クロイロコウガイビル

初めて、この得体の知れない生物に出会ったのは、小学生時代。場所は千葉の都心部。

それまで、出会った事がない生物だし、友達や親に説明しても理解してもらえないし、子供心の私の中では、ずーっと新種発見の気持ちを忘れずに育み続けていた。

それから、数年経ち、中学生になった頃、家の周りの身じかな生き物を紹介している書籍を、パラパラめくって読んでいた時に、「あっ、コイツだ」と、その謎の生物の名前に行き着く事になった。

イラスト付きで、コウガイビルと、名前だけ紹介されていた。当時中学生の私は、コウガイビルのコウガイは、郊外の事なのかなと想像したりしていたが、実際のコウガイビルのコウガイは、昔の女性の髪飾りの一種の笄(こうがい)に由来しているという事を最近知った。確かに、コウガイビルの頭の形と、笄と呼ばれる昔の髪飾りの形が似ている。

さてさて、本題に入るが、この少しグロテスクな見た目のコウガイビルは、害虫なの?益虫なの?

少なくとも、私の中では、益虫のイメージしか無い。理由は、7年前に、今の土地に家を建て移り住み始めた時、数年間、ナメクジの猛攻に悩まされた。植える植木や、育てている花の芽が、夜になると、大量のナメクジに舐められてしまい、死滅してしまうものや、著しく成長を阻害されてしまう時代があった。

ただ、そのナメクジの大量発生の時代も、パタッと落ち着く事になるのだが、その分岐点と思える頃に、庭で雨の日などに目にするようになったのが、このコウガイビルなのだ。元々、コウガイビルが日向の多かった我家の土地に生息していたというよりは、隣家の湿った場所より移動して来たか、植物の苗を収めた植木鉢やケースに付着して持ち込まれたのかなと想像したい。

コウガイビルが、ナメクジを捕食しているというのが、私の推理であるが、どうなんだろう?あとは、ナメクジを捕食しているとしたら、我が家に住み着いている小さなカエル達(アカガエル、ヌマガエル、アマガエル)?

最後に、このコウガイビルという生物は、かなり原始的生物で、雌雄同体で、ちぎれた身体が両方とも生存して、増殖するとの事である。

2019年8月18日追記

今年は、梅雨の長雨だったにも関わらず、我が家の庭で、コウガイビルに出会っていなかった。我が家の庭の生態系のバランスを保つ上で、とても重要な役割を果たしてくれていると思われるコウガイビルが、もしかして我が家の庭から絶滅してしまっていないかとの不安もあった。

そんな折、数日前に木が迫り出し少し日陰の草むしりをしていた時に、近くに置いていたスマホを見たら、とても小さなコウガイビルがスマホの上を這っているではないか。どうしたら、そんな偶然が起きる?

とても嬉しくなり、直ぐに写真に収める。それにしても小さい。2センチにも満たないかもしれない。分裂後は、こんなに小さいの?それと、頭部と胴部の色の違いも目立つと思った。

とにかく、我が家の庭でコウガイビルに出逢えて嬉しさ隠せない1日だった。

“クロイロコウガイビル” への4件の返信

コメントを残す