ネグロマイコガ 成虫 Stathmopoda dorsioculella (Terada, 2014)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長8ミリ弱ぐらいあり、おまけに毛束がいっぱい付いた後脚(?)を横に大きく広げているので、決して凄い小さな蛾には映らない。

種名は、調べたところ、ネグロマイコガかと思われる。

殆ど情報のない蛾の一派であり、このネグロマイコガも、学名の登録年から分かるように、2014年に分類し直され新種扱いになった蛾のようである。

分布は、本州以南……奄美大島辺りまで生息しているのは確認されている。海外の方は、ちょっと分からなかったが、ニセマイコガ科の蛾自体は、日本以外にも広く分布している蛾のようである。

幼虫の食草は不明だが、同科のキイロオビマイコガStathmopoda pedella(Linnaeus,1761)は、秋に現れ、ハンノキ属の未熟な果実の種子を食べる事が知られているので、もしかしたら、似たような形態を持っている可能性はある。

コゲチャヒゲナガキバガ 成虫 Halolaguna sublaxata (Gozmány, 1978)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長が7ミリぐらいの蛾であった。

牙のような下唇髭が見てとれて、触角も太めで立派に見えるので、ヒゲナガキバガ科の蛾の可能性を視野に調べ始めると、おそらく、コゲチャヒゲナガキバガであろうと落ち着いた。

本年の6月にも、コゲチャヒゲナガキバガ?の投稿はしているのを確認したが、そちらの方は、コゲチャヒゲナガキバガにクエスチョンマークが付くのが頷ける。上の写真の個体と出会ってしまうと、正直、その時の個体は、コゲチャヒゲナガキバガかと思い始めている自分がいる。

さて、幼虫の食草は不明。

生息分布は、国内もいまいち情報不足なのか、正確には絞られていない模様。海外にも、韓国やらいるんだと思われる。

ヒメクルマコヤガ 成虫 Oruza divisa (Walker, 1862)

最近、近隣で見かけて写真に撮っていた蛾の一つである。

大きさは、開張で20ミリぐらいであったであろうか。

一目で、初めて見る蛾だと分かったが、調べたところ、ヤガ科ベニコヤガ亜科のヒメクルマコヤガと判明。ヒメクルマコヤガのクルマに当たる部分が、何を意味しているのかは、ちょっと分からなかった。

幼虫の食草が興味深くて、稲に稲麹病を発生させる麦角菌(バッカクキン)科のカビの一種を食べるとのことである。ここで、麦角菌って何だろうと思い、調べたところ、イネ科やカヤツリグサ科の花穂に寄生するカビの一種で、有毒なものらしい事が分かった。古くから、食べると幻覚を見たり、妊婦は流産をしてしまったりする事が知られているようである。そういう意味では、麦角菌に冒される稲を少なくしてくれる可能性があるので、田んぼの周りにはいっぱいいてもらいたい蛾なのかもしれない。

この蛾の生息分布の方は、北海道から九州屋久島辺りまで。海外の方は、自分がちょっと調べたところ、台湾や中国にもいるようである。ただ、麦角菌自体が、熱帯や亜熱帯の環境を好む菌らしいので、もっと暑い地帯にも生息しているものとも思われる。