シラユキゲシ Eomecon chionantha Hance

この植物は、家からそう遠くない場所に自生していて、気になっていた植物である。

2年ちょっと、種名に辿り着けないでいたが、とうとう種名が判明した。何事も、諦めないで、気に掛けていると、道が拓けるみたいなことなのであろうか。

写真では分かりづらいと思うが、葉は意外と大きく径で20センチ近くある。

そして、一番の特徴は、4月の半ばに、白いハッキリとした花が咲くのである。以下に、2年前の花期に写した写真を。

これだけ特徴的な植物なのに、ネット上に殆ど情報が出回ってなかったのである。

今回は、気まぐれで、「波打ったフキ」と検索したところ、出て来た画像の中に、そっくりなものが含まれていた感じである。

種名は、シラユキゲシ(白雪ゲシ)。原産は、中国の南東部の標高の高い場所(1400〜1800メートル)のようである。

夏の乾燥を嫌い、湿った半日陰を好む耐寒性多年草との事だが、確かにこのシラユキゲシが群生していた場所は、杉・ヒノキ・サワラの人工林の林縁で斜面の下の方でもあり、湿った土壌といった条件は備わっている。

この植物は、庭園の半日陰の下草とかに利用されたり、鉢物で流通したりしてるらしいが、どうやって、この自然下の場所に溢出したのかは、興味が湧く。(ただ、一般的には、野への溢出を外来種として警戒されている植物のようである………ただ、これからの温暖化の傾向を考えると、平地では好条件は揃っていない気もするが……)

私は、昭和の日本の庭とかに合いそうななかなか趣きある植物だと思う。

ヤマブキショウマ Aruncus dioicus (Walter) Fernald var. kamtschaticus (Maxim.)  H.Hara 福島県 標高 800メートル

先週末に、家族が山登りにお友達と行くというので、私は、一行を登山口で下ろし、下山口で拾うという完全な運転手の役を買って出た。

買って出た理由の一つは、登山口も下山口も標高は1000メートルぐらいあり、待ってる間の5時間(結局は7時間)は、自由に自然観察やイワナ釣りが楽しめるからである。登山一行もスタート地点に戻ってこないコースが取れる事を喜んでくれる。お互いの利害が一致した。

想像以上に豊かな生態系であったが、先ずは気になった植物を種名に辿り着ける限り、紹介してゆこうと思う。

この植物は、知っていた。ヤマブキのような葉っぱしてるし、ヤマブキショウマと言うんじゃないかとの予想はしていたが、実際にヤマブキショウマである。

どうも、雌雄異株のようで、上の写真のような細い花序は雄株で、雌株は、もうちょっとふっくらとした花序になるようである。

若芽は、山菜としても食べれるようである。

この植物の分布に関しては、日本には、もちろん分布しているのだが、ロシア極東部のかなり北方にも、生えていたり、ヨーロッパにもほぼ同種がが生息しているようである。

寒冷地域の植物であり、涼しいところが好きな植物と理解した。

イチリンソウ

最近、近隣で見かけて、写真に撮っていた。

野草にしては、随分と大きな白い花だなと興味を抱いたのだが、どうせ野いちごの一種かと思い、スルーしそうになった。ただ、弱々しく細い茎を辿ると、ほとんど葉も付いてなく地面まで繋がっている。更によく見ると、野いちごとは思えない鋸歯の深い葉が3葉で疎に付いているのに気が付いた。

何だろう?

調べたところ、これが、イチリンソウと言うんだと、初めて知った。

イチリンソウとかニリンソウというのは、山草の本とかに必ず載ってる種であるが、こんなに大きな花だとは思っていなかった。雑草の中に生えても、凄いインパクトを与えながら、一際目立ちながら咲いていた。

さて、この場所に元々生えているのか、過去に誰かが植えたものがひっそりと代を重ねているのかは分からないが、まぁ、近隣の自然下で、イチリンソウが自生している場所を見つけれたのは幸運だったかもしれない。

本の中でしか認識してなかったイチリンソウを、初めて、自然下で実物を見る事が出来た。

ちなみに、各都道県の独自のレッドデータでは、このイチリンソウは、絶滅危惧I類に指定しているのが、宮城県と佐賀県。絶滅危惧II類に指定しているのが、福島県と千葉県。準絶滅危惧種に指定しているのが、茨城県をはじめ6県ある。