎を直立させ、レモンイエローとオレンジのコントラストの花を咲かせる植物がある。ちなみに、オレンジは、萎んだ時の色合いである。

結構、私好みで、庭に植えてみたいなとの衝動に駆られる。

その植物の名はマツヨイグサと言う。以下に、近くの道路脇で写したマツヨイグサの写真を載せる。

さて、このマツヨイグサを調べていて意外だったのは、外来帰化種という事実であった。江戸時代後期の嘉永年間(1848年〜1853年)に、南米(チリ?)から、観賞用に移入されたとのことである。

そして、昭和30年代には、日本中の空き地で、同じく外来種の同族のオオマツヨイグサと共に沢山見られたとの事である。

残念ながら、私はその光景を知らない世代なのだが、もしそれが真実なら、もはや、随分勢力が衰退したんだなと思われる。と言うのも、近隣で、このマツヨイグサは、あちこちで見かけれるわけではない。本当に、意外な場所の日向の道路脇とかで、時々見かける程度の印象を持っている。

目下、同じく外来種で同属のマツヨイグサの仲間だと、このマツヨイグサより少し後に、地表性のコマツヨイグサが花を咲かせ始め(ただ地表性のため目立たない)、また、同じ頃合いにモモイロヒルザキツキミソウが、近隣で目立ち始め、そして、随分と夏真っ盛りになる頃に、背丈の高いアレチマツヨイグサが、至る所で見かけるようになる塩梅である。

ところで、マツヨイグサ……私は、好きなタイプの植物である。

ビロードモウズイカ

最近、近隣で見かけて、その見慣れない異様な姿に圧倒された植物である。

なんとなくフカフカの触感が予想出来て、実際に触ってみたところ、予想通りというか予想以上だった。

度肝を抜かれたのは大きさであり、直径で50センチぐらいあった。おそらく、もっと小さい苗なら、これまでも無意識の中で目にして来ていたのだろうが、この大きさなので、「何だろう。この植物?」と気になった次第である。

調べたところ、明治初期に観賞用に持ち込まれたヨーロッパ原産のビロードモウズイカという2年草と知った。

これからの季節に太い茎を高さ2メートルぐらいまで伸ばして黄色い花を沢山咲かせるようである。この場所には、昨年も何回か訪れているが、巨大な植物が黄色い花穂を立てている姿は記憶にはない。

夏場にどんな花姿に育つのか、今から楽しみである。(除草剤をかけられたり、草刈りがされないと良いのだが……)