スエヒロタケ Schizophyllum commune Fr.

秋の深まりの中、昆虫を筆頭とした小生物の活動を目にする機会も減ったことから、ちょっと視点を変えて、雑木林をキノコを探す目的で歩いてみた。

そして、小ぶりながら、こんなにふかふかのキノコを発見。

裏から見ると、こんな感じ。

調べたところ、名前は、スエヒロタケ。

幾つかの亜種に分かれるとは思われるが、ほぼ世界中に拡がっていると言っても良いキノコのようである。ここで、キノコ一般の世界分布を眺めていて、気が付いて来たことに、乾燥地帯には、キノコは、あまり進出しないということである。例えば、アフリカ北部や中近東等である。また、アラスカやシベリアやグリーンランドと言った地域からも、生息報告が上がって来ていない気がする。この辺の理由は、今のところ、私には掴めていない。

ところで、このスエヒロタケというキノコからは、ジゾフィランという抗悪性腫瘍剤が作られているとのことである。主に、筋肉注射をする形で、癌治療に使われるとのことである。

よく、キノコは癌に効くとの噂を聞くが、根拠の無いない事ではないと思えてきた。

ヌメリスギタケ Pholiota adiposa (Batsch) P.Kumm.

秋の深まりの中、昆虫を筆頭とした小生物の活動を目にする機会も減ったことから、ちょっと視点を変えて、雑木林をキノコを探す目的で歩いてみた。

萎み始めたステージだが、柄が見える写真を以下に。

キノコの名前は、ヌメリスギタケだと思う。

笠の径は、8センチぐらいになる(大きめ?の)キノコである。

食用キノコとして認識されているようで、食感もシャキシャキして味も良いとのことである。これを聞くと、ちょっと持ち帰って食べてみようかとの気になるが、間違う可能性がある有毒キノコに、スギタケとスギタケモドキがあるとのことである。

気になって、スギタケとスギタケモドキの画像をネット上でチェックしたが、見た感じ、間違いそうには無いとも感じた。

スギタケと名前にはあるが、杉に生えるわけではなく、ブナ科の樹木の倒木等に生えるキノコである。実際に、私が見つけたヌメリスギタケも、ブナ科のコナラから発生していたように見える。

さて、このキノコの生息分布だが、日本にも生息しているが、ヨーロッパほぼ全域、アメリカ合衆国ほぼ全域、オーストラリアやニュージーランド、他にも世界各地に転々としているのが分かる。ただ、ヌメリスギタケの学名のPholiota adiposa (Batsch) P.Kumm.で検索をかけると、日本人がヌメリスギタケとして認識しているキノコと少し違う形態の似たキノコ達も出てくるので、少し分類がアバウトなようには感じた。

同時に、recipe(料理法)の海外のサイトも沢山ヒットしてきたので、海外でも食用にされているのが分かる。

イボテングダケ Amanita ibotengutake
T. Oda, C. Tanaka & Tsuda (2002)

ちょうど1週間ぐらい前に撮っていたキノコの写真である。

写真だと分かりづらいが、この写真の時点では、地面から現れて間もない小さな段階である。

ハイハイ……近隣でよく見かけるテングタケと思ったが、この時点でも、なんか違うとの予感はしていた。

そして、少し大きくなった姿も、後日見ている(写真に撮ったつもりが、その時の姿を撮っていたかった)のだが、大きくなると水平に傘が開くテングタケとは異なり、深めの土器を逆さまにしたような形に成長していた。

その姿を見た時に、やはりテングタケとは、似てるが少し違う気がして、調べたところ、上の写真の個体は、イボテングダケという近縁種である事が分かった。

違いとしては、既に述べた通り、大きくなった時の形状が異なることもあるが、笠の表面に付いている粒が、硬く尖っているのが、イボテングダケの特徴のようである。テングタケの方が、ペタッとしたイボとのことである。

元々は、テングタケと同種と考えられていたが、2002年の遺伝子解析で、別種と認識されたようである。

さて、テングタケが、毒キノコとして有名なのは周知の事実(?)であるが、こちらのイボテングダケも同様であろう。症状としては、一般的に本種より強い毒性を持つと言われるテングタケに関しては、厚生労働省の自然毒のリスクプロファイルを参照すると、食後30分程で嘔吐,下痢,腹痛など胃腸消化器の中毒症状が現れ、そのほかに,神経系の中毒症状,縮瞳,発汗,めまい,痙攣などで,呼吸困難になる場合もあり,1日程度で回復するが,古くは死亡例もある。

死亡にまで至るケースでは、体調や身体の大きさや食べた量も関係していると思われる。

まぁ、口にしない方が良いキノコなのは間違い無いと思う。