最近,近隣で見かけて写真に撮った蛾である。
大きさは、前翅長25ミリぐらい。
羽化から日が経つのか鱗粉や綿毛が殆どなくなり劣化が激しいが、辛うじて木目(杢)のようなものが見える。
この情報にプラスして、上翅の後端の背側に向けての切れ込み度や頭部の雰囲気等から、シャチホコガの仲間の気がしたので、シャチホコガの仲間を当たると,シャチホコガ科ウチキシャチホコ亜科に属するモクメシャチホコという蛾がヒットして来た。
羽化したての状態だと、もっとハッキリと翅の全面に渡って木目紋様が見え,胸部背面側や脚部も,モコモコの毛で覆われているはずである。
ちなみに、似た種に少し大きいオオモクメシャチホコという種がいるらしいが、本種モクメシャチホコの翅脈は写真でも分かるようにハッキリと橙色をしているが、オオモクメシャチホコの翅脈は、翅の表面色と同化して目立たないようである。
両種とも,幼虫の食草はヤナギの類である。上の写真の個体がいた付近には、西洋ヤナギ(ポプラ)が生えている場所がある。
本種モクメシャチホコの生息分布の方は、北海道と本州。海外の生息分布は、朝鮮半島。他には、樺太やロシア沿海州に、ロシアの内陸部でも確認されているようである。
一方の,オオモクメシャチホコの方は、国内は、北海道から九州まで。海外の生息分布は、朝鮮半島に中国の東部では確認されているようである。