ヒメトビウンカ? 雌 Laodelphax striatellus (Fallén, 1826)

昨晩、我家の外灯下に来ていたウンカの一種である。昨晩だけ来たというわけではなく、ここのところいつも来ているんだろうが、たまたま昨晩写真に撮っただけに過ぎないと捉えてもらいたい。

大きさは、翅端までの全長で、3.5ミリぐらいだったと思う。

そして、「この虫何だろう?」となった時に、ウンカの一種であることを学んだ。

種名はと言うと、ヒメトビウンカじゃないかと思うのと、上の写真の個体は、雌なのではと思いたい。

そもそも、どうもイネの害虫という観点から、この手のウンカで要マークされているのは、ヒメトビウンカとトビイロウンカとセジロウンカの3種らしいが、セジロウンカというのは雌雄共に、胸背部の真ん中が明白に白いようである。トビイロウンカというのは、ヒメトビウンカと近いが、大きさが若干大きいようである。

これから考えると、上の写真の個体をヒメトビウンカなのかなとの思いたい。では、雌は、どうやって導き出したかと言うと、3種とも雌雄で各所に色合い的違いが現れる特徴はあるようであるが、一般的に雌の方が翅が透明に近かったり、薄い色合いの雰囲気になる気がして、上の写真の個体は、翅の透明感とかを感じて、全体的に薄い色合いだなと感じたからである。

ここで、少し脱線するが、少し前に、この手のウンカの顔つき(目つき)で、翅がずっと短くて、逆に横に少し広い昆虫の写真を撮っており、迷宮入りしそうだったが、これが、このヒメトビウンカの短翅型の可能性が出てきた。というのも、偶然だが、初めてこの手のウンカの事を学ぶ中で、長翅型と短翅型が存在する事を知れたのである。

ところで、この手のウンカは、単なる小さな昆虫というだけでなく、我が国の大切な主要穀物である稲の重要な害虫であるという事である。ただ、近隣の水田周りを歩いて感じるのは、田んぼ周りの畦の雑草群や、年々増える耕作放棄される田んぼの跡地を凝視すれば、所謂、稲を吸汁する昆虫達のオンパレードだが、農家が、これらの事実を重視しているようには見えない。要は、どの種も大発生しなければ、それほどめくじらを立てる被害にはなっていないのかなと思いたくなる。

もちろん、水田内の稲の害虫を殺すために農薬が散布されているはずだが、これがエゲツな過ぎれば、生態系上イネの害虫の上に立つ各種生物達も減っていくことになる。これが、どういうところに結びついてゆくのか、私にはまだ、しっかりとした根拠を基に整理し切れていないが、水田周りにいるトンボ達や水田上を飛び回るツバメ達が人類より長い年月をかけて、地球上で作り上げてきたバランスを、しっかりと計算出来る頭脳を培う前に、人類が地球上で我が物顔で生活している事は、ちょっと愚かに恥ずかしく思う。

さて、このヒメトビウンカの生息分布は、国内は、稲が栽培されているところには居るんだと思う。海外の方は、ヨーロッパにいたり、興味深いのは、パキスタンからキルギスやタジキスタンといった南北の広大なラインから生息報告が上がっている事である。また、イネ等作ってなさそうな北欧とかでは、何に寄主しているのか知りたいところである。

シロコナカゲロウ Semidalis aleyrodiformis (Stephens, 1836)

昨晩、我家の外灯下に来ていた極小の昆虫である。

もちろん、肉眼では、白い粒ぐらいにしか認識出来ていなかったが、写真で見てみると、白い粉と、チャタテムシのような雰囲気が印象に残る。

そして、大きさは、この正式種名が分かった後に調べた結果、体長2.5ミリぐらいの昆虫とのことであるが、確かに、私の記憶でも、そんな極小レベルの大きさであったのは覚えている。

そして、種名はと言うと、アミメカゲロウ目コナカゲロウ科のシロコナカゲロウと言う事が分かった。サイズは、グンと小さいが、言われてみれば、ヒメカゲロウの仲間に似ている雰囲気はある。

幼虫は、カイガラムシやアブラムシやハダニの仲間を吸汁してくれるので、植物を大切に育てている人達からすると、益虫であろう。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州近海まで。海外は、あくまでも GBIFへの報告だけ見ると、日本以外は、ヨーロッパの半分ぐらいの国から多くの報告が上がっているようである。ちょっと不思議な分布に感じる。

ツツジハマキホソガ 成虫 Caloptilia azaleella (Brants, 1913)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長6ミリぐらいだった。独特の止まり方をするホソガの仲間としては、微妙に大きめな方だと感じはした。

種名は、ツツジハマキホソガだと思う。

幼虫は、ツツジの仲間の葉を綴り、葉を食べながら成長していくようである。

分布の方は、国内は、本州以南、九州近海まで。海外は、韓国を筆頭に、西ヨーロッパ、北米アメリカ東西沿岸部、オーストラリア東岸、ニュージーランド等で生息報告がある。この世界分布を眺めると、サツキやツツジやアザレアを園芸植物として愛でている人達が多く暮らす場所で見つかっているように眺めたくなる。

ちなみに、アザレア(西洋ツツジ)は、台湾のツツジを持ち帰ったベルギーの植物蒐集家が、ヨーロッパで固定したものらしいので、この蛾自体も、アジアから拡がっているのであろうか。