ハラキカバナミシャク? 成虫 Eupithecia subtacincta (Hampson, 1895)

先ほど、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長7ミリぐらいだったと思う。

この外見的雰囲気の蛾を見たら、私はシャクガ科のナミシャク亜科の蛾だろうなと考えるが、ナミシャク亜科を当たったら、ハラキカバナミシャクという種なんじゃないかなとの結論に至った。ちなみに、ナミシャク亜科で該当種が見当たらなかったら、ヤガ科のホソコヤガ亜科も当たってみようかとは考えていた。

さて上の写真の個体の腹が黄色い(ハラキ)かは微妙であるが、腹部の中央に色が薄くなった細い縦状が見て取れるのは、この蛾の特徴なんじゃないかなと感じた。

幼虫の食草は、キンポウゲ科のセンニンソウの蕾部分ということが確認されているようである。近隣には、センニンソウは結構生えている。

そして、この蛾は、8月ぐらいから秋にかけて現れる蛾とのことである。確かに、幼虫の食草が、センニンソウの蕾であるなら、春にはまだ蕾は出来ていないからである。

生息分布の方は、国内は、本州以南……九州を経て、沖縄本島を含む南西諸島まで。海外の方は、朝鮮半島とロシア沿海州には生息しているようである。ここで、ちょっと北の寒い地域にも順応している蛾だと理解したが、そもそもキンポウゲ科のセンニンソウって、どんな世界分布をしている植物なのか気になる。

ナカキノメイガ 成虫 Sameodes aptalis usitatus (Butler, 1879)

先ほど、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長10ミリぐらい。

種名は、ナカキノメイガ。キマダラクロノメイガの雄やタイワンモンキノメイガと若干迷ったが、最後までキマダラクロノメイガは候補から中々落ちなかったのを認める。

ただ、偶然、ナカキノメイガという種がいる事を知ったら、これしか無いだろうとなった。

若干珍しい蛾なのか各都道府県が独自に定めるレッドデータでは、群馬県が絶滅危惧Ⅱ類に指定している。

ちなみに幼虫の食草は、ガガイモとのことである。ガガイモなら、近隣では事欠かない植物である。

このナカキノメイガの生息分布は、国内は、本州以南……九州を経て沖縄本島含む南西諸島まで。海外のソースは見つけられなかった。

フタオビコヤガ 成虫 Naranga aenescens (Moore, 1881)

先週の火曜日に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長12ミリぐらいだったと思いたいのだが、この蛾の一般的な平均サイズを考えると9-10ミリぐらいが正解だったんだと思う。

ところで、種名はと言うと、ヤガ科のスジコヤガ亜科のフタオビコヤガだろうと思う。そして、この茶色と黄色のメリハリのある感じは雄の特徴であり、雌は一回り大きくて、もうちょっと茶色の帯が細く薄くぼんやりした感じの外見のようである。

ただ気になるのは、今は8月。この蛾が現れる平均時期は、どうも5月6月頃と紹介されている情報もあるが、現実には8月ぐらいまでは見れる蛾だと思いたい。ただ、なんらかのステージ(卵?、蛹?、幼虫?)で越冬した個体群が、5月ぐらいには成虫の蛾になり、その後は、短いインターバルで年3〜4回は発生しているのではないであろうかと推測したい。

そして、この蛾は、イネの害虫としてマークされていて、幼虫が稲の葉を食べるようで、結果、稲の収穫量に悪影響をもたらすようである。

日本以外では、韓国や台湾を始め、もっと南の方の稲作地帯にも生息していることから、これからの地球温暖化の流れの中で、今後、日本でも被害を目立たせてくる蛾なのかもしれない。

それにしても、7月の終わりぐらいから急に稲の害虫と言われる虫達が我家の外灯下に現れ始めたが、ちょうど近隣の田んぼに薬剤の空中散布が行われた頃と一致する。もし、我家が建つ台地上に逃げて来ているなら、昆虫達の行動も侮れないと思ってたりする。