ヤマメ Oncorhynchus masou masou (Brevoort, 1856)  福島県東白河郡 標高 450メートル

先週末、福島県方面へと渓流釣りに出かけた際に撮った一枚である。

少し痩せ気味だけど、上の写真の個体で、体長22センチであった。

種名は、言わずもがな、ヤマメ。

上の写真の個体が、放流ものなのか、自然下で生まれ育った天然ものなのかは、私には分からない。尾鰭が壊れて見えてて、放流物でしょうと思われそうだが、尾をバタバタ、鰭をクニャクニャさせている瞬間が撮られただけで、実際は型崩れの無い尾鰭をしていた。放流物は、凄く生息密度が高く、他の個体と擦り合うような環境で育てられているため、胸鰭とか尾鰭が擦り切れ,小さくなっている事が多い。ちなみに,ほぼ同じ場所で釣れた個体に1匹だけ銀毛傾向が出ているものが混じっていた。(銀毛🟰スモルト化とは、海に降りる降海型へ向けての変化の現れとのことである。確かに、ヤマメの降海型のサクラマスは、全身銀色をしている気がする。)

さて、ヤマメの平均的サイズだが、食べるなら、これぐらいがベストサイズだと思う。理由は、単純に、これ以上の大きさだと、家のグリルで焼いた時に,どうしても身体の奥の方のヤマメの体液を蒸発させ切れずに、どうしてもその水分が、微かな独特の風味をもたらしてしまうからである。水分の上手く抜けたヤマメは、本当に旨味が全面に出てくる美味しい魚だと思う。

ところで、一年に一回ぐらいしか行かない渓流釣りだが、それでも少しづつ気が付いてくる規則性のようなものがある。例えば、本流とは言えないような渓流で、少しサイズアップを狙うなら、水流の落ち込みがしっかりと複雑な反転流等を作っている淵みたいなところを重点的に釣り上がるのが効率的だと感じる。淵とは言えないような瀬の中に点在する大岩や中岩の背後にも魚は待機しているが、釣れる割にはサイズは上がらないという規則性があるように感じる。

この理由も、何となく見えて来るのだが、瀬の中の様々な隠れ家から飛び出したヤマメ達が見事に餌に飛び付いてくれるから釣れるわけだが、餌の流れは思いの外速く、餌の取り逃がしも結構あるのではと考えてしまう。一方で、少し落ち込みが複雑な反転流を作っているような淵だと、上流から流れて来た餌が淵にぐるぐる留まったり、再度急流に飲み込まれるまでゆっくりと餌が流れる時間も多く,要は、餌の量が豊富なのと、餌も食べ易いという事である。この餌の多さが、魚体のサイズアップと関係しているのは疑いようがないように自分には思える。

ゆえに,日本の山から滲み出す豊富な水量が質量保存の法則に則り狭くなった場所で流速を上げ、おまけに川の傾斜がキツいほど、重力が流速を上げる事にもなり,こうした日本の渓流環境から来る、急流での餌の捕まえ難さ(量)が、日本の渓流魚の小ぶりな平均サイズに、言い換えるなら餌の量に見合った成長サイズへとしている原因の背後要因のひとつにあるなと感じるのである。

結論から言うと、大きいのが釣りたければ、中小ポイントは捨て、餌の溜まりやすい大場所を釣れと言うことかもしれない。

最後に、ヤマメの生息分布に触れて、この投稿を締め括らさせて頂く。国内の生息分布は、北は北海道から南は九州西部まで。屋久島に生息している個体群は、放流からの系統らしい。海外の方は、北は、カムチャッカ半島南部から千島列島やカラフト南部。大陸方面は、朝鮮半島を経て、ロシア沿海州南部まで。台湾には、タイワンマスと呼ばれ、日本のヤマメにそっくりな魚種が生息している。

ちなみに,ヤマメの生息分布を考える時に,絶対に頭を過ぎるのは、赤い斑点が有るか無いかの違いのそっくりなアマゴという魚種の存在である。こちらのアマゴの生息分布は、静岡県以西の太平洋岸といったところであり、四国や九州東南部が含まれる。