コブノメイガ Cnaphalocrocis medinalis (Guenée, 1854)

忙しくて投稿が滞っていたが、あまりに季節がかけ離れないうちに、投稿しておこうと思う。

見かけたのは近隣で、9月の頭である。

大きさは、前翅長10ミリといったところであったであろうか。

種名は、コブノメイガ。初めて出会う蛾でもあった。

種名の由来は、前翅外縁の中程に見て取れるフサのような盛り上がり部分を瘤(コブ)と捉えて付けられたみたいである。このコブは、雌には無いとのことである。

幼虫の食草は、イネ科植物という事で、稲の害虫でもある。昭和の初め頃には、南九州で発生が知られ、稲が大打撃を喰らっていたらしいが、全国的に害虫として知られるようになったのは,1967年の全国での大発生と事である。その後,1973年,1975年,1980年にも大発生が起きたらしい。その後は、中国で,この蛾に効く農薬が使われるようになったお陰で、殆ど姿を見なくなった蛾らしい。

では、なぜ中国が関係しているかというと,この蛾は、日本の気温だと日本の冬を生き延びれないらしく,南方の中国大陸からはるばる飛んで来たものが冬が来るまで代を重ね、死滅していくライフサイクルを送っているようである。

ここで気になったのは、日本の温暖な南西諸島でも冬を越せないのかという点と、地球温暖化が進んでいるように感じる昨今でも,日本の冬を生き延びれないのかという点である。

では、最後に,このコブノメイガの生息分布に触れておくと,国内は北海道から南西諸島まで。海外の生息分布は、東アジア、東南アジア、インド、ニューギニアの方からオーストリアの東岸まで、広範囲に及んでいる。

トンボや大きな蝶なら分かる気もするが、小さな蛾が、どうやって大陸からはるばる飛んで来れるエネルギーを持っているのか、また、どうして移動を試みるのか興味が湧くところである。

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