先週の金曜日に、仕事で入った建物の中で発見。すかさず、屈んで写真に撮るが、自然光の入らない屋内で、然も光量が弱まる床面近く、ピントが合う写真が撮れない。
こうなれば、摘み上げて撮るしかないと、摘みあげて写真に撮ってみた。
先ず、この昆虫の第一印象だが、発見時の床に居た時の印象は、正直マイマイカブリだと思った。そして、しゃがんで写真に撮ろうとした時に、オサムシの仲間かとも思った。黒い大きめのゴミムシの類よりも、更に二回りぐらい大きかった。
摘みあげて、マジマジと見てみたところ、オサムシの仲間特有の上翅上の顆粒状の点列が見て取れなかった。こうなってくると、やはりゴミムシの仲間なのかなぁとも思った。
帰宅後に、写真を見返していて一番印象的に感じていた触覚の色が途中から変化している特徴からクロナガオサムシ、オオクロナガオサムシ、コクロナガオサムシのどれかであるというところまでは辿り着けた。
ただ、この3種はDNA的に殆ど差異がなく、形態的差異も、私には微妙に映ってしまう。
ということで、高地や寒冷地に多いコクロナガオサムシは取り敢えず候補から外して、しかし、クロナガオサムシかオオクロナガオサムシかは断定出来ないので、タイトルにはクロナガオサムシを選ばせて頂いた次第である。
大きさは、35mmぐらいで、小さめのマイマイカブリといった印象であった。
と同時に、8年前に今の土地に新居を構えた時に、このオサムシを庭木も生え揃わない殺風景な庭で見かけていた記憶が蘇ってきた。子供の頃に慣れ親しんでいたマイマカブリを久しぶりに発見と思ったが、当時どうもちょっと首が太短くて違うと認識していた昆虫である。ただ、その後、1,2年でパタっと、その昆虫は我家の敷地から姿を消して、その後遭遇はしていない。どういう環境変化を与えてしまったのであろうか。
さて、最後に、今回のクロナガオサムシの種分科のような例は、結構狭い地域毎にシッカリとDNA的な違いを分析する時代が来ている気がする。そして、そこから日本の地域の地形的誕生の変遷を読み取る材料に活かしてって欲しいなと感じる。
追伸: 期待していた結果だが、このクロナガオサムシと思われる昆虫を摘んだ結果、指には、多少の液体と共に、臭いが付いてしまった。この臭いは、多くの綺麗なゴミムシ達の発する決して悪臭とは言えない臭いとは違い、明らかに腐敗臭みたいな不快な臭いであった。この臭いが、危険時に出す臭いなのか、偶然に排出された糞臭みたいなものか分からないが、かなり不快な臭いであった。