ネグロヨトウ 成虫 Chytonix albonotata (Staudinger, 1892) 2nd

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

昨年の9月19日に投稿済みの種であるが、9月が年2化目の個体群なら、今回は、1回目の羽化の個体群と思えるので、投稿してみようと思った。

大きさは、前翅長で14ミリぐらいであったと思うが、少し記憶があやふやでもあるのを認める。

種名は、ヤガ科ナカジロシタバ亜科に属するネグロヨトウ。後縁寄りに対になっている白い小点が1番の特徴のような気が、私はする。

幼虫の食草は、突き止められていないようである。

このネグロヨトウの生息分布は、国内は、北海道から対馬含む九州まで。海外は、朝鮮半島を経て、ロシア沿海州南部には生息しているようである。近似種に、ホソバネグロヨトウChytonix subalbonotata Sugi, 1959という種がいるらしいが、こちらの生息分布は、国内は北海道から本州までと記載しているサイトがあったので、そちらの情報を私も共有させて頂こうと思った。

両種の生息分布からは、両種の種分化に繋がる仮説を立て難いなと感じたが、そもそも両種の取り違えも起きて、報告されている可能性も大いに視野に入れて眺めたい両種の気がした。

キスジホソマダラ 成虫 雄 Balataea gracilis gracilis (Walker, [1865])

最近、近隣で見かけて、写真に撮っていた蛾のひとつである。

大きさは、前翅長10ミリぐらいではなかったであろうか。

3年前の9月1日にも投稿している種(撮影場所も同じ)だが、その時の写真は酷すぎる。

種名は、キスジホソマダラ。マダラガ科に属する蛾である。

触角が櫛髭状なのを見ると、上の写真の個体は雄である。

キスジホソマダラの幼虫の食草は、イネ科のササ類やススキらしい。この蛾を見かけた場所には、どちらもある気がする。

生息分布の方は、国内は、北海道から対馬含む九州まで。海外の分布は、ちょっと分からなかったが、亜種が、おそらく朝鮮半島やロシア沿海州南部にはいる模様。

ところで、笹やススキは近隣の至る所に生えているが、それらのどの場所にもいるというわけではない蛾の気がする。

アメリカシロヒトリ 成虫 雄 Hyphantria cunea (Drury, 1773)

最近、近隣で、この蛾を見かけて、写真に撮っていた。

大きさは、前翅長で17ミリぐらい。

一目見た時に、こんなヒトリガ科の蛾がいたかなと、頭を捻ることになった。在来のヒトリガ科ヒトリガ亜科の蛾達を当たるが、見つけれず、もしかして、アメリカシロヒトリという外来種の可能性が頭を過った。

その路線は正解であり、紋様の変異が多岐に渡るが、上の写真の個体は、アメリカシロヒトリの雄のようである。

そして、まだアメリカシロヒトリだと分かっていない時に、なんとか種に辿り着く情報を得ようと、この蛾の腹部を見て見る事ににした。ヒトリガ亜科の蛾達だと、擬死の習性があるので、触れると死んだふりをして動かなくなってくれる。こうして、撮った写真が以下のものである。

腹部には、色が無い。脚の毛の色は、オレンジ(🟰キハラゴマダラヒトリと同じ色)であった。

さて、アメリカシロヒトリと言えば、私が子供の頃には、市民に恐れられていた蛾であり、公園の桜の木が丸坊主にされるとの風評で、よく公園では消毒作業が行われていたのを思い出す。

その後は、いつのまにか、アメリカシロヒトリの猛威や風評は沈静化したのか、あまり被害の話も聞かなくなっていった。そして、アメリカシロヒトリの実物も見たことはなかった。

たまに、アメリカシロヒトリの幼虫と思われる蛾の幼虫に出会うことはあったが、成体に出会うのは初めてである。

正確には、このアメリカシロヒトリが日本で初めて確認されたのは、1945年に東京においてである。進駐してきたアメリカ軍の物資に混じって来たと思われる。そこから関東一帯に拡がって行き、1970年代から1980年代にかけて、害虫としての風評が凄く高まりを持っっていたのを、なんとなく覚えている。

では、このアメリカシロヒトリの生息分布は、先ずは世界的には、北米大陸の温帯域には、かなり広まっている蛾である。そして、ヨーロッパは、フランスからウクライナ辺りまで生息しており、緯度が少し高くなった少し寒いエリアには生息していないようである。そして、極東アジアの日本や韓国や中国の東部の都心部に生息しているようである。ここから、生まれる疑問は、「アメリカシロヒトリって、一体何処が起源の蛾なのであろう?」ということである。ちなみに、脚が同じようなオレンジ色(山吹色)をしたキハラゴマダラヒトリなんかは、ヨーロッパで大繁栄している蛾である。ここから、類推すると、ヨーロッパが起源で、1773年には早くも種として、ヨーロッパで認識されていた蛾が、何かの原因で北米大陸に持ち込まれ、猛威を持って拡がって行ったのかなと想像してしまう自分がいる。それから、20世紀に入り、日本へと。

ところで、このアメリカシロヒトリの幼虫の食草が、バラ科やブナ科や他にも多くの科の樹木の葉が知られている事も、私には興味深く感じられてしまう。と言うのは、今回、このアメリカシロヒトリがいたエリアにいる他の似たような蛾達の殆どが、樹木の葉よりも草本をメインに食べる種が多いような気がするからである。もちろん、クワゴマダラヒトリ等の樹木食のヒトリガ亜科の蛾達もいるが……。

一応、現在では、特定外来生物法でも、生態系被害防止に関する法律でも、注目はされていない外来種と認識している。(間違っていないことを願う。)ただ、植物防疫法では、日本に持ち込まないように注視されている種かもしれない。

最後に、このアメリカシロヒトリ……とにかく、現在、近隣でそれほど見かけないヒトリガ亜科の蛾であるとは、私は思う。