リクウズムシの一種(和名未定?)Artioposthia japonica (Kaburaki, 1922)

最近、近隣で見かけて写真に撮っていた生物である。

この伸びた状態で、25ミリぐらいだった。

この生物は、田んぼ脇の大きな石の下にいた。最近見かけていない種類のゴミムシでもいればと期待しながら、結構な大岩をズラしたのだが、不発。代わりに、ひっくり返った岩の裏面に、この生物がいることに気が付いた。

直ぐに、リクウズムシだと分かった。なんで分かったかというと、同所で間違いそうなタスジコウガイビルより色白(写真で見ると暗めに見えるが、実際はもっと薄いクリーム色に見えていた)で、動き出した時に頭部の方に所謂コウガイ(笄)のようなものが存在しなかったからである。

リクウズムシには滅多に出会わないし、今回は前回に比べて大きさもまぁまぁあるし、何という種名なんだろうと調べるのが楽しみだったが、結果は、学名はあるが和名未定みたいなリクウズムシだと分かった。しかし、ネット上には同じ種と思われる画像が複数あり、確実に日本に生息しているリクウズムシではあるようである。そもそも、リクウズムシ自体が、あまり研究の確立されたジャンルではないようである。

ところで、このリクウズムシを見つけた場所が斜面で、とても斜面の下側にある石の裏に付いたリクウズムシをしゃがんで写真に撮るのは体勢的に不可能と考え、咄嗟に手のひらに載せて写真に撮ったのだが、直ぐに、気が付いた事があった。

この個体は、食事中であったんだと。最初に掌に載せた瞬間に腹部が太くなっていたのだが、その時の写真を以下に。

因みに、頭部の先にある小さな点列が所謂目と同じ機能を果たす部位である。

次に動き出した後に、腹部の下から出てきた捕食されていたものも写る写真を以下に。

食べていたのは、極小のダンゴムシであった。食べ方としては、最近目撃したクロイロコウガイビルの捕食の仕方と一緒だと思った。身体の中央辺りにある栄養吸収器官(口?)に抱え込み溶かしながら吸汁している感じである。

ネット上では、自分よりも大きなヤスデを捕食しているシーンを紹介しているサイトもあった。(方もいた。)ここで、このリクウズムシ達は、ミミズが好きだとか、カタツムリが好きだとか、節足動物が好きだとか、種によって好みが一応あるみたいな情報も読んだが、今回のリクウズムシが食べていたのは節足動物のダンゴムシであった。

最後に、このリクウズムシ達には、近隣では、コウガイビルよりもはるかに出会えない生物の気がする。

タスジコウガイビル 不思議な習性Diversibipalium multilineatum (Makino et Shirasawa, 1983)

数日前の朝から雨だった日に、よく通る短いトンネルの壁に、タスジコウガイビルと思われるコウガイビルが、多数トグロを巻いて屯ろしている現場を目撃した。

5メートルぐらいの距離(幅)に集中していて、その数20-30匹。高いところだと3メートルの高さまで登って、丸まっている。

こうやって見ると、タスジコウガイビルも、案外長い系なのが分かる。ちなみに、クロイロコウガイビルは、短い系かもしれない。

他の写真も。

こんな団子になったタスジコウガイビルが、壁のあちこちにいる。

今日は、アダルトなタスジコウガイビルの集会なのかと思って眺めていると、全長10センチぐらいの小さいのもいた。

微妙に動いているコウガイビル達を眺めて思うのは、こんなに頭部が小さかったっけという点である。

確かに、暖かいシーズンを通して、時々、田んぼ周りの石や木の板の下に、このコウガイビルを見かける事が出来るエリアではあるが、それにしても、この日は、何の目的で、これほどまでに、1箇所に集まっているのであろう?

毎回、雨の時に同じ行動を取っていないことは、その後に確認している。確かに、この日は、壁面もしっとりするような条件が揃った日ではあったが…。

ちなみに、オオミスジコウガイビルも、7月の長雨が続き気温が低い朝とかに、隠れ家へと戻り遅れている個体を多数見かけれる日に、何年おきかで遭遇する。オオミスジコウガイビルに関しても、雨で濡れた開けた駐車場とかに夜に何をしに集まっているんであろうとの疑問を抱き続けている自分が居る。

今後も、観察を続けて行きたい。