ハマオモトヨトウ 成虫 Brithys crini crini (Fabricius, 1775)

本日、我家の庭で、樹木に止まっている蛾を発見。薄めの色の幹肌に、黒っぽい体色は、とても目立っていた。

大きさは、前翅長20ミリぐらい。

調べたところ、ハマオモトヨトウという種ではないかなと思った。

ハマオモトヨトウという蛾は、何処でも誰でも見れる訳ではないのか、私が蛾の情報を参照する他の方々のサイトでも、紹介されていないケースが多いと感じた。

名前に、ハマオモトと付くが、漢字で書くと、浜万年青。所謂、ハマユウ(浜木綿)のことである。この温暖な海岸地域に自生するヒガンバナ科の植物を好むことから、ハマオモトヨトウの名が付けられたものと思われるが、この蛾の幼虫は、ハマオモトだけでなく、ヒガンバナ科の植物ならある程度何でも食べれるようである。

この蛾の生息範囲だが、学名の登録年が古いことから、ヨーロッパを中心として、世界各地に広がっていそうな予感がして調べたところ、確かに世界の広範囲に拡がってはいたが、少し興味深い拡がりのようにも見て取れた。先ずは、ヨーロッパに関しては、地中海沿岸の南部に集中しており、アフリカ大陸は最南端の南アフリカの辺りやマダガスカル諸島に集中しており、オーストラリアの東岸の沿岸部にも拡がりが見えた。これだけだと、人間の人為的移動と共に近年拡がって行ったとも推測したくなるが、オーストラリアの北岸やインド南部や台湾や中国南東部沿岸部を経て日本の西部に達している。この辺の拡がりは、大きく潮流の影響で、ホストであるハマユウ等の拡がりと同調しているようにも感じたくなる。

ちなみに、ハマユウCrinum asiaticumの世界分布とハマオモトヨトウの分布域は、かなり被っているのは確認したが、植物のハマユウの方は、南太平洋の島々や、中央アメリカの国々にも拡がっているが、ハマオモトヨトウという蛾の方は、まだ、そちら方面には、拡がっていないようである。

いずれにせよ、ハマオモトもハマオモトヨトウも、温暖な気候を好む生物のようなので、今回の投稿の主役であるハマオモトヨトウも、昨今の温暖化の影響で、少しづつ北上中の蛾なのかもしれない。

一応、各都道府県が独自に定めるレッドデータでは、神奈川が絶滅危惧種に、兵庫県が注目種(情報不足)に指定している蛾である。

モンオビヒメヨトウ 成虫 Dysmilichia gemella (Leech, [1889])

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長12ミリぐらい。

絶対に初めてみる蛾の気がしたが、実際に未投稿の種であった。

種名は、ヤガ科ヨトウガ亜科のモンオビヒメヨトウ。

幼虫の食草は、シソ科のエゴマという情報を、ネット上ではよく見かける。我家の敷地内にも、ズバリ、シソみたいな植物が夏の到来と共にどんどん芽生えてくるが、正式な種名は調べたことはない。もしかしたら、その植物がホストになっている可能性も無きにしも非ず。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州近海まで。海外の生息分布は、韓国からの報告が多数上がっているのを見たが、韓国と陸続きの北朝鮮やロシア沿海州にも生息しているはずと類推したい。

アカホシカスミカメ Creontiades coloripes (Hsiao, 1963.)

時々、我家の外灯下に来ているカメムシの一種である。2年前の7月23日に投稿済みであるが、その投稿に使っている写真が酷すぎるので、再投稿してみる。

ただ、今回の写真も、決して鮮明に綺麗に撮れたとは思えないが、前回の2年前のものよりは、格段にマシだと思われる。

大きさは、体長7ミリぐらい。結構太めの長い触角もあり、それほど小さく見えないカスミカメかもしれない。

種名は、アカホシカスミカメ。

マメ科の植物を好んで吸汁するようだが、イネ科の植物も吸汁出来るようで、稲の穂を吸汁する際には、害虫扱いされることになる。

生息分布の方は、国内は、本州以南、九州近海を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の生息分布は、ちょっと調べたところ、Creontiades Distant, 1883という括りに纏められてしまっている気がした。Creontiades Distant, 1883が、何を意味するのか、目下、調べ中。