ヤブデマリ Viburnum plicatum var. tomentosum 茨城県福島県の県境付近 標高700メートル前後

先週末に、ぶらっと茨城県と福島県の県境付近の山を散策しに行った。

時折、道路から遠方に白い花を咲かせる中低木が目に入った来ていたのだが、私は、ヤマボウシかと思っていた。

そんな道中、林道脇に大きな白い花を輪っか状に咲かせる横広がりの中低木が現れたときに、すかさず観察のために近寄り、写真に撮った。そして、繋がった。遠方に見える白い花を咲かせる横広がりの木は、これと一緒だと。

種名はヤブデマリだと思う。

横広がりの樹形に、大きな白い花の輪っかが多数散見する姿は、清々しく美しく感じられた。庭が大きければ、一本植えたい木だなとも思った。

さて、このヤブデマリの生息分布は、国内は、岩手県盛岡市辺りが北限との情報もあったが、本州から九州にかけての太平洋岸に自然分布しているようである。日本海側には、ケナシヤブデマリ(ヒロハヤブデマリ)という種が存在するらしい。

海外の分布は、朝鮮半島や中国の南東部が知られている。また自然分布か分からないが、アメリカ合衆国の北東部からの報告もあるようである。

オオバギボウシ Hosta sieboldiana (Hook. ) Engl. var. sieboldiana(1888)

先週末に、茨城県と栃木県の県境付近、標高300メートル付近で、少しだけ動植物を観察する時間があった。

ふと、林道の開けた陽射しの当たる場所で、以下の植物が目に飛び込んできた。

私の心の中での、第一声は、「ギボウシじゃん。しかも超でっかい。」であった。

今まで、我家の近隣の平地で、野生のギボウシを見かけることはあったが、どれも、上の写真のギボウシより5分の1ぐらいは、小さく、もっと葉っぱの色が濃いギボウシである。この平地で見かけるギボウシが、元々自生していたのかは分からないが、花期に薄紫の花を咲かせている時期には、綺麗な花の色合いだなと見惚れてしまうのも事実である。

さて、今回のこの巨大なギボウシの種名はと言うと、これがオオバギボウシという種だと思いたい。花はコバギボウシの薄紫と違い、白色らしい。そして、平地で見かける野生のギボウシの方が、コバギボウシなのではと思いたい。もしかしたら、もっと細分化されているかもしれないが、取り敢えず、この2系統は気温で棲み分けをしているのが読み取れる。

基本的に、高緯度や山地等の涼しめの環境で生育しているのが、オオバギボウシで、西日本とかにあるのがコバギボウシと読み取った。

ところで、この上の写真の個体も、微妙に葉の端の方が色が薄く覆輪の形で斑が見えるが、こうした中から日本人が選抜し、楽しんでいたであろうギボウシを江戸時代ぐらいに、ヨーロッパへと持ち帰ったものから、現代の海外の斑入りを始め、様々な改良されたホスタがスタートになっているのかなと想像した。

一応、オオバギボウシの分布を簡単に書いておくと、国立科学博物館が日本の固有種と紹介しているページがあったが、なんとなく、隣国の同環境には生息してそうな予感もする。

スナゴケ? Rhacomitrium canescens (Timm ex Hedw.) Brid.

最近、少し盆栽というものに関心があり、若く細い苗木を引き立てる為に、苔を張って主役から目を外らせるかと目論み、近隣で、容易く手に入る苔を探し始めた。

直ぐに、目に飛び込んで来たコケの一つが以下のコケだった。

何という苔なんだろうと調べたところ、スナゴケという苔なのではないであろうかと思っているのだが………。

このスナゴケは、日照や乾燥にも強く、育てやすい苔として人気があるとの情報も読んだ。

また、土が無くても育つので、コンクリートの屋上緑化に使われていたりするらしい。確かに、このコケの写真を撮った場所も、土の上と言うよりは、アスファルトの上と言った方が良い場所だった。

ちなみに、この写真で見て取れるこのコケの星のような形状は、接写した写真ではハッキリと見て取れるが、肉眼では、なんとなく見えるぐらいである。

さて、このコケの生息分布は、日本には亜種含めて生えていて、海外は主に、北半球の亜寒帯や寒帯と言えるような地域に生えているようである。