ヤブデマリ Viburnum plicatum var. tomentosum 茨城県福島県の県境付近 標高700メートル前後

先週末に、ぶらっと茨城県と福島県の県境付近の山を散策しに行った。

時折、道路から遠方に白い花を咲かせる中低木が目に入った来ていたのだが、私は、ヤマボウシかと思っていた。

そんな道中、林道脇に大きな白い花を輪っか状に咲かせる横広がりの中低木が現れたときに、すかさず観察のために近寄り、写真に撮った。そして、繋がった。遠方に見える白い花を咲かせる横広がりの木は、これと一緒だと。

種名はヤブデマリだと思う。

横広がりの樹形に、大きな白い花の輪っかが多数散見する姿は、清々しく美しく感じられた。庭が大きければ、一本植えたい木だなとも思った。

さて、このヤブデマリの生息分布は、国内は、岩手県盛岡市辺りが北限との情報もあったが、本州から九州にかけての太平洋岸に自然分布しているようである。日本海側には、ケナシヤブデマリ(ヒロハヤブデマリ)という種が存在するらしい。

海外の分布は、朝鮮半島や中国の南東部が知られている。また自然分布か分からないが、アメリカ合衆国の北東部からの報告もあるようである。

シロスジカミキリ Batocera lineolata (Chevrolat, 1852)

数日前に近隣で見かけたカミキリムシである。

大きさは、体長45ミリぐらいだったと思う。

過去にも何回か見たことがある記憶がして、過去の投稿を確認してみたところ、5年前の8月8日に投稿済みであることを確認した。

ただ、その時は、死んだ個体の投稿であったが、今回は生体の投稿である。

種名は、シロスジカミキリ。黄色い斑点が目立つカミキリなので、どうしてシロスジカミキリという種名なのかは、いまいちピンと来ない。

そして、国内のフトカミキリ亜科のカミキリムシとしては、最大種としてのことである。ここで、疑問が生じたのが、近隣でよく見かけるミヤマカミキリの方が大きい気がするという漠然としたイメージである。ただ、これは直ぐに、ミヤマカミキリはフトカミキリ亜科ではないかとの予測が立てれたのだが、案の定、ミヤマカミキリは、カミキリ亜科に属するカミキリであった。

このシロスジカミキリは、誕生から4年ぐらいの寿命を持つカミキリムシらしいが、4年目ぐらいのゴールデンウィーク辺りに地上に現れ、それ以前は、ブナ科の木の中で幼虫(一瞬、蛹)として、ずっと成長し続けている。

成虫は、数週間の寿命であるが、稀に8月頃まで生きながらえている個体もいるとのことである。5年前の8月に投稿した個体も、死んではいたものの、風化や傷みはひどくなかった記憶があるので、成虫として長生きした方の個体だったのかもしれない。

上の写真の個体がいた場所の側には、かつての栗林の面影がハッキリと残っており、それらの朽ち掛けの栗の木の中で育って来たものと想像する。故に、栗栽培を生活の糧にしている栗農家さん達からすると、要マークのカミキリムシと言えるかもしれない。

生息分布の方は、国内は、本州以南…………九州の徳之島の辺りまで生息しているとのことである。海外は、韓国、台湾、中国南東部に生息している模様。南方系のカミキリムシらしく、高山にはいないとの情報もあった。

あと、このカミキリを捕まえた際の感想だが、チーチーとよく鳴く(実際は摩擦音)カミキリムシだなとの印象を持った。

アオハナムグリ Cetonia roelofsi (Harold, 1880)2nd

数日前に近隣で見かけたハナムグリの一種である。

親指の爪の大きさとも比較しながら、体長15ミリぐらいであったであろうか。

その場で、このハナムグリに目が行った理由は、こんなに前胸背の端側や頭部に赤銅色の光沢があるハナムグリって居たであろうかという第一印象からである。

頭部が映る写真をもう一枚。

さてさて種を調べるかとなった時に、浮上して来たのは、アオハナムグリという種である。同時に、アオハナムグリを2年ぐらい前に投稿していたような記憶も持っていた。しかし、その時のアオハナムグリを見かけた場所は福島県の標高800メートル付近で出会ったのも覚えていた。

ということで、山地系(冷地系)と思っていたアオハナムグリが、標高25メートルそこいらの平地にもいたぞという些細な発見の気持ちで、アオハナムグリを再投稿してみようと思う。

このアオハナムグリの生息分布は、国内は、北は北海道(北方領土含む)から、南は九州の屋久島までが知られているようである。また、隠岐諸島や五島列島にいる個体群は、色合いが違うようで、亜種として扱われているみたいな情報を読んだ。

海外の生息分布は、樺太の南部の方から上がっているようである。

ちなみに、近隣の平地で今時分に普通に見られるコアオハナムグリの写真を比較用に以下に貼っておく。