カギモンハナオイアツバ 成虫

先ほど、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長で13ミリぐらいだったと思う。とても、紋様がクッキリしていて、図鑑的なものでも過去に見た覚えがあった。

早速、種を調べてみると、カギモンハナオイアツバと判明。

ただ、幼虫の食草は突き止められておらず、この蛾が、河川敷のオギやヨシ原で見かけられる蛾とのことであった。我が家から所謂河川というものまでは、近くても1キロぐらいあるが、一体どの辺りで育ったものが、我家の外灯まで辿り着いたのであろうと興味が湧く。

このカギモンハナオイアツバは、群馬県が絶滅危惧Ⅱ類、他に五つの都道府県が準絶滅危惧種に指定しており、環境省のレッドデータでも準絶滅危惧種に指定されている。

環境省のレッドデータで、準絶滅危惧種に指定されているぐらいだと、結構レアな種なイメージがあるが、本日は、そんなレア種に出会えた幸運な1日だったのかもしれない。

イヌザクラ

先週末に、家から徒歩で行ける範囲の里山を歩いていたとき、カラフルな小さな実を付けた里木が目に入った。

この雰囲気の実を付けるのは、近隣だとウワミズザクラかイヌザクラであるが、その時点では、実からウワミズザクラかイヌザクラかを見分ける知識は持ち合わせていなかった。

そして、近隣でよく見かけるウワミズザクラの実だろうとスルーする流れだったはずだが、この実を付けている樹木のツルツルした表面で端が波打った葉には違和感を感じた。葉の色も気になった。近隣で似たような雰囲気の葉を持つ植物と言えば、ヤマフジであるが、明らかにヤマフジではない。

もしかして、イヌザクラって、こんな実と葉だったりするのかと調べたところ、まさにイヌザクラの実と葉と合致する事になった。上の写真からは、イヌザクラの実の特徴である丸め(ウワミズザクラの実は卵型?)のところと実に顎が残っていないところが見て取れる。

さて、ここで気になったのは、その場所に同じような実を付ける樹木は複数沢山あった。しかし、全部がイヌザクラではなかったような気がする。ウワミズザクラも混じっていた…いや、ウワミズザクラの方がメインだったような気がして来た。(近所なので、確認しに行けば良いだけだが。)

とここで、普通の人なら絶対に頭を悩ませないような疑問が頭の中をグルグル巡るようになってしまった。花や実の類似形状から、ウワミズザクラもイヌザクラも、元々は同じルーツの木で遠い太古に枝分かれしたと考えたいが、それならば、その場所場所の環境に合わせて枝分かれして行ったと考えたい。ゆえに、同じ環境に、同じような特徴の近似種が生えていると、どうして?となってしまうのである。

どちらかが、後から移入されたのであろうか?

ヌマトラノオ

こないだの週末に、近所の田んぼ脇を歩いているときに、この植物が目に入ってきた。

直ぐに、これが、ヌマトラノオという植物だろうとの予測は付いたが、ちゃんと調べたところ、実際に、ヌマトラノオであった。

さて、この植物がヌマトラノオと直ぐに分かるのには理由があって、既に過去に、同じような田んぼ周りの、もうちょっと乾いた場所に生えるオカトラノオという近縁種の投稿をしているのだが、その際に、ヌマトラノオというもっと湿地好みの種がいる事を学んでいたからである。

ただ、まさにこんなに田んぼの水の中に生育できるとは予想していなかった。ヌマトラノオとオカトラノオの違いを他にも述べると、先ずは葉の形が違う。オカトラノオの葉は、もっと丸みのある菱形といった感じで大きい。一方、このヌマトラノオの葉は、写真でも分かるように、細長い。

他にも、花穂が垂れ下がるのがオカトラノオで、シャンと真っ直ぐに立つのが、ヌマトラノオと考えられている。そういう意味では、上の写真のヌマトラノオは、微妙に花穂が傾げている印象はある。

近隣では、オカトラノオもヌマトラノオも、時々見かける植物であるが、今回みたいな上から見下ろす形ではなく、花穂を横から見れるような場所では、どちらも和風に趣き深さを醸してくれる植物である。