ニホンカナヘビが身近な存在になったのは、小学校6年の時に引越した先の北九州の地においてだったと思う。ちょっとした草はらや茂みに、沢山いた。
ただ、北九州の人達はカナヘビとは呼ばずに、カベチョロと呼んでいた。記憶が確かなら、ヤモリはヤモリと呼ばれていた気がする。もちろん、2種の違いが分からない人達の間では、どちらもカベチョロで通った。
次に、このカナヘビとヘビーローテーションで出会う機会が訪れるのは、30代半で引越して来た茨城の地においてであった。最初に住んだ小さな庭付きのアパートに沢山住み着いていた。どうも、軒下で産卵しているらしく、季節になると、通気口を通り這い出してきた子供のカナヘビ達が、芝庭の上で日光浴しながらチョロチョロする姿に癒されたものだった。
また、現在の土地を購入し、地鎮祭を行なっていた時に、敷地内でカナヘビを見かけた時には、人知れずほくそ笑んでしまったのを覚えている。
ただ、実際に暮らし始めると、思いの外、いや全く、庭でカナヘビと出会わない日々が続いた。それならばと思い、近隣から、カナヘビを捕まえては、庭に放す事を数年間続けたが、放してからの1週間ぐらいは、あちらこちらで気配や姿を見せてくれるのだが、次第に気配は薄れていく。そして、小さなカナヘビ達が誕生してる光景も記憶に残らない。
思いの外、天敵が多いのであろうか?一度、10匹ぐらいのカナヘビを庭に放した翌日に、玄関先で小型の爬虫類を主食にするシロマダラというヘビが死んでた事があった。またある時は冬場に庭の手入れをしていた時に、庭の木の枝に串刺しにされたカナヘビの亡骸を見つけた。犯人はモズ。他にも、カナヘビをハンティングしてそうな生物として、野良猫なんかも怪しい。
同じような我が家の庭の意図的移入種のヤモリやヤマアカガエルが、定着して、毎年繁殖している事を思うと、なんとかカナヘビ達にも増えていってもらって、その可愛らしい姿を見せて欲しいと思う。
ちなみに、カナヘビの名の由来は、愛(まな・かな)でることが出来る蛇という説もあるようである。私には、頷ける気もする。
今年も、子供達とカナヘビを採りに出掛けるとしよう。