ムラサキシメジ? Lepista nuda (Bull.:Fr.) H.E. Bigelow & A.H. Sm.

最近、見かけた大きめのキノコである。

傘の径は、14センチぐらい。

柄の地上部は、7センチぐらいで、太く硬い。そして、地下部は、かなりこんもりしている。

写真の外観含めて、この特徴から、今の時期にも生えて来るキノコを調べていたら、ムラサキシメジという種が、有力候補かなと思うようになった。

ムラサキ(紫)が名前に付くように、最初はもっと紫がかっているようで、育って来ると白褐色に変わってくるとのことである。1枚目の写真でも、薄らと紫の名残が見えなくもない気がする。

そして、輪生するというか近くにも生える習性があるとのことだが、確かに並んで生えていた。

おそらく、このキノコの若い時は、もっと紫色をしていたと思われるが、今シーズンは、その瞬間を見逃した可能性もあるので、よく訪れる場所なので、来年は、同じ場所で、紫色をした同じキノコを見てみたい。もし、同じ場所に生えてくるこのキノコの若いステージが、紫色でなかった場合は、違うキノコの可能性が大だが……。

さて、このキノコの生息分布は、北半球は、ヨーロッパ全土と、北米大陸に集中して、アジアでは、日本とロシア沿海州に多く見られるようである。そして、南半球も、アフリカ大陸、オセアニア大陸に、南アメリカ大陸に、北半球ほどではないものの、生息の報告が結構上がっているように見える。

一応、ムラサキシメジは、食用になるようで、若い紫の個体を茹でてから食べることが薦められていた。ただ、味は無味無臭で癖がなく、旨くもなければ出汁も期待できないとのことである。

ナヨタケ Psathyrella gracilis (Fr.) Quél.

最近、近隣で見かけたキノコである。

キノコなんか種名に辿り着くことは至難の業と思ったが、このキノコは、案外直ぐに種名が判明。

ナヨタケという秋から早春に見られるキノコらしい。

柄が細く、ナヨナヨってしているところが、名前の由来かと思われる。

そして、種の同定の決め手になったのは、細い柄の地中部分が、モワモワッとした毛綿状になるという点であった。以下に、その特徴が分かる写真を。

食用に出来るかは分からないが、歩留まりの悪そうな傘径2センチぐらいのこの大きさのキノコをわざわざ食べる必要性もない気がする。

最近、分かってきたことだが、キノコというのは、この地球上での歴史が古いのか、世界中に拡がっている気がする。という事で、このキノコの世界分布を眺めると、ヨーロッパも北米アメリカも、北緯45度のライン前後に生息しているキノコである。そして、日本や、ニュージーランドにも、生息しているのも分かる。ニュージーランドは、南半球にあるが、北緯を南緯に当てはめると、大体同じぐらいの緯度である事が分かる。

スエヒロタケ Schizophyllum commune Fr.

秋の深まりの中、昆虫を筆頭とした小生物の活動を目にする機会も減ったことから、ちょっと視点を変えて、雑木林をキノコを探す目的で歩いてみた。

そして、小ぶりながら、こんなにふかふかのキノコを発見。

裏から見ると、こんな感じ。

調べたところ、名前は、スエヒロタケ。

幾つかの亜種に分かれるとは思われるが、ほぼ世界中に拡がっていると言っても良いキノコのようである。ここで、キノコ一般の世界分布を眺めていて、気が付いて来たことに、乾燥地帯には、キノコは、あまり進出しないということである。例えば、アフリカ北部や中近東等である。また、アラスカやシベリアやグリーンランドと言った地域からも、生息報告が上がって来ていない気がする。この辺の理由は、今のところ、私には掴めていない。

ところで、このスエヒロタケというキノコからは、ジゾフィランという抗悪性腫瘍剤が作られているとのことである。主に、筋肉注射をする形で、癌治療に使われるとのことである。

よく、キノコは癌に効くとの噂を聞くが、根拠の無いない事ではないと思えてきた。