ウワミズザクラ

この植物というか樹木は、私が暮らす地域ではよく見かける樹木である。近隣の雑木林の中で樹高15メートルぐらいの大木へと成長したウワミズザクラによく出逢う。また、辺りを見渡せば、中小様々なサイズのウワミズザクラの苗木が芽生えている事に気がつく筈である。

この原因は、実が美味しいのか鳥達の餌として食べられ、やがて糞として各地に拡散される結果、あちらこちらで芽生えている気もするのだが、どうなのであろうか?同じような繁殖拡大のスタイルを取っている身近な樹木に、エノキとムクノキなんかもある気がするが、どうなのであろうか?

ちなみに、似た種にイヌザクラという樹木もあるのだが、上の写真の実の形状からウワミズザクラであろうとの結論に至れる。と言うのは、イヌザクラの実は、もっと丸に近い球形であり、実の付け根に萼片と呼ばれるヘタが残っているとの事である。写真のものはどうであるかというと、球ではなくポチッとした突起も見て取れるし、実に萼片らしき物も見当たらない。ゆえに、上の写真の樹木は、ウワミズザクラであると思う。

このウワミズザクラ、5月頃にまるで試験管を洗うのにピッタリのような白いブラシ状の花序を伸ばした花姿がを目立たせ、遠くからもウワミズザクラの存在を、私達に知らしめてくれる。

ただ、私が、一番ウワミズザクラに魅力を感じる季節は、何と言っても紅葉の時期である。他の木々が、赤や黄色やオレンジに染まる中、ウワミズザクラは、なんとも言えない淡いクリーム色に葉の色を変える。そして、葉や場所のムラなく、すべての葉が、この淡い柔らかなクリーム色一色に変わる気がする。

毎年、ウワズミザクラの紅葉には、見惚れさせられてしまう自分が居る。

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