アオダイショウ 2nd

最近、近隣の林の林縁を歩いていると、蛇らしきものが斜め前方にゆっくり逃げていくのに気が付いた。

この森では、昔からシマヘビをよく目にしていたので、ブログ未投稿のシマヘビの写真が撮りたくて、少し追跡してみた。

普通なら、ヘビはスルスルと逃げて、切り株の中や枯れ枝がまとめられたような場所に逃げ込んでしまい姿を消すが、今回は、途中でピタッと静止した。同時に、こちらに顔を向けて首を数段に折り曲げて、いつでも飛び掛かれそうな威嚇のモードに入ってきた。

その時に気が付いたのだが、威嚇モードになった時に、尻尾の先を激しく揺らし、バタバタバタという音をさせていた。

私がスマホを近づけて写真撮影中は、ずっと緩い威嚇モードだったが、全然逃げる気配がないので、近くに落ちている長めの枝を蛇に近づけたら、飛びつき噛み付いてくるのであろうあろうかとの好奇心が生まれ、実際に実践してみた。

しかし、予想に反して、全然、枝の動きに反応しない。枝を鼻先まで近づけて、頭の上を押さえても、全然身じろぎもしない。

蛇って目が悪いのかなとも考えながら、私からその場を後にした。

10分ぐらいのその森の散歩が終わって、車に戻る途中で、再び、その蛇とは鉢合わせする事になった。お互い、同時に気が付いたみたいに、認識し合った瞬間にお互いの歩が止まった。

しかし、今度は、ヘビは威嚇体制に入る事なく、風景に化ける作戦を取ってきた。その際に、沢山、近くで写真を撮らせてもらうことが出来た。

ただ、蛇の方も、本当に数ミリづつだが、ゆっくりとゆっくりと後退しているのがせつなかった。1回目の時は、余裕が無くて、何も考えずにその場を後にしていたが、今回は、近くで写真を撮らせてくれた事に感謝の気持ちを抱きながら、その場を後にした。

後で、シマヘビだったら良かったなとの期待を持ちながら、調べたが、やはりアオダイショウである。

そのうち、シマヘビの写真が取れればなと思う。

ブルーギル

数日前に、近所の用水路の終点で捕まえた。1,5メートル四方のコンクリートの枡を網でさらった時に、何か大きな魚が入ってきた感覚があった。

引き上げてみると、この魚であった。

この写真の個体は、体長17センチぐらいだった。ブルーギルとしては、大きい方だと思う。

この魚種との初めての出会いは、小学校6年生の秋に転校先の北九州の野池が初であった。転校前の関東時代には、ブルーギルは、伊豆の一碧湖にしかいないぞぐらいに思っていたから、遠く九州の地に既に繁殖している事を知り、感動したものだった。

しかし、九州の野池には既に沢山いて、中には、ブラックバスは居ないけど、ブルーギルはいるみたいな野池も沢山存在した。

その後は、特定外来生物に指定されて、少しづつ姿を見なくなり始めた最近まで、公園の管理された池から平地の至る所の水系で、普通に沢山見れた。

最近は、近隣では、明らかに減って来ている気はするが……

ところで、今回は、九州の新しいお友達と初めてブルーギルを釣りに行った日の思い出を回想してみようと思う。

私が、釣りや生き物が趣味と知ると、その学校の新しい友達から、山あいの霊園に付属した大きめな池にブルーギル釣りに誘われた。手ぶらで良いので、集合場所に自転車で来るように言われた。

集合場所に現れた少年達は、誰も釣竿は愚か釣り道具も持っていない。持参していたのは、駄菓子屋で100円で買える網とバケツのワンセットだった。

今日は、釣りに呼ばれてるんだよなと半信半疑着いて行くと、山間に澄み切った水を湛えた綺麗な池が現れた。その時の友達らが、共同作業でした事は、先ず背の低い竹(笹?)が生える林で、適当な竿になりそうな竹(笹)を見つける。

続いて、宙を見上げて、池に迫り出した樹木に絡む釣り糸や浮きや針を、あらゆる手段を使い回収する。そして、その糸を歯で食いちぎり、結び直して仕掛けにする。

餌はどうするのかと思ったら、駆け上がりにビッシリと付くヨシノボリの稚魚を網で救い、針に付ける。

あとは、ブルーギルの入れ食いである。そしてその日、誰が言ったか、その一連の流れを、ポチョン……ググッー……ザバァーと擬態語にして釣り始めたのである。ポチョンと仕掛けを投げ入れた瞬間にググって引があり、ザバァーと釣り上げるという意味である。

その地に引っ越す前には、お小遣いが出る度に、大型釣具店に釣り道具を買いに出かけ揃えていた自分からすると、目から鱗で、本当に、この新しい友達らの感覚がクールに映った。その日以降は、「今日学校終わったら、ポチョン・ググー・ザバァー行く?」が合言葉として使われるようになった。

さて、この現地調達の工夫に満ちた逞しいスタイルは、その後、私は海釣りの場で一人で進化させていった。釣りを初めたがっている友達が居ると、近所の海の岸壁に誘ったものだった。当然、バケツしか持たない自分の姿を見て、初めて釣りをしに来た友達は不審そうな顔をしているのだが、一瞬で、釣り人達の捨てていった釣り道具を解き、(海の場合は、割れた瓶の破片が沢山あるので、それをナイフがわりに)、仕掛けを作り、海に投げ入れるのであった。餌は、岸壁に幾らでも居たフナムシ。 入れ食いとまでは行かないまでも、クロ(メジナの子供)やアイナメが適度に釣れてきたものだった。

釣り人のマナーが悪かったから出来た子供の釣りスタイルだが、今の子供達にも、自然の中で創意工夫に満ちた遊びを忘れさせないで欲しい。

カネヒラ 

昨日、何処かへ釣りに出かけようと準備をしていると、結構良い時間……午後過ぎになってしまった。

遠くに行くのは面倒になったし、冷蔵庫には、餌のアカムシがあった気がするし、家の近所の小川(用水路)で、タナゴ釣りでもしてみるかと出掛けた。

しかし、小さな手頃なサイズの針が無いことに気が付き、(極小のタナゴ鈎は沢山あったが、その川のタナゴはもっと大きめの鉤で大丈夫なのである)、近所のホームセンターに買いに行って現地に着くと、時間は16時半。今から仕掛けを作って釣り始めるのも、夕暮れに追われて忙しないし、いっその事、長靴に履き替えて、車にあるタモ網でガサガサをしてみることにした。

直ぐに、タイリクバラタナゴではない小さなタナゴの稚魚が採れた。釣ろうとしていた魚達は居ると確信し、ガサガサを続けると、婚姻色の薄めになったアカヒレタビラのオスが網に入った。

もう少し、タナゴの顔が見たいなとガサガサを続けると、かなり大きめのタナゴが2匹網に入った。直ぐに、カネヒラというタナゴだろうと思ったが、家に帰って、確実に確認したところ、カネヒラで間違いなかった。

カネヒラというタナゴが、近隣の水系に所々居るのは知っていたが、我家の近所でも繁殖している事を確認した。

そして、本日、同じ場所に子供とタモ網を持って出掛けると、今度は大きなメスに混じり、少し小ぶりなオスも2匹取ることが出来た。

さて、このカネヒラとの自然下での出会いは、何十年ぶりだろう。おそらく30年ちょっと前に、九州の福岡市を流れる河川の中流部の堰堤で、真夏の炎天下の中、ピンクに色付くカネヒラを数匹釣ったのを覚えている。その川では、他の日に他のポイントで結構な流れの中からニホンバラタナゴも釣れてきたのを覚えている。

本来は、このカネヒラというタナゴは、琵琶湖辺りから九州まで日本海側を生息域にしていた魚である。関東の霞ヶ浦水系では、1970年代には定着が確認されている。

我家の近所のカネヒラは、その時代からの生き残りなのか、最近、タナゴ釣りの愛好家が放流したものが短期的に自然繁殖したものなのかは、私には分からない。