シロフチビコブガ? 成虫 Manoba microphasma (Butler, 1885) 2

数日前に我家の外灯下に来ていたところを、写真に撮っていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長7-8ミリぐらいしかない小さな蛾である。

直ぐに、「ハイハイ……コブガの一種ですね。」と思ったので、コブガ科を調べたところ、シロフチビコブガという種が有力だなと感じた。ヨシノコブガという種も、そっくりらしく外見的に区別をするのは難しいという事だが、確かに自分でもヨシノコブガとしてネット上に出回っている写真を見た限り、正直なところ両種を区別出来るのかと思った。

という事で、上の写真の個体を投稿するにあたって、タイトルは、シロフチビコブガにクエスチョンマークを付ける形にしてみた。

ところで、シロフチビコブガの幼虫の食草は不明という記事が多い中、ナワシロイチゴと報告されている方もいた。逆に、ヨシノコブガの幼虫の食草は栗の花らしい。外見的には、随分とそっくりな2種だが、幼虫が好む食草は随分と違うなと感じた。

と、ここで、この2種を単にそっくりな2種として片付けるだけでなく、この蛾が我家の外灯下に来ている限りは、そして今後も来るであろう限りは、2種の違いに繋がる何かしらのヒントを見出してみたいとの気持ちになって来ている自分がいる。

取り敢えず、この2種は、触覚がかなり櫛髭状に見える個体達の写真が出回っているが、上の写真の個体は、櫛髭状でなくシンプルに糸棒状なので、両種とも雄は櫛髭状の触覚を持っているが、雌の触角は、糸棒状なんだと考えたい。

また、私の記憶では、今年の初夏あたりに、この蛾は我家の外灯下で既に見ている記憶がある。(写真を振り返れば、撮った写真を見つけれるかもしれない……。)

という事で、ゆっくりと、上の写真の個体が、シロフチビコビガなのかヨシノコブガなのか、はたまた違う種の可能性はないか等、今後、観察を続けて行ければなと思う。

最後に、シロフチビコビガの生息分布は、国内は、本州以南……九州近海を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の生息分布は、ちょっと分からなかった。一方、ヨシノコブガの生息分布は、本州以南……九州近海を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外は、それに繋がる台湾にもいる事が知られているらしい。

ネスジキノカワガ 成虫 Garella ruficirra (Hampson, 1905)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長1センチ弱ぐらいだったと思う。

肉眼で見ている時には既知種なのか未知種なのかも分からなかったが、改めて写真で見ると、外縁の肩の辺りの丸みがコブガ科リンガ亜科の蛾の気がした。

早速、リンガ亜科を当たると、ネスジキノカワガと判明。あとは、似たようなサイズのキノカワガの投稿を今年になってからしていることを覚えていたので、確認してみたところ、投稿済みだったのは、本種ではなく、ネジロキノカワガという種であることを確認した。

幼虫の食草は、ブナ科のクリだったり、シイが知られているようである。ただ、葉を食べるのではなく、所謂、栗の実やドングリの中身を食べるものと思われる。まだ実が出来る前は、花芽を食べるものと思われる。

生息分布の方は、国内は、本州以南……九州近海まで。海外では、韓国や台湾。少し離れたところでは、インドネシアのボルネオ島の北部、マレーシアのクアラルンプールの辺り。他にも、局所的に生息しているようだが、こうした少し離れた場所の個体群は、やはり食料としての栗とかの移動と共に持ち込まれたと思いたいが、どうなのであろう。

セダカシャチホコ 成虫 Euhampsonia cristata (Butler, 1877).

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

先ずは、久しぶりに我家の外灯下で大きな蛾に出会えたぞという小さな感動があった。

その大きさや止まり方からスズメガの仲間であろうとの思い込みをして、その場を後にしたが、その時の目測で開張で8センチちょっと超えるのは、現場で確実に確認していた。(同時に、スズメガの類にしては、少し小さかとは思っていた。)

以下に、違う角度から撮った写真で、脚部の腿節が見える写真を載せるが、今回気がついた事だが、スズメガの仲間の脚部腿節は、スッキリしていることが分かった。シャチホコガ科の特徴として、この場所が毛深いのはあると思う。

そして、スズメガの仲間から当たるが、種名に辿り着けず、次に当たったのは、カレハガの仲間であるが、こお科でも種名に辿り着けず……途方に暮れていると、上の写真のような止まり方は、滅多にしないが、シャチホコガ科にセダカシャチホコという種がいる事を掴んだ。

そんなに大きなシャチホコガが居るのかと半信半疑だったが、ちゃんと調べたところ、大きさもピッタリで、上の写真の個体はセダカシャチホコだと確信した。

幼虫の食草は、ブナ科のコナラやクヌギらしい。

セダカシャチホコの生息分布は、国内は、北海道から九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の方は、ロシア沿海州から朝鮮半島。台湾にもいる蛾のようである。