カラドジョウ (つくば市中部)

古い写真を整理していたら、こんなドジョウの写真も見つかった。撮影年月日は、2013年9月27日となっている。かれこれ7年も前のことになる。捕獲場所は、生態系の濃いお気に入りの水路。

このドジョウの特徴が上の写真だけだと分かりづらいと思うので、下に、私の暮らす地区で捕まえた普通のドジョウの写真を投稿しておく。

パッと比べただけで、上のドジョウの方が、ずんぐりムックリしているのが分かるだろうか?

上の方のドジョウは、所謂、外来種のカラドジョウと呼ばれる種だと思う。ネット上で、一般的なドジョウとカラドジョウの違いや見分け方が沢山出回っているが、私の印象では、日頃から一般的なドジョウと出会っている人達なら、カラドジョウが混ざっても、比較的直ぐに雰囲気の違和感に気付くのではと思う。

私の場合は、最初のうちは、短いズングリした個体群の多い水路だなと思ったが、どの個体も日光に当たった時のドジョウの表皮が明るい五円玉のような色合いであるのと、これも表皮がツルツルでヌルヌルって感じではなく、小さな鱗が明らかに見て取れる点から、いつものドジョウと違うと、フィールドの時点で感じることが出来た。

カラドジョウの鱗が見て取れる写真があったので、以下に貼り付けておくことにする。

上の写真からは、カラドジョウの髭が長いという特徴も見て取れるが、普通のドジョウでも髭の長さはピンキリの様な気はしてる。

また一番上の写真で分かるように、カラドジョウの特徴として尾柄部が太いという事がよく紹介されているが、水槽に入れて観察してみると、尾柄部が太いというよりも、そもそも尾びれ付近の鰭(ヒレ)の付き方が随分違って見える。

さて、このカラドジョウは外来種で、1960年代に食用に輸入されたものが自然界に逸出して広がったと言われている。そして、2005年に施行された特定外来生物による生態系等に関わる被害の防止に関する法律(通称 外来生物法)の中では、要注意外来生物という分類に入れられ、2015年に要注意外来生物という言葉が使われなくなってからは、現在のところ、生態系被害防止外来種の中の総合対策外来種という括り(要観察中みたいな意味合い)の種に指定されている。

最後に、ただ、その水路では見つけられたカラドジョウだが、その後、近隣の他の水路で出会った事はなく、あくまでも主観だが、そんなに拡大を広げているような気はしない。

以上。

タウナギ (土浦市)

古い写真を整理していたら、タウナギの写真を見つけたので投稿してみることにする。撮影年月日は、2013年9月25日となっている。

写真だと分かりづらいが、この個体で30センチぐらいあったのを憶えている。

霞ヶ浦に隣接する沼で捕まえた。当時、この沼に行けば、大袈裟に言って百発百中捕まえる事ができた。ただ捕まえ方にコツがあって、その捕まえ方は、敢えて言わない事にしておく。理由は、ある植物と起因していて、その植物が増えすぎる事が生態系のバランスを崩す危険性があるような気もするからである。

さて、このタウナギとの出会いも、この時が初めてだったのではと思う。人生でウナギと名前に付く淡水の生物を捕まえたのは、一般的なウナギ、ヤツメウナギの一種(栃木の清流で結構捕まえれる)に続き、3種目となったのかな。(笑)

さてこのタウナギの習性として興味深いのは、生まれた当初は雌しかおらず、ある大きさになると雄に性転換するものも現れるという性質である。また、日本の本土に生息しているタウナギは、雌が産み落とした卵を雄が守る性質が有り、雄が仔魚を口内で保育したりもするようである。

タウナギは、元々は日本本土には居らず、1900年頃に奈良県に移入された記録が有り、そこから各地に広がったものではと思われている。国立環境研究所の侵入生物データベースによると、現在太平洋岸の地域を始めとしたいくつかの県で生息が確認されているが、実際はもっと多くの都道県に広がっていそうなイメージは描ける。

この東南アジアから東アジア中国を経て朝鮮半島にまで生息域が広がるタウナギという魚は、DNA的には3種類に分類できるようで、日本本土に広がったものは大陸中国のものと同じ型であり、日本の領土内には、沖縄含む南西諸島に、これと違った型が生息しているとの事である。また、これ以外に東南アジアには、3種目の東南アジア型が存在する。

しかし、台湾には、距離が近い南西諸島型がいるわけでは無く、東南アジア型と日本・中国型の二つの型が存在してるらしい。また、東南アジア型と南西諸島型は、雄が仔魚を保育する習性は持っていないとの事である。ちなみに、台湾にいる東南アジア型のタウナギは、ある水草に卵を産み落とされた後は、何の保育も受けずに仔魚は成長してゆくとの事である。そして、私が上で秘密にした植物と台湾のタウナギが産卵に使う植物が、偶然にも一緒なのである。この事実から分かることは、私が近所で捕まえているタウナギは東南アジア型の可能性も考えれるし、日本本土に入ってきたと言われる中国型も、その水生植物とはなんらかの関連性を備えている可能性もあるかなと思われる。まぁ私に時間があれば、奈良県辺りのタウナギを手に入れて、その水生植物に産卵するかの実験やデータ取りをするだけだが……そんな時間あるわけ無い。(老後にやりたい実験リストにでも入れておく事にする。)

最後に、このタウナギの身は、川魚にしては珍しく赤身で、カツオの身の様なドス黒い色見である。ただ、中国では重要な食材として扱われてるようである。

最後に、もう一枚タウナギの写真をアップして、この投稿を締めくくる事にする。

ニホンスッポン (つくば市中部)

古い写真を整理していたら、スッポンの写真を見つけた。撮影年月日は、2013年の9月17日。もうかれこれ、7年近くも前のことになる。

秋晴れが気持ち良かったこの日、仕事のお昼休憩中にお気に入りの水路(お気に入りの理由は生態系が濃かった)の脇道を散歩していた時に、水路の中にある陸地の一つに見慣れない超小型の亀らしきものが居ることに気が付いた。たまたま(?)持っていた網で掬うと、予想外に簡単に網に収まってくれたのがこの個体。

超小型の亀らしき生物は、直ぐにスッポンの子供と分かった。ただ、ペットとして飼われていたものや何処かで養殖されていたものが逸出した可能性もあるので、何というスッポンなのか、種の断定には慎重になったが、おそらくキョクトウスッポンとも呼ばれる一般的なニホンスッポンかと思われる。

自然の中でスッポンに出会ったのは、この時が初めて。近隣で身近で捕まえれる亀と言えば、クサガメとミシシッピアカミミガメぐらい。ニホンイシガメなんかは、自然下では一度も見たことはない。そして、スッポンも、亀の仲間としては、珍しい部類に入るのではと思う。

因みに、同じ水路では、二匹目の泥鰌を狙うが如くその後もたまに通っていたが、淡水二枚貝でも探してみるかと、たまたま掬った泥を流れで濾していると、網の中にゴソゴソと動く小さな生き物を発見。同じサイズの小さな二匹目のスッポンの子供であった。

こうして、この場所でスッポンが自然繁殖しているのは確かそうだと分かったが、発生源はその水路というよりは、隣を流れる大きめの河川の氾濫原の名残と言えそうなおどろおどろしい雰囲気を持つ泥泥の超浅い沼のような気がして、そこで誕生したスッポンの子供が水路を遡上して来ているのかなと私は推理した。

さてさて、このスッポン、私の主観でなんとなく南方の亀の気がして、ゆえに冬は寒い茨城県ではあまり繁殖出来てないのかなとも思ったが、人目につかず確実に生息してはいる。