ヤマトエンマムシ Hister japonicus (Marseul, 1854.)

昨晩、我家の庭で捕まえたものを写真に撮ってみた。

大きさは、ちょうど体長1センチぐらいあった。

上の写真だと分かりにくいが、リングみたいな感じの顎牙の特徴からエンマムシの仲間であろうとの予測は付いた。

最初の候補は、コエンマムシだったが、大きくても体長5ミリぐらいの甲虫と知った。すると、ヤマトエンマムシというのが、体長9ミリ-13ミリぐらいであり、ヤマトエンマムシという種なのではないかと結論付けている。

見つけた場所は、最近、庭の一角に故意に料理した魚のアラとかを捨てて、どんな生物が来るかを観察している場所である。今回も、沢山のコブマルエンマコガネが居たが、今回はそれらより大きい甲虫も複数いた。そして、捕まえてみたのが、上の1匹である。

このヤマトエンマムシ含むエンマムシ達の習性で、なるほどと思ったのは、生物の死骸を食べに来ているわけでなく、死骸に発生するハエの蛆等を食べているというものである。そういう意味では、人間の視点では、益虫になるのであろうか。

確かに、エンマムシの牙は、動かぬ食べ物を食べるというよりは、暴れる食べ物を押さえ付けるような機能の目的で、微妙に立派な気がする。昆虫の形状的特徴には、それなりの目的があるという事である。

とにかく、今回、庭に捨てた生物の死骸の一部を餌にする昆虫達が集まり、続いて、それを餌にするエンマムシのような昆虫も現れて、擬似生態系のようなものが作れた事が嬉しい。ちなみに、次に現れるのは、シマヘビなんかの幼体で、次にカラスなんかが現れるのであろうか。

こうした小さな生態系が無数に色々と拡がっているのが自然界だと思う。決して一つのピラミッドで説明できないほどに、末端は、多様な生活環境が絡み合い日々変化している。

そして、人類が、この地球上のマネージャーを自負するなら、末端の生物の複雑な生活環境の絡み合いを読み解けるだけの能力を持っていかなければならないと思うが、自然の大らかさに甘えて、「そんなの無理ー」と人類は未だその域に成長していない。

さて、このヤマトエンマムシの生息分布は、本州以南……九州までで、海外に生息しているのかは、分からなかった。

アオオサムシ Carabus insulicola (Chaudoir 1869.)2

昨日の夕方、我家の敷地へと一目散に突入してくる虫が目に入る。足元を通り過ぎる辺りで、「アイツか」と分かった。

素早く駆け抜ける個体を上手く捕まえて、摘んで撮った写真が以下のものである。

大きさは、体長30ミリぐらいであろうか。

足元を駆け抜けている時点で、アオオサムシである事は分かったが、近隣で滅多に出会わないオサムシである。前回の出会いは、2年前の5月である。その時の個体の方が、日差しの影響か、個体的特徴なのか、色が薄めで光沢が綺麗に見える。

オサムシの仲間自体、中大型の各種ゴミムシ達と比べると、出会わないが、このオサムシも、2年間で2回目でしかない。

出会わない理由に繋がりそうな事実があるとしたら、このアオオサムシが、日本の中部以北に生息する事実も関係ある可能性もある。中部以北という点で、寒い地域が得意なオサムシと予想出来るが、温暖化の昨今、生息域も北上させられているのではと予想したくなる。

因みに、GBIFのオープンマップで、このアオオサムシCarabus insulicola Chaudoir 1869.の生息分布を確認したところ、関東地方に多く、関東以北の東北にも生息しているようである。しかし、北海道に生息しているかは分からないのと、海外からの目撃報告もないように見える。

という事は、関東地方で誕生して、少しづつ各地へ拡がる途中のオサムシと考えても良いのであろうか。また、拡がりが遅い理由があるとしたら、アオオサムシに限らず、オサムシ達に飛翔能力がない種も多いからだと推測したい。逆に、飛べないものの、各地に拡がっているオサムシがいるとしたら、アオオサムシより歴史が古いオサムシなのかもしれない。

実際のところ、我家の敷地に入るまで、交通量の多い危険な道路を猛スピードで地面を走り横切って来たのが、コース的に分かる。結構、足は速いなと、眺めていた。そして、飛翔出来ないが故の、危険な長距離(20メートルぐらい)移動を選択したのかとも思いたい。

綺麗な雰囲気の昆虫だと思う。

ウシタキキオビヒメハマキ? 成虫 Phiaris komaii Bae, 2005

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長6ミリぐらいであったであろうか。

この蛾の印象は、ヒメハマキ亜科が臭いと思ったが、ヒメハマキ亜科の蛾にしては、寸詰まりというか縦に短い気がした。

この体型的特徴と、紋様の雰囲気から、一番近いと思ったのは、ハマキガ科ヒメハマキ亜科のウシタキキオビヒメハマキという種である。ただ、クリオビキヒメハマキという種も、ネット上の画像を見る限り、そっくりなのである。

うーん。真実を投稿できているか自信はないので、ウシタキキオビヒメハマキとクリオビキヒメハマキの2種の関連性を今後考えていくとするという事で、今回の投稿を締めくらせて頂く。

ちなみに、大阪府岸和田市に牛滝山というのがあるのは分かったが、何か関係あるのであろうか?